Eighter -Bizarre Investigate-
3rder ~最弱と最強の激突 C~



#5
警官「……あの……志摩警部……」
志摩椅埴亜(いじえ)「うん!?」
 警官一行が不安な表情でストライプの志摩が連れてきた人材を見つめると……
故郷見(さとみ)透(まかせな……)
一同「のお!?なな……何だ!?一体……」
 突如皆の頭の中に声が響き渡る……
椅埴亜(いじえ)「うむ、彼こそは……サトリに対抗する唯一の切り札!」
警官「おいおい、たった1人でどうしろってんですか!?」
警官「そうですよ、志摩警部、しまぱんの事ばっか考えているからオカしくなったんじゃないですか!?」
 サラリと酷いことを言い出す警官が1人
警官「そうですよ、この際一個軍隊でも送ってくださいよ」
椅埴亜(いじえ)「お前は戦争でも起こす気か!?」
 アンタの方がオカしいんじゃねぇか!?とストライプの志摩
警官「しかしですねぇ……相手はサトリ、トランプで言うジョーカーですよ……」
椅埴亜(いじえ)「フ……だからこそ……1人で十分なんだ……」
 総介が連れてきた人材に間違いはない!多分!と豪語する椅埴亜(いじえ)。だったら推定じゃなく断定しろよ
警官「は!?どういうことです!?警部……」
警官「……まさか……ジョーカーはスペ3に弱いってアレですか!?」
 と、そんな中、気付いた警官は……それを口に出す
椅埴亜(いじえ)「そうだ」
警官「馬鹿な……スペ3に該当する人間なんてこの世に……」
透(それが存在するんですよね~~)
警官「お前、何か言った!?」
警官「はい!?何も!?」
警官「頭の中に声が聞こえたろ……」
警官「は……はぁ……」
透(ども、スペ3ことサトラレです)
一同「なあああ!?」

 と、言うわけで、一部始終を皆に伝え……そして、一行は千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)逮捕の為に動き出す
警官「ヤツは……どこへ行くつもりでしょう!?」
 蛇虎(じゃこ)の足取りを追いつつ警官の1人が漏らす
椅埴亜(いじえ)「知るかっ」
 ザザッ
 と、そこに無線が入る
警官「天四斗(あまよと)港に奴が入るのを目撃しました!」
椅埴亜(いじえ)「そうか……総員、直ちに現場で急行するぞ!」
一同「はっ!」
 ダダダッ
 かくて、一行は天四斗(あまよと)港へと急行するのであった……

#6
 天四斗(あまよと)港、廃倉庫前
 蛇虎(じゃこ)天四斗(あまよと)の港にある廃倉庫へと逃げ込んだのを近隣の住民が目撃……したらしい……
椅埴亜(いじえ)「あっちだ!取り囲め!!」
 バババッ
 倉庫の周りを取り囲む警官隊
椅埴亜(いじえ)「……ここは……20m位だな……」
警官「はい、警部……ここはギリギリの……」
 そして、一行は、奴の逃げ込んだ倉庫からギリギリ20m以上離れた場所で構える
千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)「ハッハッハ~~~!!どうした!取り囲んでいるだけじゃあ俺は逮捕できないぜ……」
 メガホンで叫ぶ蛇虎(じゃこ)……
警官「……志摩警部……」
椅埴亜(いじえ)「……ああ……任せたぞ!」
 そして、一行はサトラレに全てを託す……託されたサトラレもコクリと頷き一歩前へ……
 ザッ
椅埴亜(いじえ)「これより、貴様を完全に叩きのめす!……こちらにある切り札でなぁ!!」
蛇虎(じゃこ)「切り札ぁ!この俺様にかなう人間なんて、この世に存在するわきゃねぇだろ……」
椅埴亜(いじえ)「ふふ……そいつぁ……どうかな!?」
 20m以上離れた場所から叫んでいるので……その心のうちは読めないはずだ……
 ジャリッ
 そして……透は1人、廃倉庫の中へと入っていく
蛇虎(じゃこ)「おおっと、たった1人で俺に挑むとはたいした度胸じゃねぇか……」
 何が切り札だ……あんなひ弱そうな奴で……この俺をどうにかできるとでも……
透(うん、でも本当は恐いんだよね……)
蛇虎(じゃこ)「!!!!」
 だが、突如、自分の背後から声が聞こえた気がした……
蛇虎(じゃこ)「……こっちか!?」
 バッ
 焦って後ろを向く蛇虎(じゃこ)……しかし、そこに人影は無く……
透(やだなあ、僕はこっちですよ……)
透(ううん、右じゃなくって左……)
透(もしかしたら上かもしれないよね……)
透(いやでも、もしかしたら外かも……)
蛇虎(じゃこ)「な……ななな……何だ!?これはああ!?」
 バババッ
 四方八方を見渡す蛇虎(じゃこ)……しかし、声の主は……入口に立ったまま動いているようには見えない……
蛇虎(じゃこ)「貴様……一体……何をした!?」
 ありえない状況に……少し焦りつつ、透を睨みつける蛇虎(じゃこ)
透(別に何もしてないよ……ただ、君のサトリ能力が僕の持つ能力に過剰に反応しているだけさ……)
蛇虎(じゃこ)「俺のサトリの能力が過剰に反応しているだと!?ど……どういう……」
 そんなことあるわけがねぇ!!と、少しずつだが……確実にパニックに陥っていく蛇虎(じゃこ)
透(ねぇねぇ……こう言う言葉は知っているかな!?)
蛇虎(じゃこ)「は!?」
透(最強の手札(ジョーカー)最弱の手札(スペ3)に負ける……)
 サッ
 そして、透は告げ、その場から隠れだす
蛇虎(じゃこ)「キ……貴様ああ!!!!まさか……まさか!!どこだ!!どこだ!!どこだあああ!!」
 バッババッ
 錯乱状態になった蛇虎(じゃこ)は辺りを見渡し……奴がどこに隠れているのかを探そうとする……が、しかし、声は四方
八方から……見当違いの方向から……至るところから聞こえてくる
蛇虎(じゃこ)「こ……この……俺様が!!?」
透「こっちだ!!」
 ごすっ
蛇虎(じゃこ)「ぐうっ!?」
 そして、気が動転していた蛇虎(じゃこ)に背後から木刀の一撃……こうして、最強かと思われていたサトリは最弱のサト
ラレの前に沈んだのであった……
透「……ふぅ……」
 ガチャリッ
椅埴亜(いじえ)千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)……捕縛……」
 かくて、事件は終わった。


END

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