Eighter -Blindness Wizard-
1ster 〜動き出した七罪塔(しちざいとう) A〜



#0
 オーパーツ……それはその時代では考えられないような高度なテクノロジーを駆使して作られた古代のアーティ
ファクトである。
 世界には大きく分けると二つのオーパーツが存在する。一つは人にその能力(ちから)を与える場違いな白き遺物(ポジティヴ・オーパーツ)、もう一
つは人を使い潰す場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)だ。
 先の戦いで場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)、その上位存在たるアスモデウスを撃破することに成功したEighter一行だったが
しかし、アスモデウスは七罪塔(しちざいとう)の一つにすぎない。
 そして、ここから始まるのはそんな七罪塔(しちざいとう)との激闘の記録である。

#1
 さて、オーパーツの話は一旦おいといて……
 犯罪斡旋アングラサイト……通称、闇の職安……就職浪人の一部を犯罪者へと導くこの裏サイトが今、警視庁を
悩ませていた。
 東京、警視庁
警官「駄目だ……」
 パソコンの前でドカンとテーブルに拳を叩き付ける警官。彼はサイバーテロ対策のプロとして警視庁では有名な
警官である。
 そんな彼が今、参っていた。
 彼が今行っているのは問題になっている闇の職安解体のための潜入捜査である。
 潜入捜査……そう、ネット世界にダイブして闇の職安を内部から解体せんと奮戦しているのだが、結果は言わず
もがな。手を変え場所を変え、アシが付かないようにアクセスしているのにも関わらず、必ず『貴方は警察関係者
のため、当サイトにアクセスすることはできません』等というアラートが出てネットワークが切断されてしまうの
だ。
警官「あの〜、差し出がましいことかもしれませんが、警視庁からアクセスするから弾かれるんでは?」
 見かねた一人の警官がそんなことを呟く。だが、しかし……
警官「そう思って自宅からアクセスしてもダメ、更に漫画喫茶のインターネットコーナーからアクセスしても結果
は同じだったんだ!」
警官「そんな馬鹿な!」
警官「それだけじゃねぇ、大きな声では言えないが、俺が個人的に(よしみ)にしてるグレーゾーンのハッカーがいるんだ
が、彼に頼んでアクセスしてもらってもダメだった」
警官「ええ!?」
警官「……『貴方は警官と協力している人物のため、当サイトへアクセスはできません』というアラートが出たら
しい」
(かみ)総介「フン、なるほどな……」
 と、その時、総介がふらりとそこへ現れる
一同「どわお!?かっかっかかかっかっかかっかかかっ(かみ)警部」
山咲(やまざき)桜「そんなに同様しなくてもいいのでは?」
 桜が突っ込むのも当然なのだが、こればっかりは直しようがない……というのが全警官の共通認識のようだ
※なんかみんな総介に対して疚しいことでも隠してるんですかね?
総介「この事件(ヤマ)は俺が担当する」

#2
警官「そんな、(かみ)警部、待ってください!俺は日本のサイバーテロ対策の第一人者なんです、もし、俺が裏切って
サイバーテロを起こしたら日本は壊滅するってな自信を持ってる俺が、この事件を解決させないと……」
※どんな自信だよ
総介「貴様では闇の職安を解体する事は出来ん!」
警官「な、何だと!?(かみ)警部ッ!貴様は言ってはならないことを言った!」
 怒りに任せてズビシっと総介を指差す警官
警官「そこまで言うならば俺とハッキング対決をしてもらいます」
警官「お、おいおい……」
警官「ルールは簡単だ、お互いのパソコンにハッキングをしかけて先に相手のパソコンを支配できた方が勝ちとす
る!」
総介「下らん……お前の馬鹿に付き合っている暇はないんだ!」
 首をふるふると横に振るとその場を後にする総介
警官「巫山戯(ふざけ)んなよ!」
 ガシャンッ
 と、その時、総介が歩んでいた先にある防災扉が突如閉まる。
警官「警視庁のネットワークは俺が掌握しているといっても過言ではない!(かみ)警部!どうあっても俺と勝負して貰
うぞ!」
総介「……」
 だが、総介は彼を無視して蒼王の刃(ブルーロード)を構えだす。
桜「待ってください。(かみ)警部……ここは私が……」
 防災扉など総介の前では発泡スチロールの壁にも等しいのだが、警視庁の設備を破壊するのもどうなんだ……と
いうことで桜が止めに入る
警官「(かみ)警部の秘書はすっこんでろ!」
総介「いいだろう、山咲(やまざき)、お前に任せる」
警官「なっ!?」
総介「貴様も俺の秘書に負ければ身の程が分かるだろう」
 その言葉にカっとなる警官
警官「ぐぬぬ……いいだろう、ハッキング対決で貴様を社会的に抹殺してやる!」
一同「お、おいおい、落ち着けって……」
 とはいえ、もはやこの流れ、止めることは出来ない。

桜「……相手のパソコンを先に支配できたら勝ち……ですね?」
警官「おうよ!漢に二言は無い!あるのはただ遺言のみよ!」
※どんなだ!
 と、言うわけでハッキング対決開始。
 自称サイバーテロ対策の第一人者が使うのはデスクトップ型のパソコン。対して、桜は総介から借りたモバイル
ギアだった。
警官「ヤロウ、舐めやがって、俺の超絶テクを見せてやる!」
 ぷつんっ
警官「はい!?」
 早速ハッキングをしようとした次の瞬間、パソコンが突如電源断し、ディスクフォーマットが開始される
警官「うおおお!?ななな、何だ、何だコレ!?どうなっていやがる!?ウィルスか!?」
桜「では、私の勝ちということで……」
 勝負は一瞬で終わった!


続

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