Eighter -Bizarre Investigate-
18ther 〜護身道具de犯罪を A〜
#0
催涙スプレーやスタンガン……こういったものは護身具として本来犯罪者から身を守るときに使うものなのだが
……世の中にはそれを使って犯罪を起こす人もいる……今回はそういったケースを綴った事件簿である。
#1
天四斗、某所
ビィ〜〜〜〜ッ、ビィ〜〜〜〜ッ、ビィ〜〜〜〜ッ、ビィ〜〜〜〜ッ
閑静な住宅街に突如として響き渡るブザー
一同「なんだ!?なんだ!?なんだ!?」
*「キャ〜〜〜〜痴漢んん!!!」
ダダダダダッ
駆けつけてみると……いきなり走り去っていく女性……
ドカドカドカッ
一同「この漢か!!」
*「ちょ、ま……待て……俺は……」
バキッ
ベキッ
ドスッ
*「へぎゃ〜〜〜〜す!!!」
そして痴漢と思しき漢に鉄拳制裁をする近所の住民であった……更に警察への通報も忘れない。
かくて、この卑劣漢はすさまじいスピードで逮捕されるのであった。
富山県、富山県警
バムッ
取調室で逮捕した男を前に机を叩く志摩警部
志摩椅埴亜(「さぁ、いい加減に白状しろ!!」
*「だから、俺はむしろ被害者なんだってば……イキナリ痴漢って言われるわ……駆けつけられた人には殴られる
わ……」
椅埴亜(「ふざけるな!!まずは名前、それから住所、身分を証明できるものは!?」
*「はい!?」
椅埴亜(「はい!?……じゃないだろ!!あのな……」
*「え?だって……アンタらが押収した俺の鞄に……」
椅埴亜(「はぁ!?鞄んん!?」
と、志摩警部が部下に確認を促すのだが……
警官「え?鞄の中身は……タオル、飴、書類、筆記用具、あとは鍵くらいなものでしたよ……身分証明書なんて物
は入ってません……」
身分証明書は入ってなかったよ……と警官
*「おい!ふざけるな!!財布は!?財布!!財布だよ!!お前らパクったんじゃねぇだろうな!そん中には免許
証とクレジットカード……その他いろいろとなぁ……」
警官「……しかし……無かったよ……なぁ?」
警官「ええ……」
どよめく警官達……漢が嘘を言っている……とは思えない口ぶりなのも相俟って……戸惑いを隠せない。
#2
ガチャッ
上(総介「何やってる、お前ら……」
と、その時、総介登場。
一同「かかっ……上(警部!!」
一同は、総介の出現に驚きテンパる……
……ちなみに、もはや恒例のリアクションなのでそれはおいといて……
※取り調べを受けている漢だけぽかんとしています。まぁ、そりゃそうだわな……突如現れた謎の漢に警官一同が
ビビりまくっているんだもんな……
総介「挨拶はどうでもいい……被害者を取調室に入れて何をやっているんだと聞いている」
総介、一喝……
*「だろ!!?俺は被害者なんだって……」
そして、うんうん、やっと分かってくれる人がいた〜〜〜と、感激の漢
警官「え!?あの……上(警部……」
いや、彼は加害者であって、被害者ではないでしょ……と警官の1人……
総介「山咲(」
山咲(桜「……はい。今回のケースは極めて悪質かつ、今までに無い事件です」
と、そこへひょこっと顔を出す山咲(……
警官「……あの……どういうことなのか……よく分からないのですが……」
総介「……」
ため息をつく総介……分かっていたが、これほどとは……と、そして、そのまま桜とアイコンタクトを取り桜に
説明を任せる
桜「被害者は自分が痴漢を働いたとみなされる上、財布など金品も盗まれる……踏んだり蹴ったりですね」
一同「ま……まま……まさか……」
ババっと一行は漢を見る
総介「大体な……痴漢にあったってな女性がなぜ今になっても現れない……いや、ここじゃなくてもいい、どこか
のサツに現れるはずだ……それなのに何の連絡も無い……」
痴漢にあって被害届を出さない女性もいないもんだ……と総介は続ける……
警官「そ……それは……」
椅埴亜(「た……確かに……」
……あ〜〜〜、つまり、今回の事件に使われた護身具と言うのは……『防犯ブザー』なのである。
※……え?防犯ブザーで犯罪をどうやっておこうなうのかって……?
総介「手口はこうだ……耳元で思いっきり防犯ブザーを鳴らし相手をひるませ、その隙に財布をスッて現場から逃
げさる。もちろん痴漢だなどと叫びながらな……」
※被害者が耳をふさぐとき、手提げ鞄とかだと返って盗みにくくなると思うんだがな……あ、男性はそんな鞄を持
ち歩かない……か……いやいやいや、ブザーを鳴らして人が駆けつけるまでにスリができるのか!?
椅埴亜(「なるほど……それならば、みんなは女性よりも痴漢を働いたであろう漢に目が行く……」
※いや、中には女性に大丈夫かとか声をかける人もいるはずだ……
警官「なんて発想力だよ!!」
とにかく、その漢……火鳥丈夢(は被害届けを提出し、警察署から帰路につく……
火鳥丈夢(「くっそ……とんだ災難だよ!こんちきしょう!!」
……そんな被害者のことはいいとしてだ……犯人は……捕まえることが出来るのか……それとも……
続
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