Eighter -Bizarre Investigate-
20ther 〜親を殺す宣伝音楽(プロモーション) A〜



#0
 これは……1人の少年が犯した殺人事件を綴った事件簿である。
 彼を殺人に駆り立てたものとは一体何なのか!?

#1
 福島県、会津若松署
*「……」
 ふらり……
 1人の虚ろな目をした学生が警視庁へやって来た時……全ては起こった……いや、終わっていた……
警官「あ、君……」
*「……母を殺しました……」
警官「……はい!?」
 突然の告白に驚きを隠せない警官……よく見れば彼の服装はところどころ血で汚れており……
 ごそごそっ……
警官「あの、君……何を……」
 鞄の中に手を入れる少年……そして……
 ドンッ
警官「うひぃいえあああ!!?」
 彼が学生鞄から取り出したのは……母親の頭部と思しき物体……髪の毛を掴んでぶら下げる
*「ど、どうした!!?」
警官「権藤(ごんどう)警部……そ、それが……」
 突然の出来事に度肝を抜かれるも、ひとまず、彼を取調室まで案内する警官……ちなみに、彼の名前は、差高(さたけ)博
と言った……
 そして、取り調べはひとまず他の警官らに任せ、権藤(ごんどう)警部は部下を引き連れ、差高(さたけ)家へと向かう

 福島県、差高(さたけ)権藤虎歩(ごんどう・とらふ)「……なるほど……」
 そこには……首の無い女性の死体が1つ……
警官「署に持ち込まれた頭部はこの女性……つまり、彼の母親の智代氏のものであることが判明いたしました」
虎歩(とらふ)「ふぅむ……」
 ま、それは見れば分かるわな……と権藤(ごんどう)警部
警官「……権藤(ごんどう)警部……」
虎歩(とらふ)「どうした!?」
警官「……それが……凶器が……見つかっていないんです」
虎歩(とらふ)「何だって!?……鑑識に包丁など刃物を回しただろ?アレじゃないのか!?」
警官「どうやら、違うようです……」
 ルミノール反応は一切出ませんでした……と警官は語る
虎歩(とらふ)「……」
 ならば、凶器は……一体どこへ!?と権藤(ごんどう)警部が考えていると、更に警官が続ける
警官「権藤(ごんどう)警部……更に言うと……」
虎歩(とらふ)「……それは分かっている……殺しの同機だろ……」
警官「なんでもある音楽DVDに影響されて殺した……とのことですが……」
虎歩(とらふ)「ああ、なんだかデストロ〜〜イな感じのヘビメタのプロモだそうじゃないか……」
一同「……」
 一同、黙り込む……
虎歩(とらふ)「ん?なんだ?どうした!?」
警官「いや、権藤(ごんどう)警部って結構ミーハーなんですねって……」
虎歩(とらふ)「……」
 ……ちなみに調べてみると、そのプロモーションビデオはなんでもマネキンを解体し続けるとかそんな感じの映
像だったとかなんとか……
虎歩(とらふ)「……音で殺す……か……」

#2
 権藤(ごんどう)警部らが現場で捜査を行っている、その頃……署では……
 福島県、会津若松署
(かみ)総介「……で?」
一同「は……ははは、はい!(かみ)警部!!!ですから……報告書の通りでして……」
 突如として現れた総介に一同はビビリまくる……最早恒例の行事である。
※嫌な恒例……
総介「……フン、」
 報告書を投げ捨てる総介
総介「行くぞ、山咲(やまざき)山咲(やまざき)桜「はい、警部……」
 報告書を読むだけ読んだ後、事件のあらましを聞くだけ聞いた後、総介はその場を去っていった……

警官「……あ、嵐が……過ぎ去った……」
警官「……しかし……(かみ)警部は……何がしたかったんでしょうかねぇ?」
警官「知るかよ……あの人の考えていることは……誰にもわからん……」
 うんうん、むしろ、理解できる方がおかしんだ……と無能警官が頷く
警官「で……取り調べは……どうします?」
警官「どうしますって……何か進展あったか!?」
警官「……いえ……何も……」
警官「……」
※どうやら博君は黙り込んでいるみたいですね……『黙秘権を適用します!!』ってか!?
 何を問いただしても、黙秘を続ける博のせいで……取り調べは行き詰まる。また、現場での操作も同じく、凶器
も見当たらず、捜査は進展しない……結構八方ふさがりとなり、権藤(ごんどう)警部も頭を抱えるのであった……
 一方……、署を出た総介、桜は……
 福島県、会津若松・某所
桜「警部……何か?」
総介「……現場からは凶器が見つかっていないとのことだ……」
桜「……それは……つまり……」
総介「凶器をどこに隠したか……あの少年は語るまい……いや、語れまいな……」
桜「……なるほど……犯人は……別に居るということですか!?」
総介「……ああ、お前の報告によると……彼は……」
桜「はい、随分と母親に溺愛されていたようです」
総介「……父親に先に逝かれたからと言って息子に縋るか……それ程あの息子は父親に似ていたのか……まぁ、い
い……山咲(やまざき)……」
桜「はい。調べてあります……」
 調書を取り出す桜
総介「……行くぞ……」
 ……かくて、総介は桜の調書をもとに、ある場所へと向かう……そこには……真犯人とやらがいるのか
 ……そして、それは博氏が庇うほどの存在なのか……


続

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