Eighter -Bizarre Investigate-
36ther 〜ひったくり美談!〜



#0
 ひったくり……人のものを盗んだら泥棒!
 これはそんなひったくりと、それをトッ捕まえた漢に関する事件簿である

#1
 東京都、水元家
 のどかな民家にて……それは起こった……
水元炎火(ほのか)「じゃ、行って来ます……」
 とある女性が外出しようとしたそのとき……キラ〜〜ンと光る怪しい目……
 ドンッ
炎火(ほのか)「キャッ!?」
 ザザッ
 突如体当たりをされ、鞄を奪われる女性
炎火(ほのか)「誰か……引ったくりよ!!」
 その場にしゃがみ込み叫ぶ炎火(ほのか)であった……

警官「ふぅむ、なるほど……外出しようとした矢先にひったくりにあったわけですな?」
炎火(ほのか)「ええ、そうです」
警官「……それで、犯人の顔は……?」
炎火(ほのか)「それが……一瞬のことだったんで……よくは……」
警官「なるほど……」
 これはもはや、迷宮入りですな……とかほざきだす無能警官。
 しかし、無能警官の言う通り、事件は迷宮入りになることはなかった……
*「ちょっと失礼……どいてくれ……」
 ドカドカッ
 と、そこへ、左手に包帯を巻いた1人の漢が鞄ともう1人漢をつれてやってくる
炎火(ほのか)「あ……あなたは……」
*「犯人と、鞄だ!」
警官「んなっ!?」
炎火(ほのか)「……啓吾……?」
 その漢……啓吾と呼ばれた漢は風見啓吾……どうも、炎火(ほのか)の知り合いの様である。
風見啓吾「ちょっとここら辺を散歩していたら、お前の悲鳴が聞こえたモンでな……何事かと思ったらこのひった
くりだったってワケよ」
 得意げに答える漢……
警官「……失礼ですが……あなたは……?」
啓吾「フッ、俺は……」
炎火(ほのか)「……元カレです」
 啓吾が名乗りを上げようとした矢先、すかさず炎火(ほのか)が答える
啓吾「……」
警官「と、とにかく、ご協力、ありがとうございました……」
警官「おら!連れてけ!」
警官一同「ハッ!」
 と、いうわけで、晴れて、事件は解決することとなった……

 東京都、警視庁
(かみ)総介「……おい、お前……」
警官「は!?(かみ)警部!?」
 いらっしゃったんですか!?……と驚きを隠せない無能警官
総介「……ソレは何だ!?」
*「……」
 ひったくりの現行犯を指して総介が言う
警官「へ?それ……」
 (かみ)警部、人相手に『それ』は無いでしょう……と無能警官

#2
総介「それは何だと聞いている……」
警官「いや、(かみ)警部……」
総介「フン」
 と、次の瞬間、有無を言わさず総介がひったくり犯を両断する
警官一同「ぬななな……かかか、(かみ)警部!」
 ボシュウウッ
 そして、漢は消失し、人形が残る……
総介「……質量を持った幻影か……」
警官「え?質量をもった幻影……」
警官「MEPE(メイプ)!?……」
 一体何が起こったのか、わけがわからない一行
総介「行くぞ、山咲(やまざき)山咲(やまざき)桜「はい、警部……」
 わけのわからない一行を捨て置き、総介は桜と共に警視庁を去っていく……

 東京都、水元家
水元火澱(かおり)「はい……何でしょうか?」
総介「警察だ……」
 そして、総介がやってきたのはさきほどのひったくりの被害にあった女性の家だ……
総介「先ほどのひったくりの事件のことですが……」
火澱(かおり)「はい……?」
 まだ何か?と首を傾げる火澱(かおり)
総介「……少し話したいと思うのですが……時間の方は?」
火澱(かおり)「ちょっと待ってくださいね……炎火(ほのか)〜〜」
 と、言うわけで。リビングに炎火(ほのか)、啓吾、火澱(かおり)と総介、桜が集う……
炎火(ほのか)「あの……警部さん……話って?」
啓吾「まさかひったくり犯が逃げたとか言うんじゃないでしょうな……」
 ハッ……まさか、警察に限ってそんな不祥事がおこるわけないですよね……と啓吾
総介「いや、そういう話ではない……」
啓吾「あ、そう……」
 じゃあ何だ?と訝しむ啓吾……と、その時、桜が口を開く
桜「……ときに啓吾さん?」
啓吾「ん?」
桜「……その腕の包帯は?」
啓吾「ああ、コレ……ひったくり犯ともみ合っているうちにちょっとね……」
 腕をさすりながら話す啓吾
総介「フン……」
炎火(ほのか)「……あの……?」
 一体何がしたいのかわけのわからない総介に、思わず炎火(ほのか)も口を挟む
総介「……聞いた話では、ひったくり犯を引き連れてきた時点で包帯を巻いていたそうだが……」
啓吾「……そうだが……それが何か?」
総介「ひったくり犯ともみあい、そして、捕まえ、そのまま水元家に来たのならばいつ包帯を巻く時間があったん
だ?」
啓吾「!!!!……そ……それは……」
炎火(ほのか)「……啓吾……?」
 ちょっと引く炎火(ほのか)……
総介「他にある躯心(アナザー・スカルハート)……質量をもった幻影を造るオーパーツ……それにより、架空の犯人を作り上げ、ひったくり
を行わせる……」
桜「そして、ひったくってきた漢を犯人としてとっ捕まえて鞄を彼女に返す……」
総介「彼女とのよりを戻すために一計案じたのは良かったが、オーパーツを使ったのは誤りだったな……」
炎火(ほのか)「……啓吾!!?……じゃ……」
 さらに距離を取る炎火(ほのか)

#3
啓吾「……て……てめぇ……あと少しで……元に戻ったってのに……許さん!!」
 飛び掛ろうとした啓吾だが、瞬時に総介に返り討ちに逢う……
総介「……話は署で聞く……行くぞ、山咲(やまざき)」
桜「はい、警部……」
 ……と、言うわけで……このひったくり美談は……終わり、炎火(ほのか)、啓吾の仲も終わった……
※おっ、うまい!(どこがだッ!!)
 ちなみにオーパーツはEighterが責任を持って管理することになりました。


END

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