つくがく de SS
特別編其の1・後篇



荒野にて、名うての剣客ばかりを狙うあやかしと・・・その荒野にあまり自分のことがよくわからぬ侍が
1人・・・そして、出現したあやかしは・・・その場に居合わせた2人の侍に牙を剥くのだが・・・
丈太郎の・・・何者かの記憶はまだ続く
*「・・・師匠・・・拙者はまだ剣の道・・・半ば・・・故に、師匠の御名みな・・・まだ継げぬでござる。」
そう報告し、侍は刀を再び手に取り・・・踵を返す
ボワァ〜〜〜
と、その時、墓標より何やらもやが・・・
*「愚か者・・・―――・・・お前は・・・我が名を継ぐことから逃げているに過ぎん・・・」
*「師匠・・・?」
もやが・・・その墓の持ち主の姿を取る
先代丈太郎「お前は・・・逃げている・・・我が・・・剣聖丈太郎・・・その名を継ぐことの重さに・・・」
*「しかし・・・拙者は・・・」
先代丈太郎「剣の道に終わりはない・・・だが、そのことを理由に我が名を継がぬと言うのは言い訳に過ぎん。」
しかし・・・とまだ煮え切らぬ侍
先代丈太郎「・・・良かろう・・・そこまで言うのならば・・・お前に最後の試練を授ける・・・その試練、
 くぐり抜けた暁には・・・お前が14代目・・・剣聖丈太郎・・・となることを許そう・・・」
剣聖丈太郎(・・・これは・・・拙者の記憶・・・でござるか!?)
先代丈太郎「行け・・・某敢それがし・いさむ・・・」
カアアッ
そして、再び眩い光に包まれ・・・回想は終わる・・・
丈太郎「・・・はっ!?」
気がつけば、再び荒野・・・あの回想は・・・いかほどの時間だったのか・・・いや、今はそんなことを考えて
いる場合ではない・・・
ズッ
刀を手に取り、丈太郎は走る
*「グオオアアアアアアッ」
ゴヒュッ
その頃、新八に追撃が走る
中倉新八(南無三ッ)
ザシャアアッ
覚悟を決め・・・目を瞑る新八・・・しかし、いくら待ってもその時は現れず・・・目を開けてみると・・・
丈太郎があやかしの腕を斬り飛ばしていた・・・
丈太郎「・・・すまぬ・・・お主を巻き込んでしまって・・・これは拙者の問題・・・拙者が片をつけなければ
 ならぬ問題でござるのに・・・」
チャキッ
新八に詫びを入れ、刀を構え直す丈太郎
丈太郎「お主は・・・拙者の心に巣くう鬼・・・故に・・・斬る・・・14代目剣聖丈太郎・・・否ッ!某敢それがし・いさむ
 参る!」
*「ガアアアアアアアアッ!!!」
ギャッギギギギインンッ
あやかし咆哮・・・そのまま再び鍔迫り合いが繰り広げられる・・・だが、今度の鍔迫り合いは実力伯仲・・・では
なく・・・
新八「丈太郎殿の方が圧している!?」
迷いがあるものと迷いが無いものとではかくも違いが現れるのか・・・
あやかしの爪撃を紙一重で回避しつつ丈太郎は機を待つ・・・そして・・・
丈太郎「いやあああっ!」
バシュアアアアッ
*「ガ・・・グッ」
そして、一瞬の隙をついて、あやかしを横に薙ぎ払う丈太郎。あやかしはそのまま消滅し・・・そこには最初から何も無かった
かのように・・・
丈太郎「拙者・・・また一つ、剣の道を進めることができたでござる・・・」
丈太郎、そのまま納刀・・・と、頭の中に声が聞こえる
先代丈太郎(・・・見事だ・・・いさむ・・・これで、お前は今日より14代目、剣聖丈太郎・・・その名の重さ
 ・・・努々忘れることなかれ・・・)
丈太郎「師匠・・・」
ザッ
その場にて、座して刀を前に突き出し敬礼する丈太郎・・・暫く黙祷を捧げたのち、新八の方を向く
丈太郎「怪我はないでござるか?」
新八「大事ないでござるよ・・・」
・・・こうして・・・事件は終結した・・・
・
・・
・・・
天然蛍あましか・けい「・・・って夢を見たんだよ・・・」
新八「・・・いや、それを拙者に伝えられても・・・拙者はどう答えればいいのやら・・・」
けい「と、いうわけで・・・14代目剣聖丈太郎を紹介してくれないかな?」
死合ってみたいんだ〜〜〜とか言い出すけい
新八「・・・拙者、その御仁と面識がござらんので・・・いや、そもそも、お主の夢の中に出てきた人物で
 ござろう?」
そんな人物・・・どう紹介しろと・・・と困ってしまう新八・・・
・・・と、いうか、実際には丈太郎(いさむ)と面識があるのはけいの方じゃないか?
※Eighterにてけいいさむの勤務先(?)にたびたび遊びに来ています。最も、いさむいさむで剣の修行とやらで
 職場にいないことが多いけど・・・
剣聖丈太郎を襲名したことで誰か分からなくなったのか・・・?
いや、名前が変わっただけで外見には何の変化も無いよ・・・(当然)
けい「え〜〜〜?」
※ちなみに、余談ですが、いさむが剣聖丈太郎を襲名するのはきっと本編が終わった後だと思います・・・
 (つまり、本編中でこのことを書くことは無いよ・・・)
ガッカリしながら、けいは・・・また昼寝をしにどこかへ行ってしまう・・・
新八「あ、けい殿・・・?」
・・・けいは・・・夢を見る・・・その夢はDilonisへの供物にして・・・Dilonisを維持するための必要事項
かくて、夢の世界に・・・夢の中にしか存在できない世界に愛されたけいは今日も夢の中へ・・・


END

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