Eighter -Blindness Wizard-
19ther 〜騒乱戯画京都大火 A〜



#0
 京都で起こった爆破テロ。それは後に令和の京都大火と呼ばれることになるかもしれくもないかもしれない
※どっちやねん!
 さておき、事件の背後にはやはりと言うべきか、七罪塔(しちざいとう)が絡んでいた。
 決戦の場は京都府アニメ制作の総本山、東ナキ東京都アニメーション、通称(けい)アニの本社ビルだ!

#1
 総介らは七罪塔(しちざいとう)、そしてシレントワイザードを待ち構えるべく(けい)アニ本社の入り口に陣取っていた。
 周りから見れば邪魔で仕方がないことこの上ないのだが、SRAPの捜査の一環だと主張されれば、何も言えなくな
る(けい)アニ社員なのであった。
(かみ)総介「どうやらお出ましのようだな……」
 総介がそう呟くと、ほぼ同時に虚ろな瞳で白い箱を持った偶森蒼(ぐうもり・あおい)と共に七罪塔(しちざいとう)が《自尊(プライド)》ルシュファーが姿を現
した。
梓與鷹(よたか)「マジかよ……」
 更に、その後方からシレントワイザードの魔術師もやってくる。
エランドラ「おおっと、こりゃあいい、勢揃いじゃないか、ガッハッハッハッハッ!」
フキエル「笑いごとじゃないですよ、エランドラ様!」
ルシュファー「《キツネザルの使徒》にシレントワイザードの魔術師……」
総介「フッ、前門の虎、後門の狼ってとこだな」
ルシュファー「いいえ、二兎を追う者は一兎をも得ずってところよ!」
與鷹(よたか)「それ、どっちにしろ、お前の負けじゃないのか?」
 思わず突っ込みを入れる與鷹(よたか)であった。
ルシュファー「う、五月蠅いわねっ!」
 思わずかぁっと赤面するルキ。
山咲(やまざき)桜「それにしても、私たちが待ち構えていると知っていながら、シレントワイザードも向かってくると知って
いながら、ここへ来るとは、そちらもなかなかの度胸ですね」
ルシュファー「フンッ、私を誰だと思っているのよ!《自尊(プライド)》のルシュファー、一度行くと決めた場所に行かない
のはプライドが許さないわ!」
 そのプライドが貴様の敗北に繋がる……
エランドラ「何でもいい、邪魔すんじゃねぇぞ!」
総介「そっちこそ、大人しく帰れ!」
 ルシュファーそっちのけで一触即発の総介とエランドラ。
 パチィンッ
 その時、ルシュファーが指を鳴らすと、虚ろな表情の(あおい)が突如ぶっ倒れる。
ルシュファー「《キツネザルの使徒》かシレントワイザード……どちらか勝った方と相手をしてあげるわ」
エランドラ「いいぜ!その話、乗ったぁ!」
フキエル「えぇええ!?」
 いやいやいや、真っ先にルシュファーを捕縛しましょうよ!というフキエルの言葉はもはやエランドラには届か
ない。
 これが、戦闘バカ、エランドラだ!

#2
エランドラ「おっしゃ〜〜!セラッ!」
セラ「準備は出来ています」
エランドラ「我が元に帰れ(ヴォレーゲン)!」
 エランドラの熱い叫びと同時にセラは綴じ合わせが解かれた本のように無数の紙片となりて宙を舞い、エランド
ラの周囲を円を描くように回りだす。そして、彼を守る鎧となる。
 最早有無を言わさず死合うしかないようだ。
エランドラ「貴様とは決着がまだだったなぁ!今日はあの時の決着をつけようはねぇか!えぇ!」
 かんなを睨み付けながらそう叫ぶエランドラ。
エランドラ「うおおっ!碧玉の荒ぶる双炎に照らされし灼熱の魔星、その御力、我が牙となりてここに顕現せよ、
シャガイ!」
 手にした魔形刀(マナヒョンド)に緑色の炎が集まり大剣を成す。
白拍子かんな「……」
 望むとところではないが、エランドラをどうにかしないと話は進みそうにない……
 仕方なくかんなも覚悟を決めて神滅超越者(ラグナロクエクセル)を構えて対峙するのであった。
與鷹(よたか)「くそっ、こんなことやっている場合じゃねぇだろ……」
フキエル「同感だな……だが、エランドラ様が決めたことならば、俺はそれに従うのみッ!」
 お前も戦闘バカかよ!と思わず突っ込みたくなる與鷹(よたか)だった。
與鷹(よたか)(ってか、俺達が死合っている間にルシュファーが逃げるんじゃねぇか?)
総介(フン、その心配はない!)
 與鷹(よたか)の危惧に対して断言する総介
與鷹(よたか)(なんでそこまで豪語できるんだ?)
総介(それは奴が七罪塔(しちざいとう)が《自尊(プライド)》だからだ!)
桜(一度言ったことを捻じ曲げることは彼女のプライドが許さないということです)
 難儀な性格だなぁ……
 だが、今はそのおかげで逃がすこともなさそうだ。
フキエル「ナナ、我が元に帰れ(ヴォレーゲン)!」
ナナ「了解であります!」
 ナナがビシっと敬礼したかと思ったら綴じ合わせが解かれた本のように無数の紙片となりて宙を舞い、フキエル
を包み込み、彼を守る鎧と化す。
フキエル「無限の知識を蓄えし昴なる流水の魔星、その御力、我が剣となりてここに顕現せよ、セラエノ!」
 エランドラと同じく、手にした魔形刀(マナヒョンド)に水がうねり、刃と化す。
フキエル「さぁ、誰でも来いや!」
 何なら俺がエランドラ様に協力するのもアリだな!とか言い出すフキエル。
 いや、それ二人がかりでかんなと死合うってことだよね……卑怯じゃね?
與鷹(よたか)「だったら、お前の相手は俺がする!」
フキエル「面白れぇ!」
 かくて、死合は始まる。
 ってか、(けい)アニ本社前で死合うなんてはた迷惑だな……


続

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