つくがく de SS
2時限目 Part2



クリスマスに向けて家庭科の授業の一環としてクリスマスパーティーを行うことになった一行・・・
衣食住のグループに分かれた生徒の面々は早速準備を始めることになったのだが・・・
ツクール学園、被服室
中倉新八「・・・思うに、拙者が一番このグループで浮いていると思われるのでござるが・・・」
そもそも、和服が中心の世界にいた彼に、洋服のデザインを行え・・・と言われても酷な話だ・・・
レイン「そこはホラ、今回のテーマは和を取り入れたクリスマスパーティーだから」
セナ「・・・そうなの?」
司「・・・初耳だ・・・」
適当な事を言ってしまったことにちょっと後悔するレインはそのままバツが悪そうに話を続ける
レイン「・・・と、ともかく、クリスマスなんだから、それに相応しいような衣装を・・・」
・・・いや、そもそも、新八はクリスマスについてよく分かっていないと思われるのだが・・・
ファイン「とりあえず、サンタクロースの衣装をベースにしたいと思うんだけど・・・」
と、そんな中、サンタクロースの写真を見せるファイン。
新八「むぅ、煌びやかな赤でござるか・・・」
ファーのついた赤ベースの衣装を見た新八はここで、戦国時代一の傾奇かぶき者として名高いアノ漢を思い浮かべる。
新八「白銀と金色こんじきの糸で刺繍ししゅうを施した真紅の羽二重・・・更に袖口や襟もとに白い毛皮をつけるとなかなか
 ・・・かぶいた召し物となるでござるな・・・」
一同「・・・」
新八の独り言で語られた衣装を想像してその派手さに一同絶句
※そういえば、傾奇かぶき者の衣装ってちょっと派手さを抑えればクリスマスに似合いそうですね・・・(本当か!?)
レイン「・・・じゃあ、トナカイの着ぐるみなんてどう?」
新八「となかい・・・でござるか?」
司「ええっと・・・鹿っぽい奴?」
と答えてからセナに確認してみる司
セナ「でも、みんなトナカイで統一ってのも・・・」
一同「・・・」
ドキッ!?トナカイだらけのクリスマスパーティー・・・何の会合だ!?・・・集団コントか!?・・・と
想像してみて絶句する一行。
・
・・
・・・
そして、その後、衣装作りに行き詰まり・・・と、そこへキララ先生登場
ファイン「キララ先生・・・」
キララ「衣装の製作はどうです?」
レイン「思った以上に難しいわ・・・」
と、ボツになった衣装(かぶいたお召し物、トナカイ着ぐるみ)をチラ見するキララ
キララ「サンタやトナカイにこだわらない方がいいかもしれませんねぇ・・・」
さりげな〜〜く助言を残し、キララは別のグループの方へ歩き出す
新八「なるほど、確かに・・・こだわり過ぎるのもあまりよくないことでござるな・・・」
司「じゃ、クリスマスツリーをベースにしてみるのはどうだろう?」
と、クリスマスツリーの絵を持ち出す司
新八「萌黄もえぎ色の羽織に山吹やはなだ色、一斤染いっこんぞめの刺繍ししゅうを施すのも悪くないでござるな・・・」
萌黄もえぎ色は芽吹いたばかりの草木の色。はなだ色は薄い藍色。一斤染いっこんぞめは一般的に使うことを許されていない淡い紅色
 のことを指します。日本古来からの色って結構難しい・・・
セナ「いいね、それ。それでデザインしようか!」
・・・一番洋服と縁遠い人が一番的を射た発言を行う・・・なんとも数奇な巡り合わせであろうか・・・
※・・・と、言うか、結局和服ベースの衣装になるんですかね?
ちなみに、やっぱりフェイクファーはつけるべきか?という論争がおこったりしたのだが・・・そこは、
こだわる必要がないから要らないのではないか?という結論に・・・
レイン「じゃ、あとは生地とか飾り用の部品だけど・・・」
司「あ〜〜、そういえば・・・全員分まとめて作るのはいいとして・・・お金は・・・足りるのか?」
一同「・・・」
実はグループの分だけを考えていた一行・・・が、しかし、パーティーで使う衣装は・・・参加者全員と、
教師陣の分も作らなくてはならない・・・
新八「上質の反物でなければ、それなりに値段は下がると思うのでござるが・・・」
レイン「それだ!」
はてさて、安く、それでいて大量に、仕入れることは可能なのか!?


続

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