Eighter -Bizarre Investigate-
41ster 〜理由無き刺傷の刃 B〜



#3
 宮城県、仙台、茂庭内豊齢ホ(もてないふりょう)ームで起きた悲劇!面会に来ていた女性と女性看護師長が何者かに殺されたのだ…
…
 宮城県、宮城県警
警官「……あの、(かみ)警部……」
 一体自分が何をしでかしたのか……(かみ)警部の逆鱗に触れるような何かをやらかしてしまったのか……そんな考え
が頭の中をよぎりまくる警官。
 衝突に戦々恐々降り立つ堕天使って感じである。
※なぜにどっかの歌詞?
 すると、総介はぽつりと告げる
(かみ)総介「お前が老人ホームで一人刃物の薀蓄を語っていたとき、何か変わった事は無かったか?」
警官「へ!?変わったことですか!?」
総介「……ああ」
警官「ん〜〜……いや、特に……」
警官(警部は何を聞き出そうろしているんでしょうか?)
警官(知るか!俺に聞かれても分かるわけないだろ!)
警官(ですよね……)
 と、ダメ警官達はヒソヒソと話し合い……
山咲(やまざき)桜「質問を変えましょう……あなたが刃物について熱く語っているとき、変質者だと白い目で見る人の他に影
で賛同するような人もいませんでしたか……と?」
 そこに桜が言葉をつけたして再度質問をする
警官「……ああ、そう言えば……一人いたな……電信柱に隠れて血まみれの包丁を見ながら俺の語りを熱心に聞い
て……」
 と、トンでもないことを言い出す警官……
警官一同「んなっ!!?」
警官「……あの……それが何か!?」
 驚きを隠せない一行とキョトンとした感じの警官
警官「バカヤロウ!もしかしたらそいつが犯人かもしれないってことだろうが!!」
警官「何を言っているんですか……刃物マニアに殺人を行うような不届きな人間はいません!」
警官一同「今回の事件がまさにそれだろうがぁッ!!!」
※ってかどういう頭をしていたらそんな考え方が出来るんですか!?……私、気になります。
総介「五月蠅いぞ馬鹿どもが!とにかくぐだぐだ言ってないでとっととその犯人のモンタージュを作れ!」
警官一同「ハッ……ただいま!!」
 まぁ、総介の言葉には逆らうこともできず、一行はビシイっと敬礼をして、すぐさま作業に取り掛かる。
 なんか一種の恐怖政治みたいだな……
 まぁ、総介は独裁政権を自ら行って部下を恐怖政治に巻き込んでいるのではなく、警官一行が勝手に恐怖を覚え
て唯唯諾諾と従ってるだけなんですけど……
警官「(かみ)警部……御所望のモンタージュができました!どうぞお納めください!」
桜「……貴方は一体何ですか?」
 どうしてそこまで卑屈になるのか……意味が分からない桜であった。

#4
総介「……ああ、俺だ……うむ。今送るから検索してくれないか?」
 と、出来上がったモンタージュをFAXで送信しつつ、どこかへと電話を行う総介
警官(ウチの犯罪者DBで検索すればいいものをどこへ送ってるんだ!?)
※当然Eighterです。ってか前科の無い人間は犯罪者DBには無いだろ……
 暫くすると、折り返しの電話がかかってくる
桜「警部!分かりました。容疑者の名前は鍔鋩鎬ハ(がくもう・こうひ)36歳。現在仙台のあるアパートに住んでいます」
警官一同「検索早ッ!」
 これにはびっくり……一体(かみ)警部はどんな検索網を持っているのか……と驚きを隠せない一行であった。
 ……と、言うか、総介が電話してなぜ桜に折り返しの電話が?とか思ってはいけません。
総介「うむ、行くぞ、山咲(やまざき)」
桜「はい、警部」
 と、言うわけで、山咲(やまざき)は総介と共に鍔鋩(がくもう)氏の元へ……
 まぁ、なんだかんだ言って警官どももゾロゾロとついて言っちゃうんですけど……

 宮城県、仙台のとあるアパート
鍔鋩鎬ハ(がくもう・こうひ)「何!?老人ホームで起こった殺人事件の重要参考人だぁ!?」
総介「そうだ」
鎬ハ(こうひ)「何故俺が!?」
 いきなり押しかけて来た総介に対し困惑気味な鎬ハ(こうひ)……と、その時一人の警官がしゃしゃり出る
警官「フフン、この俺の目は見逃さないぞ!あんたは俺が公衆の面々で刃物の薀蓄をしていたとき、ただ一人白い
目で見ず頷いていた……」
鎬ハ(こうひ)「お、お前は……」
警官「そう!宮城県警一の刃物マニアとは俺のことだ!」
警官一同「いや、誰もそんなこと聞いてないって……」
 警官の自慢に一同は呆れかえり……
鎬ハ(こうひ)「……た、確かに……俺も刃物マニアの端くれ……ならばあの時、アンタの薀蓄を頷いていたって不思議じゃ
ないだろ……だが、それとこれとでどう俺が犯人だと言う証拠になるんだ!」
総介「……指紋がついていた……」
鎬ハ(こうひ)「バカな……確かに綺麗にふき取ったはずだ……ハッ……そうか!!観賞用は絶対触れずにいたがこの布教用
の包丁は触っていたという事か!?……いや、しかし……触ったといっても手術用の手袋を……」
総介「……ベラベラとよく喋るな……まぁ、認めたのだからいいんだが……」
一同「……」
 ぽか〜〜んとする一行
鎬ハ(こうひ)「……い、いや……今のは言葉の綾って言うか……何というか……分かるだろ!?」
 慌てて弁明するも、時、既に遅し……
総介「話は署で聞かせてもらおう……」
警官「ハッ!」
鎬ハ(こうひ)「いや……だから俺は……」

#5
 そして、そのまま連行される鎬ハ(こうひ)……
 ……結局、どうやら自分のばあさんをその老人ホームに入れてくれなかった事にハラを立てて起こした殺人だっ
たらしい……
鎬ハ(こうひ)「老人ホームが老人を受け入れないで何を受け入れるってんだ!ああ!?」
 取調室にて、ドカンと机に拳を叩きつけて叫ぶ鎬ハ(こうひ)
警官「まず、落ち着け……」
 ……さらに言うと、自分一人で介護するのも疲れ、安楽死させてやったのだと供述した……
 そんなこんなで……この事件は終わるのであった……
 なお、その後、刃物マニアな警官は刃物の素晴らしさを解くべく蘊蓄を披露するのだが……やはり、誰も相手に
しないってなことが日常茶飯事になるのだが、それはまた別の話である。


END

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