Eighter -Blindness Wizard-
29ther 〜虎の尾を踏む蒼天 B〜
#3
上総介「貴様は双虎拳(の化野梶太郎(で間違いないな」
化野梶太郎(「俺のことを知っているとは、貴様、何者だ!?」
総介「SRAPの上(総介……」
梶太郎(「何!?」
総介「だが、貴様にはこういった方がいいだろうな……俺はあの梓與鷹(の友人だ!」
梶太郎(「貴様ッ!」
與鷹(の名を聞いて激昂する梶太郎(。そのまま怒りに任せて総介に殴りかかるも、総介は冷静にそれを回避すると
カウンターとばかりに蒼王の刃(で意識を刈り取る
梶太郎(「カハッ!?」
しかし、この勝負はこれで終わりではない。
いや、この勝負自体はこれで決着なのだが……
総介「山咲(!至急與鷹(を呼べ!」
山咲(桜「はい、警部!」
梶太郎(「うっ……ぐぅ……」
暫くすると梶太郎(は目を覚ます
総介「気が付いたか!?」
梶太郎(「てめぇ!」
起き上がりざまに殴りかかる梶太郎(だが、それをこともなげに躱す総介
総介「貴様の相手は俺ではない!」
梶太郎(「あぁ?!」
じゃあ、誰だってんだ!
総介「貴様の後ろにいる漢だ!」
梶太郎(「何!?はっ!?」
梶太郎(が振り向くと、そこには與鷹(がいた。
梓與鷹(「……総、俺を呼んだのはこのためなのか?!」
別に総介の実力でも梶太郎(を倒すことは可能のはずだ。
総介「取引だ!もし、貴様が與鷹(に勝てば、無罪放免、自由を約束してやろう」
與鷹(「おい、総、そんな勝手な……」
総介「だが、貴様が與鷹(に負ければ今度は俺の手駒として働いてもらおう」
梶太郎(「ヘッ!上等だ!」
バシっと拳を掌に叩きつけて梶太郎(が吠える。
與鷹(「あ〜〜、もう、わかったよ」
仕方がないと言った風に與鷹(も覚悟を決める
総介「與鷹(!貴様は普通に勝て!」
與鷹(「え?なんだって!?」
それは魔術師としての力を使うなということである。
まぁ、当然だわな……魔術師としての力を使って梶太郎(を倒したところで梶太郎(も納得しないだろう。
テノ「だる?」
與鷹(「お前は今日は見学だ!」
テノ「が〜ん」
基本與鷹(と行動を共にするのが彼の魔導書娘たるテノ。だが、今回は蚊帳の外なのでショックを受けるのであっ
た。
※見た目からは全然判断できませんが……ってか、本当にショックを受けているのだろうか……
#4
梶太郎(「フッ、長かったぜ……」
ググっと拳を握りしめて梶太郎(が叫ぶ
梶太郎(「俺は貴様を殺すためだけにこの拳を磨き続けてきた」
與鷹(「はぁ、お前もかよ……」
裕といい、どうしてこうなってしまうのか……
もしかして與鷹(の方に何か原因があるのではないかって思ってしまう程に與鷹(は参っていた。
梶太郎(「俺の同門、胴崎烈(を殺した貴様は絶対に許せねぇ!」
與鷹(「いや、ちょっと待てよ……」
確かに與鷹(は胴崎烈(を倒しはした。しかし、殺してはいない。烈(はLODに取り込まれて自滅したのだ。
梶太郎(「俺は拳王に憧れて双虎拳(を学んだ。かつては拳王親衛隊として拳王の行く手を阻むものの露払いを行って
いたこともある!」
與鷹(「いや、拳王親衛隊って……」
お前はどこの世紀末覇者の部下だよ……と思わず突っ込みを入れたくなる與鷹(だった。
梶太郎(「そして、ある時、俺は思った……俺は別に胴崎烈(を崇拝してるわけじゃねぇなって……」
お前、洗脳でもされてたんか!?
梶太郎(「俺は、胴崎烈(を倒して新たなる拳王となると決めた。だから、俺より先に奴を倒した貴様は許せん!」
與鷹((いや、烈(もそうだったけど、拳王でもなんでも勝手に名乗ればいいんじゃないか?)
大体、梶太郎(は與鷹(に挑んで敗北しているのだ。
※少なくとも二回。
梶太郎(「確かに俺は貴様の前に二度負けた。だがな、俺はまだ本気を出しちゃあいねぇのよ!」
與鷹(「……」
酷い言い訳だ……じゃあ、今回も負けたらまた、まだ本気を出してないとか言い出すんじゃないだろうか?
梶太郎(「双虎拳(の全てを貴様に見せてやろう、そして俺は拳王を超えて拳神となる!」
與鷹((いや、そのセリフ、烈(も言ってたんだけど……)
類は友を呼ぶとはこのことか……と與鷹(、呆れる。
梶太郎(「行くぞ!虎伏絶掌(!」
ゴアアアアッ
気を練り上げてパワーアップを図る梶太郎(。
與鷹((これは!?)
こんな技を隠し持っていたのならば、今まで本気じゃなかったって言い訳もウソではないのかもしれない。
※だったら最初から使っとけよ!って話になるんですが、それは舐めプしてたせいとかなんじゃないかな……
與鷹( VS 梶太郎((三回目)果たして、勝つのはどちらか!?
続
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