Eighter -Verdant Nightmare-
3rder 〜冥春を封じる護符 A〜
#0
封印のお守り、それはかつて鵺帛主世界に侵攻してきた『蒼天』の破壊神、泱硫堕(を封じ込めたアーティファク
トであった。
しかし、その効力もとうに切れ、泱硫堕(は再び鵺帛主(世界に解き放たれてしまった。
かくて、ソレに単身挑む羽目になったかれんの命運やいかに!?
※まぁ、かなりのせいで単身挑む羽目になったんですがね
#1
白拍子かれん「ふぎゃん!?」
大技を決める前に様子見として飛び込んでは泱硫堕(に斬撃を叩き込むかれんだったが、しかし、いつの間にか手
痛い反撃を食らい、吹き飛ばされる。
しかし、学習しないどMなかれんは懲りずに何度も同じことを繰り返す。
かれん「ぴぎゃっ!?」
そして、またしても反撃を食らう。
山咲(桜「見ていて可哀そうになってくるのですが、助太刀しなくていいのですか?」
白拍子かなり「オ〜〜ッホッホッホッホ、ウチのかれんを甘く見ないでよね!かれんは運はないけど力はあるんだ
から」
上(総介「駄洒落か……」
※『力』の破壊神の加護を受けているだけにね
泱硫堕(「チッ、こいつ……」
一方の泱硫堕(も、何度打ちのめしてもへこたれないかれんに苛立ちと恐怖を感じるようになってきた。
それだけではない。泱硫堕(が一番厄介だと思っていることは、だんだん自分の攻撃が通用しなくなってきている
と言うことだ。
相手に気づかれずに攻撃を叩き込むというのは言わば高度な駆け引きの一つだ。
些細な仕草や細かな視線の誘導で相手に自分でも知らない内に隙を作らせ、そこを突くというのが泱硫堕(が最も
得意とする戦法だ。これが『春眠暁を覚えず』の拡大解釈なのだが、それには相手との会話無き対話が必要不可欠
なのだ。
だが、かれんは最初はあれこれと考えつつ攻撃を繰り出してきたのだが、今は面倒臭くなったのか、とりあえず
力を込めてぶん殴るというスタイルに移行している。
それは泱硫堕(の戦術が破綻する行為であり、泱硫堕(の最も苦手とする相手であった。
かれん「調子出てきたわ!さぁ、次行くわよ!」
少しずつだが流れがかれんに傾いていく。更にここにきて封界(の鏃(の効果が地味に効いてくる。
泱硫堕(「貴様ッ!あまり調子に乗るなよ!」
※当のかれんはランナーズハイの様な状態になっているだけなのだが……
#2
泱硫堕(「このクソ女(!」
かれん「ぐっ!?」
ドガッ
何度目かになるか分からないかれんの考えなしの特攻を怒りを込めて蹴り飛ばす泱硫堕(。
泱硫堕(「遊びは終わりだ!」
ずおおおっ
剣を天高く掲げると、空間が歪み、闇が集う。
かなり「あらら、これはちょっと危険かもね……本気で殺しに来るわよ……」
桜「どうしてそんな状態でもあなたは動じないんでしょうか?」
※いや、お前も大概だけどな
泱硫堕(「死ね!驀惷剿(!」
白拍子かんな「龍咬舞刃(!」
ガドオンッ
泱硫堕(「な、何ぃ!?」
泱硫堕(が凝縮した闇を剣閃として飛ばすや否や、かんなは滑り込むように飛び込むと同時に上空目掛けて応龍(に
変幻する光の龍を放つ。
すると、闇の剣閃と光の龍が激突し、そのまま白と黒の螺旋を描くように上空へと立ち上っていく。
泱硫堕(「なるほど、次は貴様が相手と言うわけか、面白い!」
かなり「そんなわけないでしょ」
ザンッ
泱硫堕(「ぐっ!?」
かれんと入れ替わるように前線に立つかんなをターゲットに泱硫堕(が剣を振ろうとした直後、背後よりかなりに
斬りつけられる。
泱硫堕(「貴様ッ!」
気が付いたら攻撃を食らっている。それは泱硫堕(の十八番であり、それが自分に跳ね返ってきたことで泱硫堕(は
怒りを露にする。
かなり「ここから先は三人でお相手するわ」
ビシっと大鎌の形状に変化させた真殺影刃を突き付けてかなりが叫ぶ
それに対して、ちょっと待って、少しは休憩させてほしいんですけど……とかれんが喚きだすが当然無視だ。
かなり「お望みとあらば四人で相手してあげてもよくってよ?」
総介「勝手に頭数に入れないでほしいのだが……」
かなり「いやぁねぇ、軽いマンハッタンジョークよ」
※それはジョークの種類じゃなく曲名ですから、残念!バビロンの黄金伝説斬り!
泱硫堕(「なめるなぁッ!」
ザッガンッ
かんな「そちらこそ、あまりこちらを舐めないでください」
怒りに任せて剣を振るう泱硫堕(の刃を神滅超越者(で受け止めつつ、かんなが呟く
泱硫堕((コイツ……俺の太刀筋をいとも容易く?!)
かんなを……『位』の破壊神をなめてはいけない!
続
前の話へ
戻る
次の話へ