Eighter -Bizarre Investigate-
12ther 〜家政婦希望は想う A〜



#0
 これは……家政婦になりたい少女が見た!……ではなく家政婦を希望する少女が見た事件簿である……多分。
※いや、多分て……

#1
 京都府、虫酋(むしおさ)家
 それは、京都府のとある警部の自宅で起こった殺人事件……通報を受けた京都府警の面々は早速現場を訪れたの
だが……
砂薄野夜児(さうす・やよじ)「……ガイ者は虫酋虫牟(むしおさ・じゅうぼう)……死因は……失血死……?」
 一刀両断されている死体を見下ろして砂薄(さうす)警部が言う
警官「……砂薄(さうす)警部……庭でこんなものを発見いたしました」
 と、そこへ……写真を持ってくる警官
野夜児(やよじ)「んむ!?……これは……斧……!?」
 それは……よく見かけるような真ゲッ○ーでおなじみのアのトマホークだった。
※よく見かけるモンじゃねぇし!!
野夜児(やよじ)虫酋(むしおさ)警部……」
 砂薄(さうす)警部が虫酋(むしおさ)警部の冥福を祈っていると、警官がぽつりと漏らす
警官「砂薄(さうす)警部……虫酋(むしおさ)警部には娘さんが2人居たと思うのですが……」
野夜児(やよじ)「!!!」
 確かに、現場に虫酋(むしおさ)警部の娘、虫酋(むしおさ)真弓、真矢の姿は無い……
警官「犯人に拉致されたのか……あるいは……飼い殺し……むぅ……とにかく、真弓、真矢嬢の無事を確認しなく
ては……虫酋(むしおさ)警部も浮かばれんぞ!」
一同「はっ!!」

 かくて、警察一行は虫酋(むしおさ)警部の娘の捜索に当たったのだが……事件は意外な方向へと歩みだす
 そして、3日後
 京都府、京都府警察
 バムッ!
警官「砂薄(さうす)警部……大変です!!」
野夜児(やよじ)「どうした!?……まさか……娘さんが!!?」
警官「はい。……違いますがあってます」
一同「どういうことだよ!」
 一同、困惑の表情を浮かべる中、その警官は語る……
警官「……鑑識の結果なんですが……凶器の斧……便宜上『トマホークランサー』としますが……それからは娘さ
ん……つまり、真弓氏の指紋しか検出されなかったとのことです」
※ってか便宜上『トマホークランサー』ってモロ真ゲッ○ーじゃねぇか!やめろよ……それ……
野夜児(やよじ)「何ぃ!?」
警官「……そして……事件の1週間前に……娘の真弓さんが、とある鍛冶屋にてそのトマホークランサーを購入した
との情報が……」
一同「ゲームじゃなんだから……少女に武器を売るなよ!!鍛冶屋ぁ〜〜〜!」
 一同、渾身の叫びだった……
※だが、哀しきかな、今はそんなことを叫んでいる場合じゃないのである……

#2
警官「砂薄(さうす)警部……これはもしかすると……」
野夜児(やよじ)「言うな……真弓氏が……虫酋(むしおさ)警部を!!?……馬鹿な……」
警官「しかし……そうだとしても……動機は……」
警官「……虫酋(むしおさ)警部といえば規律を重んじる人だったからなぁ……もしかすると……」
 バムッ
 と、そこへ、新たな警官が……
警官「砂薄(さうす)警部……真弓氏の部屋から日記が発見されました……これによるとですね……」
 『父の交友関係が嫌いだった……』
 『毎日が面倒くさい……』
 『私は籠の中の鳥……自由など微塵も無く……』
 などと記載されている……
野夜児(やよじ)「……うむぅ……こいつは……」
警官「……ええ、家が……親がイヤだったという証拠でしょう……これで、動機も……」
野夜児(やよじ)「規律にがんじがらめになっていたことにたいする不満……が、いつのまにか殺意に摩り替わった……とい
うことか……」
警官「……」
警官「あ、それと、あまり関係なさそうですが……中学時代の文集とかも発見したので……どうやら、中学のころ
は……『毎日がメンドくさいなりい楽しかった』……と記しているようで……」
 ちなみに、そんな彼女の当時の将来の夢は……
 『家政婦さんになりたいです。なぜならメイドだとえっちぃことも仕事に入るけど、家政婦なら、そんなことも
 ないからです』
 などと書かれていた……
一同「……えっと……これは……」
警官「確かに……メイドだとそ〜〜ゆ〜〜ことは聞くけど、家政婦だと聞かないな……むぅ……何故だろう!?」
 真剣に考え込む無能警官が1人……
野夜児(やよじ)「……み、見なかったことにしよう……事件には関係なさそうだ……」
※……と、言うか……真矢さんの方はどうなっているんですかね!?さっきから名前が出てきたきり一度も話題に
 上ってこないんですが……
 ……ともかく……一行は秘密裏に虫酋(むしおさ)警部の娘、真弓を探すことになったのだが……

 そのころ……
 京都府、某所
虫酋(むしおさ)真弓「……ああ……これで……やっと……私は自由だ……自由を手に入れたんだ……」
 ザァ〜〜〜っと雨が降りしきる中、彼女は1人佇む……
真弓「……これから……どこへ行こう……?」
 とぼとぼと……ふらふらと夢遊病者のように歩き出す真弓……そんな彼女に包囲網が迫っていることなど今はま
だ知る由も無かった……


続

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