Eighter -Bizarre Investigate-
25ther 〜可愛さ余って…?〜
#0
可愛さ余って憎さ100倍……そんな諺があるが、今回はまさしくその諺のような事件に関してを綴った事件簿で
ある。
#1
東京都、某所
*「はぁ……はぁ……何で……何でこんなことになっちまったんだぁ……ああ……小夜子ぉ……小夜子ぉお!」
嘆く男性……そして、その近くには動かぬ血まみれの女性が横たわっている……
*「くそっ!!」
ダダッ
そして……漢は逃走……
その後、通りすがりの人物の通報により、警察が駆けつける
巡令樹留「ガイ者は六晩小夜子……死因はこの胸に突き刺さっている包丁……か!?」
警官「巡令(警部……六晩小夜子と言えば……」
ふと、何かを思い出す警官……そして、巡令(警部も同じく……
樹留(「ああ、尾崎豊の歌を替え歌としてカバーしている歌手。尾崎貧(の彼女だったな……確か、先日……卒業のカ
バー曲、支配を出したばかりじゃないか……」
『この支配こそが、永遠♪』などとサビを口ずさむ巡令(警部。
※しかし、替え歌としてカバーするのは……一種の冒涜なのではないだろうか……
警官「……現場に彼はいませんし……事件になんらかの関連性があると想いますが……」
樹留(「……うむ、彼の行方も調べなくてはな……」
一同「ハッ」
かくて、事件の背後関係の調査と尾崎貧(の行方……双方の調査が始まった……
……そして……聞き込みなどを駆使して分かったことと言えば……
警官「巡令(警部……小夜子と貧(は仲睦まじいカップルだったようですね……」
樹留(「だが……それは芝居だとも限らん……」
世間体をきにしつつ付き合っている振りをする奴もいるからな……と巡令(警部
警官「……死せる孔明、行ける○○を走らす……で有名なあの」
一同「そっちの『しばい』じゃねぇよ!」
アンタ、何がしたいんだ!?と一行は盛大な突っ込み
警官「巡令(警部……包丁に残っていた指紋なんですが……」
と、そこへ、鑑識の結果を持って警官の1人が参上……
樹留(「うむ、やはり……貧(の指紋が出てきたのか!?」
警官「……いえ、検出されたのは……小夜子氏の順手の指紋だけです」
樹留(「なっ!?」
まさかの結果に一同も驚きを隠せない
#2
警官「……おかしいだろ……自殺にしたって普通は逆手の指紋になるはずだ……順手なんて……」
樹留(「……いや、ブラジリアン柔術にナイフを持って襲ってきた相手に対しそのナイフで相手を逆に刺すってな技
があったはずです……」
警官「……となると……これは正当防衛!?」
樹留(「……一見仲睦まじいカップルでも……何が起こるかわからんということか……よし!今すぐ貧(を保護するん
だ!」
一同「はっ!」
だが……この推理は後に間違っていたことが発覚する……まぁ……あんまり間違ってはいないんだが……今はお
いておく……
東京都、某所
尾崎貧(「ひ……ひぃ……ち……違うんだ……アレは……」
捜査の甲斐あり、ついに貧(氏を発見することに成功する……が、何か怯えた様子の貧(
警官「ええ、分かってます。あれは正当防衛だった……あなたは小夜子氏に包丁で襲われたんですね……」
貧(「え!?」
突然の出来事に、貧(は唖然と……
警官「そして……咄嗟に……」
貧(「……あ……ああ」
警官「……署で詳しくお話願いますかな?」
貧(「は……はい」
……と、言うわけで、貧(はそのまま警視庁へと足を運ぶ……
東京都、警視庁
上(総介「凶悪殺人犯の逮捕……ご苦労だったな……」
一同「かかか、上(警部!!?」
警視庁に戻ると総介がお出迎え……
警官「あの……上(警部!?……凶悪殺人犯って……違いますよ……これは正当防衛でして……」
総介「バカか!てめぇら!」
一同「ひぃっ!?」
しかし、総介の一喝……和やかだった雰囲気が一気に緊迫した空気へと変わる
山咲(桜「……今回の事件は……貧(氏が悪いんです……」
貧(「おいおい……アレは正当防衛だって……」
桜「……可愛いからついつい苛めたくなる……そんな歪んだ愛情がもたらした悲劇……いつもいつも苛められてい
た小夜子はついにキレ……貧(を襲った……」
貧(「……」
警官「上(警部……じゃ、やっぱり正当防衛なんじゃ……?」
総介「フン、嫌がらせの抗議を返り討ちにしてどこが正当防衛だ!?」
貧(「……フッフッフッフ……分かっているんなら話は早い……」
一同「は……い!?」
と、そんな中、貧(の態度が豹変……
貧(「ならば受けてみよ!ブラジリアン柔術……死牙空舞(」
ドギャアアアアッ
辺りのものがたちまち切り裂かれる
総介「そんなブラジリアン柔術があるかボケ!!」
ドッ
が、呆気なく返される貧(
貧(「ごえぇえ!?」
総介「取調べは俺がやる!いいな!」
一同「はっ……異存なし!!」
と、言うわけで……この事件は幕を閉じるのであった……
……可愛さ余って憎さ100乗とは、正に、このことである。
END
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