#0
　亡命……それは最後のフロンティア（いや、そんなわけないでしょ……）
　そして、これはとある一教師とその教え子が揃ってとある場所へ亡命した……という事件に関する事件簿である

#1
　東京都、某所
＊「先生……」
＊「うむ、では、行くか……」

　とある高校の一教師と一生徒が……突如失踪を遂げたのはもう3日前となる……
　一体2人の間に何があったのか！？……学校の生徒らはデきてたんじゃないのか？との話題で持ち切りである
　東京都、警視庁
　バムッ
警官「刀持警部〜〜〜見つかりました！」
刀持隕山(いんざん)「何！？」
　捜査本部のもとへ、勢いよく入ってくる1人の警官……
警官「……場所は……アフガンの国境付近なのですが……」
隕山(いんざん)「ふむ」
警官「……そして……発見されたと言っても……死体……でなんですが……」
　発見できたのはいいのですが……残念なことに……と警官は続ける。
隕山(いんざん)「やはり、生徒と教え子……禁断の恋の関係にあった2人が愛の逃避行と……そこまでは良かったが……出向
いた先が悪かった……というわけか……」
上(かみ)総介「それじゃあどっちも生徒だ！」
　ドド〜〜ンッ
※総介、突っ込みながら登場
一同「かかかか……上(かみ)警部！！！」
　またしても突如登場した総介に一同は騒然
山咲(やまざき)桜「……あなたたち、いい加減に驚かずに接する事が出来ないんですか？」
隕山(いんざん)「……え！……いや……その……」
　チラリ
　そのまま刀持警部は無能警官ズを見渡すが、無能警官も無能ではあるがそこまでバカではない。皆一斉に目をそ
らす。
総介「フン、どうせ何かやましい事でも在るんだろ……」
一同「あ、ああ、ありませんよ！！」
　皆、明後日の方を見ながら叫ぶ。どこからどう見ても疾しいことしかないという状況だった……
桜「……まぁ、このさい貴方方を糾弾するのはやめておきます」
　今は、そんなことをやっている場合ではない……と桜。
総介「……で、だ……アフガンの国境付近で見つかったとのことだが……」
隕山(いんざん)「は……はい、上(かみ)警部……」
桜「はい、懸乙(けんおつ)高校教師、山岳巌氏とその教え子、湖沼泉氏です」
　刀持警部がここぞとばかりに出しゃばろうとするも桜に阻止される。
警官「ま、愛の逃避行として選んだ先がまずかったんですよ」
隕山(いんざん)「うむうむ。禁断の恋もあの世へ行けば関係ないですからね」
一同「それは何か違う！！」
　うむうむ……と無能警官一行は何故か納得し合う

#2
総介「……その山岳氏の担当科目は？」
桜「……地理を担当している教師でした……」
総介「……妙な話だとは思わんか？」
一同「え！？何がです？」
　総介の言葉に、それまで意気投合していた無能警官はぽかんとしだす
総介「……そんなことも分からないのか？お前等は……」
隕山(いんざん)「……え！？」
警官「……そ、そうですよ！刀持警部！！おかしいじゃないですか！！」
隕山(いんざん)「何が！？どこがだ……」
※無能上司と有能部下……なぜ無能上司が上司になれるのかはあくどいことばかりして出世しているからで有能部
　下はそれがないからです。（おいおい……）
警官「高校で地理を教えている教師です。アフガンは内戦が続いている国だって知っているはずです。だから、そ
んな場所に好んで逃避行するなんて考えにくいじゃないですか……」
隕山(いんざん)「……むう！？」
　そういえば、言われてみると……そうだな……と刀持警部
警官「では、これは彼等の自主的な逃避行ではなく、何者かによる拉致と言う事ですか？」
総介「……そう考えられなくもない……」
桜「しかし、そうなると今度は誰が何の目的で拉致したのかということになります」
警官「ふむぅ……」
総介「収容した遺体は？」
警官「現在司安置室におかれているかと……」
総介「うむ、行くぞ、山咲(やまざき)」
桜「はい、警部」

　東京都、警視庁・遺体安置室
総介「……」
　2人の遺体に歯車を模したデザインをあしらったカオスプレートのようなものを翳す総介。
　総介が持つそれはOCTUの簡易版のようなもの、CPMG
※モバイル『ギア』だけに『歯車』をあしらったデザインとなっているのだ。
桜「警部……？」
総介「……やはり……出来損ないのクローンか……」
一同「出来損ないのクローン！！？」
　一同、驚愕の面差で総介を見る
総介「……以前、幼馴染の女を殺したと見せかけて監禁していた事件があっただろ」
警官「ああ、ありましたが……」
桜「今回は、それの再現……」
総介「最も、今回のクローンは前回の事件ほど精巧ではなく、生きていてはボロが出るから処分する必要があった
んだろうな……」
警官「な……何と！！？」
　まさかの展開に一同は驚きを隠せない

　かくて、山岳氏と湖沼氏は教師と生徒の一線を超え……今もどこかで仲睦まじく過ごしている。


END