Eighter -Bizarre Investigate-
33rder 〜死した鮫殺人事件 A〜
#0
これは、年末-年始にかけて起きた殺人事件に関する事件簿である
#1
東京都、有藤家
*「……くっ……何で……何でこんなことになってしまったんだ……いや、今はそんなことを考えている場合じゃ
ない……問題なのは……これからどうするか……だ!」
1人部屋で悩む漢……その漢が何ゆえ悩むのか……それは……
数日後
有藤俄(「ちょっと、幽鬼!何なの?この臭い」
鼻を突く異臭に母親である俄(がを問いただす。
有藤(幽鬼「……友達から貰ったペットの鮫が死んじゃったんだ……少し臭うけど気にしないで……」
俄(「気にしないでって……ちょっと……」
幽鬼「……今から友達に報告がてら弔問の旅に出てくるから……」
とっとと自分の部屋に鍵を閉めて去っていく幽鬼
俄(「あ、ちょ……待ちなさい、幽鬼……幽鬼!!」
……と、これが年末の出来事である……
その、更に数日後……
刀持隕山(「……新年早々殺人事件か……全く……今年も1年ヤな年になりそうだな……」
警官「刀持警部、こちらです……」
俄(「……あ……ううう……そんな」
と、そこには酷く怯えた様子の女性が1人。
警官「……ガイ者は有藤安曇(この家の長男である幽鬼氏の妹でして……死亡推定時刻はですね……去年の……」
隕山(「何ぃ!?」
と、唐突に叫び声を上げる刀持警部……その様子に一行もビックリして刀持警部の方を向く
警官「どうしました?刀持警部?」
隕山(「バカなことを言うな!去年だと!?なんで今まで発覚しなかった!……くそっまた上(警部にドやされるじゃ
ないか……」
1人頭を抱える刀持警部。
警官「いやあの……刀持警部……去年といっても2〜3日前ですよ……ほら、今は新年です」
隕山(「……あ、そっか……」
そう言えば、そうだった……と刀持警部
ちなみに、余談だが、刀持警部は後に、4月頃にとある会社で起きた事件に対し、『死亡時刻は旧年度の……』
などと言われ、再び騒ぎ出す(3月までは旧年度、4月からは新年度)のだが、それはまた別の話である
※いやいや、12月と1月とで騒ぐは、まぁいいとして、3月と4月とで新年度、旧年度なんて言う奴はあまりいない
でしょうに
警官「……話を続けますよ?」
隕山(「……ああ……」
と、言うわけで気を取り直して話を進める一行
#2
警官「どうやら首を絞めて殺した後全身をバラバラに切り刻んで放置した模様ですね……」
隕山(「……なぜ今まで気がつかなかったんですか?」
俄(「……知らなかったんです……人間の死体がこんなに臭うなんて……」
隕山(「……ふぅむ……」
※ってか妹が居なくなったんだから少しは心配しろよ……
警官「それで、奥さん、幽鬼氏の行方に心当たりは?」
そして、話は唐突に行方をくらました兄たる幽鬼のことに……
俄(「……知りません……」
警官「……っとですね……どうも犯行後、幽鬼氏は友達のところへ行くと言っていたようですが……」
隕山(「その友達のところにもいないと……」
警官「いえ、それどころか、幽鬼氏に友達のような人物は居なく……」
一同「うぉい!!」
一同、盛大な突っ込みであった。
※母親よ……なぜ気がつかなかった!?
隕山(「あ〜〜、とにかく、有藤(幽鬼氏をこの事件の重要参考人としてただちに確保するように……それから遺体は
司法解剖を……」
警官一同「ハッ!」
と、言うことで幽鬼氏の行方を掴む警官一行……そして、刀持警部は警視庁へ戻り、鑑識の結果を待つ事に……
一方……
東京都、警視庁
警官「あ〜〜、なんと言いますか……その……」
鑑識の報告を持ってきた警官は……どうも様子が変である。
隕山(「どうしたんだ?鑑識からの報告はもう出ているはずだが……」
警官「……いや、正気の沙汰じゃない……ですね……この犯行は……」
警官「……???……ちょっと調書を貸してみろ……」
と警官の1人が調書を借りる
警官「……安曇(氏の体には幽鬼氏の精液が付着しており、解剖の結果から生前だけでなく死後も姦淫……」
警官一同「……声を出して読まないで下さい……」
隕山(「……よし、決まりだ!このヘンタイ兄貴の行方を全力をもってして捜査するぞ!!」
そして刀持警部も捜査に加わるのであった……
警官「刀持警部……ええと……どうでもいいような情報かもしれませんが……」
捜査に加わった刀持警部に対し、警官の1人が口を開く。
隕山(「うん?何だ?」
警官「安曇(氏の友人の曰く、彼女は動物に例えるなら鮫だそうで……」
警官「……」
隕山(「そうか!ヤツは犯行を自ら認めていたわけだ!」
警官一同「はい!?」
……なんでそんな推理が!?とぽかんとする警官一行……
果たして、何故刀持警部はそんなことを言い出したのか……いや、もう分かっているような気もするけど……
続
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