#5
左志田央和(さしだ・おうわ)「その矢が一体なんだっていうんですか？」
上(かみ)総介「鑑識に調べてもらった結果、この矢から左志田央和(さしだ・おうわ)さん……あなたの指紋が検出されたんですよ」
央和(おうわ)「そんな馬鹿なッ！しもッ」
　指紋はふき取ったはずだ……と言いかけて寸ででそれを飲み込む央和
山咲(やまざき)桜「しも？」
央和(おうわ)「しもっ……諮問(しもん)探偵みたいなことを言うな、アンタ……」
　いや、その言い訳苦しすぎないか？
　と、言うか、コイツは、諮問(しもん)探偵というのが何なのかわかっているのだろうか？
総介「……フン、まぁいい……」
　この時、四人の教師は心の中でセーフ！と快哉を上げた。
桜「では、こちらをご覧ください。こちらは鳥嶋洋平が殺害された付近の時間のある街角防犯カメラの映像になり
ます」
紫田裕介、廾部(きょうぶ)峻、央和(おうわ)、長谺川隹戈(おさがかわ・すいか)「え？！」
　そこには央和(おうわ)が街角で矢を射っている姿が鮮明に映し出されていた。
桜「では、あなたはどうして街中で矢を射ったのか、納得のいく説明をしてもらいましょう」
央和(おうわ)「くっ……」
　ガックリと頽れる央和(おうわ)
央和(おうわ)「だが、浦賀の死……あれは事故だった！」
　イジメを行っていたことも暗に認める央和。しかし、これだけは譲れないと想いをぶつける。
桜「この期に及んで何を……」
央和(おうわ)「ソテツに毒があるなんて知らなかったんだ……そうだ！誰も教えてくれなかったんだ！……だから、俺は悪
くねぇ！」
　某テイルズのクローンだったことが発覚した主人公のようなことを言い出す央和(おうわ)。
　素人が面白半分でソテツ味噌を作って悪ふざけで食べさせたところ、相手は死んでしまったからもう大変。そこ
で彼らは殺人を隠そうと画策したのだ。
　しかし……
裕介「まさか、お前が一人でそんな恐ろしいことをしでかしていたとは……」
峻「全然気づかなかった……」
隹戈(すいか)「よもやよもやだ……同じ教師として不甲斐なし、穴があったら入りたい」
央和(おうわ)「おい、ちょっと待ててめぇら！」
　確かに央和(おうわ)が犯罪を犯したという決定的瞬間は撮られてた……だから残りの三人はこれ幸いと全ての罪を彼に擦
り付けて逃れようと画策しだす。
央和(おうわ)「ソテツに毒があるとか学校で習うわけねぇだろうが！」
隹戈(すいか)「例え小学校で習わなくとも江戸川コ○ンなら知ってるさ」
央和(おうわ)「アイツは高校生だよ！」
※いや、そうじゃなくて、例え高校生でも習わないと思う。

#6
総介「さて、話は署で聞かせてもらおうか」
裕介、峻、隹戈(すいか)「どうぞどうぞ、ぜひとも央和(おうわ)をしょっぴいてきっちりと問い詰めてください」
央和(おうわ)「だったらこっちにも考えがあるぞ！」
　そういって懐からメモリースティックを取り出す央和(おうわ)
央和(おうわ)「このメモリースティックにはお前らが女子生徒に性行為を働いた時のハメ撮りの映像が記録されている」
裕介、峻、隹戈(すいか)「あっ、てめぇ、きたねぇぞ！」
　ここに来て仲間割れをしだす四人。
　誰もが逮捕されたくないと必死だ。
※最も既に一人は確定なので、死なばもろとも……というのが今の状況ですが……
裕介「大体てめぇが浦賀にこの学校のシステムをみっちり教えてやると言い出したのが原因だろうが！」
峻「はぁ！？てめぇこそ可愛がってやるとか言い出して遊び半分で浦賀をどつきまわしたのが発端だろうが！」
隹戈(すいか)「何を！小学生に欲情して恥ずかしくないんですかとか言い出してキれたてめぇには言われたくねぇな！」
峻「いや、『小学生は最高だぜ！』とか言い出すてめぇが一番頭おかしいんだよ！」
裕介「いいや、言わせてもらうけど、鳥嶋を始末する瞬間をバッチリ押さえられた貴様が一番悪い」
央和(おうわ)「てめぇ、巫山戯(ふざけ)んなよ！裏切り者は処分しろとか言い出したのは貴様だ！」
　とまぁ、喧々囂々である。
　ちなみに、余談であるが、あの時桜が総介の傍にいなかったのは街角防犯カメラで決定的瞬間を押さえるために
カメラの撮影位置を変えに行ったためである。
　つまり、この場の誰も追求しないが、総介は四人を逮捕するために敢えて鳥嶋を見殺しにしたのだ。

峰岸清三「まぁまぁ、話は署で行ってください。私は四人を懲戒免職処分にしなければならないので……」
　あ～、忙しいとその場から逃げ出そうとする校長だったが、そうは問屋がおろさない
裕介、峻、央和(おうわ)、隹戈(すいか)「全ては校長の指図によるものです」
清三「あっ、貴様らッ！」
　急に矢面に立たされて校長も嫌な汗をかく。
清三「け、警部さん……まさかとは思いますが、犯罪者四人の言葉を真に受けるなんてことはないですよね？」
総介「お前の身の潔白は署でつける」
清三「そ、そんな……」
　顔面蒼白の校長であった。
裕介、峻、央和(おうわ)、隹戈(すいか)「ざまぁ！」

#7
＊「やれやれ……まさか校長先生が犯罪に加担しているとは夢にも思いませんでしたな」
一同「教頭、てめぇもだよ！」
　校長が指図していて教頭がしらないなんてことはあるのだろうか？いや、ない。
　つまり、彼も共犯だ。
※そこは共闘だって言おうぜ（駄洒落かよ！）
総介「てめぇら全員、まとめて署まで連行だ！」
　総介も若干面倒臭くなっていた。まぁ、当然である。
一同「ヒィイ……」
　かくて、神戸市立西雛鶴まきを小学校の教職員全員が神戸県警へと連行されることとなった。

　神戸県警
鍼樹雑師(はりき・ぞうし)「なっ、ええ！？」
　これには神戸県警の連中もびっくり仰天である。

　こうして、四人の教師による新任教師イジメとそれを黙認していた学校側……さらに生徒に性行為を働いていた
という最大級のスキャンダルに神戸市立西雛鶴まきを小学校は成す術もなく廃校となるのであった。
　余談だが、生徒が廃校を防ぐためにスクールアイドルを……行ったりはしなかった。
　まぁ、小学生でスクールアイドルなんて聞いたことないしね……
※いや、どんな〆方だよ！


END