Eighter -Blindness Wizard-
7ther 〜迅速な怠惰の狂宴(クイック・スロウス) A〜



#0
 山梨県で暗躍する七罪塔(しちざいとう)を追ってシレントワイザード、Eighterが結彷徨(おちなし)中学へ集う!
 魔術師との死合はかなり、かれんが請け負い、かんなはベルフェゴールと死合う。
 果たしてEighter一行はシレントワイザードを打ち砕きベルフェゴールを打ち倒すことが出来るのか?!

#1
 山梨県、結彷徨(おちなし)中学・屋上
白拍子かなり「かかって来なさい戦闘バカ、アンタには私が死を与えてあげるわ!」
エランドラ「面白ぇ、やってみやがれぇ!」
 かなりに挑発されエランドラは一足飛びにかかる
エランドラ「おらぁ!舞い踊る炎閃(フランメ・タンツェン)!」
かなり「降魔烈破閃(ごうまれっぱせん)・大千世界!」
 ズドンッ
 緑の炎を纏った一撃と千の斬撃を束ねた一撃が激突!力と力がぶつかり合う
エランドラ「うおおお!」
かなり「はああ!」
 そして、両雄一歩たりとも譲らない。
白拍子かれん「凄い……拮抗している」
梓與鷹(よたか)「え?何!?」
 かれんが何気なく呟いた一言に與鷹(よたか)は驚きを隠せない。
 かれんは途中からやってきたから知らないのだ。先ほどはかなりがエランドラを圧倒していたということを
與鷹(よたか)(かなりが押されている?!)
 生粋のパワーファイターではないので、それは無理なからぬことなのだろうか?
エランドラ「おらぁ!」
 ズドンッ
 そして、ついに、かなりが競り負けた。
 エランドラの膂力に圧し負け、弾き飛ばされるかなり
エランドラ「どうした?貴様の力はその程度なのか?」
かなり「まさか……まだまだここからがイイところよ!」
 そう言いつつ、かなりは真殺影刃(しんさつえいじん)を再び大鎌の形へとシェイプシフトさせる。
エランドラ「何だ?」
 どうして大剣の形から大鎌の形へ変形させるのか?
かなり「やっぱり力押しは趣味じゃないのよね、どっかの愚妹と違って」
かれん「ちょっと、さり気にディスるのやめてくれない!」
かなり「オ〜〜〜ッホッホッホッホッホ、別にかれんのこと言ったわけじゃないのよ」
 それなのに自分のことだと思うなんて自分が愚かって自覚しているのかしら?と言い出すかなり。
 そんなかなりに対してぐぬぬぬとか言い出すかれん。やっぱり自覚してるんじゃないか?
エランドラ「まぁ、何だっていいぜ。この俺様を楽しませてくれるならなぁ!」
 かれんのことは今はどうでもいい。(ヒドい……)今はかなりとエランドラの死合の最中なのだから
かなり「ええ、楽しい楽しい地獄めぐりに連れて行ってあげるわよ!」
 そう言ってかなりは大鎌をぐるぐる振り回す。

#2
エランドラ「だったら、連れて行ってもらおうか、その地獄とやらになぁ!舞い踊る炎閃(フランメ・タンツェン)!」
かなり「そんなに死に急ぎたいのなら、お望みどおりに……降魔烈破閃(ごうまれっぱせん)・大千世界!」
 ドンッ
 再び激突する両雄。
エランドラ「無駄だッ!最早そんな技は俺には通用せん!」
かなり「でしょうねぇ……」
 既に競り負けているかなり。
 にも関わらず余裕の表情を見せるかなり……そのワケは!?
 くるりん
エランドラ「何!?」
 流麗に回転してエランドラの一撃を受け流すかなり。
 勢いがついているエランドラは急に立ち止まることが出来ない。
エランドラ「うおおおおっ」
 ドガアアッ
 炎の刃を地面に突き刺し勢いを殺しにかかるエランドラ。
 その背後で、かなりがここぞとばかりに仕掛ける
かなり「有漏烈空閃(うろれっくうせん)・色即是空!」
 かなりの分身が大量に出現し、一斉に斬撃を浴びせにかかる
エランドラ「ハッ!こういうのはなぁ、本体を撃破すれば一発で終わるんだよぉお!」
 それは本体がどれか分かればの話なのだが……
エランドラ「はぁああッ!燻る炎の爪痕(フランメ・サーデン)!」
 ドゴアアアッ
 大量の緑の炎の飛礫(つぶて)が迫りくるかなりに襲い掛かる。
 エランドラめがけて一斉に襲い掛かってくるならば、その全てを迎え撃つ!という簡単で単純な物量作戦だ。
一同「なっ、無茶苦茶だぁ!」
 次々に打ち消されていくかなりの残像というか分身というかなんというか……
一同「あ……れ!?」
 そして、かなりは全て打ち消されてしまった。
 そう、本体を残して他の全てが掻き消されたのではない。エランドラに迫っていた全てのかなりが掻き消されて
しまったのだ。
 では、一体本体はどこへ!?
 まさか、人知れず敗死したとかそんなわけもあるまい……
エランドラ「はっ?!」
 その時、突如背後からの殺気を察知したエランドラは思わず身を屈める。
 と、その次の瞬間、シュッと大鎌がエランドラの首があった場所を素通りする。
かなり「チッ、気づかれたか……」
※いや、いきなり首を落としにかかるのはどうかと思いますよ
エランドラ「危ねぇ……危うく地獄に落ちるところだったぜ」
 エランドラもエランドラで死後は間違いなく地獄だと確信しているのだろうか?
 そのまま転がる様に離れてかなりから距離を置くエランドラ。
かなり「まぁ〜〜だ地獄巡りはこれからよ!」
エランドラ「面白れぇ、だったら俺も貴様に地獄を見せてやるぜぇ!」
 両雄の死合はまだ続く……


続

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