#3
典解(てんかい)、蒙解(もうかい)「貴様らはこれからDAの恐ろしさを嫌というほど知ることになるのだッ！オオオオッ」
上(かみ)総介「與鷹(よたか)、とっとと終わらせるぞ」
梓與鷹(よたか)「いや、言われなくともわかっている」
　召喚呪術ではないが、與鷹(よたか)だって彼らと同じく魔術を使う身である、故に無制限に力を行使できるわけではない
のだ。
蒙解(もうかい)「失納豺覇羽無拳(しつのうざいはうむけん)！」
典解(てんかい)「煩濃猖弦錐負拳(ぼんのうしょうげんすいふけん)！」
與鷹(よたか)「神狼九断(しんろうくだん)」
総介「臠蒼極連(れんそうごくりん)」　
　ズドドドドドドッ
　ドガガガガガガガッ
　拳打と拳打、それに拳打と斬撃が激突する
※総介だけ斬撃なんでなんか凄い場違い感

慈円「では、こちらも始めましょうか？」
白拍子かんな「……」
　典解(てんかい)、蒙解(もうかい)、総介と與鷹(よたか)が死合っている中、慈円はかんなを名指し。
　いや、正確には名指しなんてしてないが……
慈円「貴方が一番の強者……おそらくはあなた方の切り札なのでしょう……？」
かんな「……」
　そう、かんなは切り札だ……だが、しかし、かんなは強さの次元が違い過ぎて使いどころが難しいのだ。
　ちなみに、かれんとかかなりも同じだが、彼女らは喜んで死合いだしそう。
　かんなが優しすぎるだけかもしれないが……
慈円「そちらから来ないのであれば、こちらから行きますか……」
　そういって慈円はなぜかかんなに背を向けると拝殿へと歩みだす。
慈円「塞押超絶獄悪手(そくおうちょうぜつごあくしゅ)」
　ドオンッ
　突如、こともあろうに左右の手刀を横に薙ぎ払って衝撃波を繰り出し、賽銭箱を破壊しだす慈円。
　何事かと思いきや、破壊した賽銭箱の中から錫杖を一本取り出す。
※いや、どこに何を隠してるんだよ！
慈円「これぞ大神の降真靈(こうしんりょう)の高僧のみが持つことを許される轟曦真靈杖(ごうきしんれいじょう)！」
　私がこれを手にした以上、あなたに勝ち目はありません！などと豪語する慈円。
※大言壮語も甚だしいな、おい。
慈円「では、貴方にも仏の慈悲を与えましょう！」
　要するに死ねって意味である。
　さておき、かんなめがけて一足飛びにかかる慈円。
　かんなの方もむざむざ殺されるわけにはいかないため、神滅超越者(ラグナロクエクセル)でこれを受けるのであった。

#4
蒙解(もうかい)「慈円様自らが動かれるなどと……」
典解(てんかい)「あの女、それほどまでに強いというのか！？」
　天網恢恢コンビにしてみれば、慈円が表立って死合うのを見るのはこれが初めてと言っても過言ではなく、驚き
を隠せない様子であった。
総介「フン、貴様らは自分の心配をしろ！」
　よそ見とは余裕だな！と言わんばかりに蒼王の刃(ブルーロード)で斬撃を叩き込む総介。
蒙解(もうかい)「フン、甘いわッ！」
　ガドッ
　プロテクタースーツを信用しているからなのか、素手（？）で刃を受け止める蒙解(もうかい)。
蒙解(もうかい)「死ね！奈喪鋒華屍曦功(なもふかしぎこう)！」
　ゴガアッ
　そして、触れるものを滅するような気を纏った掌底を叩きつける
総介「フン、抉蒼紅穿(かっそうこうせん)！」
　ガゴンッ
　対する総介は蒼王の刃(ブルーロード)をドリルのように回転させ、これに応戦。
典解(てんかい)「鋒封矛涼矛変功(ふほうむりょうむへんこう)！」
　燃える炎のような気を纏った手刀でX字の斬撃を叩き込む典解(てんかい)。
與鷹(よたか)「窿狼遍厳(りゅうろうへんげん)！」
　與鷹(よたか)の方は手刀をもって十字に切り裂いてこれに応戦。
典解(てんかい)「ほほう、なかなかやるなぁッ！？」
　だが、與鷹(よたか)の攻撃はこれだけでは終わらない。
　逆の手で典解(てんかい)に掴み掛るとそのまま蹴り上げる。
典解(てんかい)「ふぅ、今のは流石に肝が冷えたな……」
　ブシュっと血が噴き出ているが対して気にしない感じの典解(てんかい)。
典解(てんかい)「だが、貴様の実力は把握できた！」
蒙解(もうかい)「だから、そろそろ終わりにしてやろう！」
典解(てんかい)、蒙解(もうかい)「我ら、天網恢恢、其にして討ち漏らさずッ！」
　また謎のポージング。
※いや、なんなのお前ら……
典解(てんかい)、蒙解(もうかい)「仏門獄曼掌(ぶつもんごくまんしょう)、秘奥拳、奇命無靈咒如来(きみょうむりょうじゅにょらい)ッ！」
　ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
　禍々しい殺気に天網恢恢コンビが包まれ、心なしか二人の姿が巨大化する。
　これが仏門獄曼掌(ぶつもんごくまんしょう)、秘奥拳。自分の内に秘められし獣性や破壊衝動などもろもろの凶暴性を開放しパワーアップ
を図る奥義である。
　無論何の代償もなくパワーアップできるなんてことはない。これは命を削る諸刃の刃なのだ。
典解(てんかい)、蒙解(もうかい)「さぁ！死ねッ！」
総介「フッ、見掛け倒しではないようだな」
與鷹(よたか)「おいおい、総……」
　こんな時まで軽口を叩けるなんて流石としか言いようがない。

#5
蒙解(もうかい)「失納豺覇羽無拳(しつのうざいはうむけん)！」
典解(てんかい)「煩濃猖弦錐負拳(ぼんのうしょうげんすいふけん)！」
與鷹(よたか)「神狼九断(しんろうくだん)・翳噛(えいごう)」
総介「紺討蒼滅陣(こんとうそうめつじん)」
　スドンッ　
蒙解(もうかい)「ガッ？」
典解(てんかい)「デムッ？」
　そして、勝負はついた……
　天網恢恢コンビ、與鷹(よたか)、総介の前に砕け散る。

慈円「ふむ。そろそろこちらも終わりにした方がよさそうですねぇ……」
かんな「……」
　天網恢恢コンビの死合を見守りつつもかんなと刃を交える。巫山戯(ふざけ)ているようでいて、この慈円という漢、強い
　少なくとも、まだ何かを隠している様子だ。
　最も、それはかんなとて同じなのだが……
慈円「では、今回はここまでにしましょう……」
かんな「逃がしません！」
　逃げの一手を見せたその時、かんなの表情が変わる。
慈円「フフ……慌てずともいずれ会う時が来るでしょう……」
　カカッ
　慈円もまた、シレントワイザードと同じように閃光とともに消ゆ。
　ただでさえシレントワイザードという厄介な存在がいるというのに大神の降真靈(こうしんりょう)なる秘密結社まで出てくるとは
……この先、どうなってしまうのだろうか……


END