つくがく de SS
課外活動の10・前篇



ツクール学園図書館・・・そこはひとつの聖域。そして、この図書館には絶対に護るべき約束事がいくつかある
一つ。貸出期限は絶対に守ること。
一つ。書籍に落書き、または書籍を破壊してはならない。
一つ。図書館の中では大声を出してはならない、また暴れてもならない。
・・・上記を護らぬ不埒な輩は・・・キれたフィルの手によって悪夢を見せられることになるという・・・
図書館を利用する際はこの点に注意してくださいね。
ある日の図書館
ガチャッ
司が図書館を訪れると・・・
司「・・・やけに暗いな・・・」
なぜかいつもと違って真っ暗。そして、そのただ中にフィルがポツリと・・・
司「・・・何かあったの・・・」
フィル「借りたものはキチンと返す。これは鉄則だよね」
司「へ!?・・・あ・・・ああ」
何か貸していたっけか?と考え込む司
フィル「次に借りた人が心待ちにしているのに・・・返さない人には厳罰を与えなくちゃダメだよね?」
司「・・・そ・・・そうだね・・・」
ズズズズっと黒いオーラの出ているフィルに、逆らうことができない司・・・は、そのままフィルに引きずられ
借りたまま返してくれない本の徴収に出回ることに・・・
司「で、フィル、誰が本を返していないんだ?」
図書館利用の決まりを護らない不逞な奴は誰だ?とか思っていると・・・
フィル「天然蛍あましか・けい。借りた本は『原色鳥獣図鑑』」
はぁ、けい、鳥に興味でもあったのか・・・とか、思いつつ・・・
司「・・・あれ?そういえば、けいって・・・いつもどこにいるんだっけ?」
素朴な疑問を口にする司・・・あいつは突然何の前触れもなく現れるけど、こっちから探した場合見つからない
事が多い・・・
中倉新八「けい殿なら、先ほど、この学園で一番大きな木はどこかと聞いてきたでござるよ」
と、そんなとき、助け舟のように新八が参上。
フィル「学園で一番大きな木・・・」
司「昼寝スポットとしてでも使うのかな?」
フィル「OK、行くよ!」
バヒュッ
司「うおおぉ〜〜い!?」
司をつかむや否や、魔法で加速、そのまま学園で一番大きな木を目指す
新八「あ・・・拙者、これより図書館にて書籍を借りたいと思っていたのでござるが・・・」
1人取り残された新八は、これでは借りられそうにないな・・・と思ったのであった
・
・・
・・・
一方、学園で一番大きな木の前にやってきた2人は・・・
司「・・・これは・・・でかいな・・・」
天高くそびえる巨木・・・その存在感に圧倒される司
司「・・・しかし、これじゃ、探すのも一苦労だよ」
フィル「任せて・・・」
と、言うなり呪文を詠唱しだすフィル。なるほど、探索系の魔法でけいの位置を割り出すのか・・・と感心している
と・・・
ゴゴゴゴゴゴッ
司「・・・な・・・なななな!!?」
ズガアアムッ
隕石が大木に直撃、その振動に、巨木に止まっていた鳥たちは一斉に飛び立ち、また、巨木に作られた鳥の巣
やら卵、虫などいろいろなものが降り注ぐ
司「どわっ!?・・・ちょ・・・勘弁してくれ・・・」
流石に巨木から避難する司。しかも、ちゃっかり自分だけ防御結界を張って降り注ぐ瓦礫などを防いでいる
・・・そして・・・いつまでたってもけいが落ちてくる気配はない。
フィル「ハズレか・・・運が良かったねぇ・・・けい・・・フフ・・・」
司(当初の目的、忘れてないだろうな!?)
流石に恐ろしくなってくる司・・・
と、まぁ、そんなことはさておいて・・・新八の情報でここへやってきたはいいが、他にけいの行きそうな場所
なんて2人は知らず・・・捜査は息詰まる・・・
司「う〜〜む、本当にアイツは・・・」
天然蛍あましか・けい「探し物って欲しい時に限って見つからないんだよね・・・」
司「全くだ・・・」
フィル「けい・・・そっちからやってくるとはいい度胸だ・・・」
司「どわっ!?けいぃっ!?」
何の前触れも無く登場し、自然に会話に入ってきたことで気付かなかった司
フィル「さぁ!けい、借りた本の期限はもう1週間も前に過ぎている・・・今すぐ返してもらうよ・・・ついでに
 今ならけいを無に帰してあげるッ!!」
キイイインッと呪文詠唱準備に入るフィル
けい「え〜〜〜!?せっかく手頃な大きさで枕代わりだったのに・・・」
司「普通に枕使えよ!」
たまらず司が突っ込む。
フィル「さぁ!本を返すか、お前が無に帰るか、どっちを選択する!?」
けい「枕が変わると眠れないのに・・・」
司「ちょっと待て、その発言はおかしい!」
けい「・・・はぁ、じゃあ、別の本を借りるよ・・・」
と、どこからともなくマイ枕を取り出し、枕カバーを開けて中から本をフィルに渡す
司「だから、本じゃなく、枕を買えってば・・・」
最もな突っ込みをしてみる司・・・
ともかく、これにて一件落着だな・・・なんて思っていると・・・
フィル「さ、次行くよ!」
司「え!?まだあるのか!?」
ドッヒュ〜〜〜ン
司「うおおおっ!?」
そのままフィルに連行される司・・・果たして、彼が解放されるのはいつになるのか!?


続

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