Eighter -Blindness Wizard-
7ther 〜迅速な怠惰の狂宴(クイック・スロウス) C〜



#5
 シレントワイザード、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)、Eighter……三つ巴の死合は続く!
 ここで死合は再びかなり VS エランドラへと移行する。
白拍子かなり「有漏烈空閃(うろれっくうせん)・色即是空!」
 ズドドドドドドドッ
 再び大量の分身が出現し、一斉にエランドラに斬撃を浴びせにかかる
エランドラ「だから、無駄だって言ってんだろうがぁ!燻る炎の爪痕(フランメ・サーデン)!」
 ガガガガガガガッ
 エランドラもエランドラで大量の緑の炎の飛礫(つぶて)を縦横無尽に解き放ち分身を全て掻き消す。
かなり「オ〜〜〜ッホッホッホッホ、当たらなければどうってことはないのよ〜」
エランドラ「背後から狙ってくることは分かっているんだぜぇ!」
 同じ技は二度は通用しない!
 そういわんばかりに背後からのかなりの声に対し、くるりと振り向くエランドラはそのまま回転の勢いを用いて
斬撃を繰り出す。
エランドラ「ぬ!?」
 だが、手ごたえがない。
 とんっとエランドラの頭上に降り立つかなり
かなり「教師の上に立つような危なげなこともしたい。光より速く遠く小五郎は飛んでいく♪」
一同「歌詞が違うッ」
 思わず突っ込みを入れる一行であった。
エランドラ「いい気になってんじゃねぇぞ、この(アマ)ぁ!」
 ガシっと頭上のかなりを掴むとそのまま地面に叩き付けるエランドラ
エランドラ「砕け散れ!舞い踊る炎閃(フランメ・タンツェン)!」
 緑の炎を纏った斬撃がかなりに直撃する。
 ガシャアァ〜〜〜ンッ
一同「え!?」
 次の瞬間、文字通りかなりが砕け散る。
かなり「砕け散れって言われたから砕け散ってみたわよ」
 また背後からかなりの声、これもまた分身の一つだったというわけか……ってか、それはともかくとして、その
分身、材質何よ?
エランドラ「これはアレか!?質量を持った残像とかいう奴か!?」
かなり「オ〜〜〜ッホッホッホッホッホ、怖かろう?」
 いや、そこでそんなセリフチョイスするなよ……
エランドラ「ええい、さっきから隠れてないで出てこいや!」
かなり「じゃ、遠慮なく」
エランドラ「うおおっ!?」
 再び死角を突いた斬撃が迫るも、獣並みの勘で兇刃を回避、転がる様に距離を置くエランドラだった。
エランドラ「クソッ、さっきから肝が冷えっぱなしだぜ……」
かなり「まだ地獄めぐりはこれからよ?」
 悠然と佇むかなりがそんなことを呟く。
エランドラ「ハッ、こんなものが地獄だと!?笑わせるな!」

#6
かなり「その口ぶり、まるで地獄を見てきたかのようね」
エランドラ「いや、見ちゃいねぇよ!」
一同(いや、そういう意味じゃないから……)
 思わず突っ込みそうになるギャラリーであった。
 いや、別に突っ込んでも構わないけど……
かなり「まぁ、いいわ、そろそろこの死合も幕引きよ」
 なんか飽きてきちゃった……ってな雰囲気を醸し出しているかなり。
白拍子かれん「……」
 このまま行ったらなし崩し的に私に丸投げされるのでは?
 かれんは内心そんなことを思い、冷や汗が出てきた。
※かなりならそんなことをやってのけそうで怖い……
エランドラ「お?負けを認める気になったってか?」
かなり「いいえ、貴方が負けてお終いなのよ」
エランドラ「面白い冗談だなぁ、おい!」
 ズズズズズズッ
 軽口を叩かれたことでエランドラの殺気が増幅する。
エランドラ(セラ、次であの女をブチ殺す!)
セラ(準備は出来ています)
エランドラ(おっしゃ!)
 ニヤリと笑みをこぼすエランドラ
エランドラ(奴はまた大量の分身を作って俺に襲い掛かってくるはずだ……)
 その時が俺の勝機。
 分身でも残像でも好きなだけ使えばいい。全てを薙ぎ払えばそれでいい!
 さっきから何度もかなりの本体を見つけることが出来なかったのにこの自信……単なる馬鹿……と、いうわけで
もない。今度はセラの力も駆使してかなりの本体を検索しようという作戦なのだ。
かなり(……な〜〜んて考えているんでしょうね……アレは……)
 そして、そんな考えは全てかなりに筒抜けだった。
 いや、かなりの持つ剛運がそれを予測しただけに過ぎないのだが……
かなり「オ〜〜〜〜ッホッホッホッホッホ、地獄に落ちる覚悟はできたかしら?」
 ビシっと大鎌を突きつけてかなりが叫ぶ
エランドラ「そっちこそ、天国へ昇る覚悟はできたんだろうな!」
 ってか、何故突然天国なんて単語が出てきたのか……それはきっと地獄に対抗しているだけだ。
かなり「有漏烈空閃(うろれっくうせん)・色即是空!」
 ドッ
 三度、大量のかなりの分身がエランドラに襲い掛かる
エランドラ「かかったなぁ、ボケがぁ!」
セラ(……)
エランドラ(……)
 だが、しかし、エランドラは動かなかった。
 いや、動けなかったという方が正しい。
エランドラ(お、おい、セラ!奴の本体はどこだよ!)
セラ(準備はできています)
 いや、そんなことは今はどうでもいい。早く奴の本体を突き止めろ!
 まさか、セラの力を以てしてもかなりの本体を探し出すことができないなんて露程にも思えなかったエランドラ
であった。
※まぁ、世界は広いってことだね。(いや、何が?)

#7
 強いて言うならば、全部が本体……などというセラの発言(いや、セラは今喋っているわけではないので発言で
はなくテレパシーのようなものだが……)に驚愕するエランドラ。
 そんなことをしている間にも無常にかなりは迫る
エランドラ「う、うおおおっ!燻る炎の爪痕(フランメ・サーデン)!」
 ドドドドドドッ
 全部が本体だというのならば、全部吹っ飛ばせ刃いいだけのこと!
 そう考え、エランドラは緑の炎の飛礫(つぶて)を縦横無尽に投げつける。
かなり「はい、お一人様地獄へご案内〜」
 バシバシバシバシバシコ〜〜ンッ
 大鎌をまるでゴルフクラブのように持ち替えスイングしだすかなり。
エランドラ「嘘だろぉ?!」
 かなりめがけて飛んでいった飛礫(つぶて)はそのままエランドラに弾き返れる。
エランドラ「んがはあああッ!?」
 哀れ、エランドラ、自分が放った技を跳ね返されて撃沈す……
 ここにかなり VS エランドラの勝負はついたのだった!


END

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