Eighter -Scarlet Nocturne-
56ther 〜沈黙の魔術師(シレントワイザード)眠る A〜



#0
 ヴァルカナ争奪戦を終わらせる。
 そのために《ザ・テンペスト》を打ち砕き、大神の降真靈(こうしんりょう)を止め、ノース光輪結社を撤退させた。
 しかし、これで全てが終わりではない。
 まだヴァルカナ争奪戦をかき乱すU(セカンド)シレントワイザードという難関が待ち構えているのだ。

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
 ヴァルカナ争奪戦を終わらせる。そう宣言した総介の言葉通り、ヴァルカナ争奪戦に関わる組織を既に3つも打
ち砕いてきた。
 そして、残るはU(セカンド)シレントワイザードのみ。
(かみ)総介「では、最後の仕上げに移るとするか」
梓與鷹(よたか)「それはいいとして、U(セカンド)シレントワイザードの拠点がどこにあるのか知っているのか?」
 まぁ、最悪かんなにちょちょいと任せればいいのだが……
山咲(やまざき)桜「はい。そのためにはエスティリオの協力が不可欠」
総介「と、言うわけだ、連れて来い!」
與鷹(よたか)「あ〜……」
 いつの間にかEighter本部の地下に住み込んでなにやら怪しい実験を繰り返しているエスティリオならば、確か
にU(セカンド)シレントワイザードの拠点を知っているかもしれない。
 ……正確にはU(セカンド)シレントワイザードの首魁、GB夫人(ミセスグレートバシャール)のことを知っている。

エスティリオ・アリーフ・ザンスパイン「ななな、なんであるか〜!?」
 ズルズルと引きずられてやってくるエスティリオ
ファルゼシア「マスターはこれから私とめくるめくる愛の読書タイムなのです」
総介「それは後で好きなだけやれ」
エスティリオ「いやいや、愛の読書タイムってなんであるか?」
ファルゼシア「それはもうマスターが私を……ふふふ……」
 なぜかうっとりするファルゼシアを放置して一行は話を続ける。
與鷹(よたか)「まぁ、それはさておき、俺たちはU(セカンド)シレントワイザードの拠点に乗り込みたい」
総介「案内しろ!」
エスティリオ「ほ、本気であるか!?」
総介「本気だ。U(セカンド)シレントワイザードを叩き潰してこそ、このバカげた騒動は集結する!」
 総介の覚悟を見て、思わず一歩怯むエスティリオ
エスティリオ「ちなみに、断ったら?」
総介「フッ……」
 総介の妙な凄みと敢えての無言。そこにエスティリオは命の危険を察知した。
 そして、エスティリオは折れた。

#2
 千葉県某所、悪夢(ゆめ)の国
エスティリオ「ここが、U(セカンド)シレントワイザードの拠点である!」
ヴィルヘル・奈美「当家に何の御用でしょう……おや?」
 なぜかモップで外の掃除をしているヴィルヘル・奈美がそこにいた。普通は竹箒じゃないのか?って突っ込みを
入れたくなる與鷹(よたか)であった。
奈美「殴り込みですか?いい度胸ですね?」
エスティリオ「い、いや誤解なのである。ワガハイは脅されて仕方なく……」
奈美「ならば、始めましょう、戦争を!」
 バッ
 奈美が宣言すると、屋敷から4人が飛び出してくる。
 赤いマフラーを纏った星露(シンルー)・ユピテルメア、『破』って漢字をもじった仮面を付けているバーベラエ、ユニコー
ンみたいなツノが生えた仮面を付けている天音(あまね)シア、そして乾藤葦嵩(いぬいとう・あしたか)
奈美「ここ、悪夢(ゆめ)の国はGB夫人(ミセスグレートバシャール)のためにある楽園。その楽園を踏みにじるものは誰一人として許しません!」
 もはや是非もなし。
乾藤葦嵩(いぬいとう・あしたか)(てい)飛刃抜剣掌(ひじんばっけんしょう)!」
旧透水(ジウ・トウシュイ)鶺鴒眼(ワグテイル・アイズ)!」
 先手を取るのは葦嵩(あしたか)祟るの黒き拳(ブラック・カーズ・ナックル)。しかし、透水(トウシュイ)覇道色の闘気(アドバンス・オブ・オーラ)で応戦。
 それを皮切りに両陣営激突。
 シアには出音(でおん)。薙刀とガルシテラヴが火花を散らす。
 バーベラエには御御脚(ユウ・ユウジャオ)。振り下ろされる小太刀は甲蟲と炎雷(ヒート・メタル)……全身を鋼のように硬化することで受け止める。
 與鷹(よたか)が奈美を抑えようとするが、その前に姜馬(きょうま)が冥爪甲モナチェロを手に飛び掛かる。
與鷹(よたか)(あっ、おい……)
総介(フッ、奈美のことは姜馬(きょうま)に任せておけばいい)
與鷹(よたか)(お、おう……)
 奈美と姜馬(きょうま)との間にな並みならぬ縁がある……いや、因縁があると言っても過言ではない。だからこそ、姜馬(きょうま)は
奈美との死合を選んだのだ。
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「おっしゃ〜!双虎拳と双狼拳のタッグを見せてやろうぜぇ!」
與鷹(よたか)「……」
 と、言うわけで與鷹(よたか)梶太郎(かぢだろう)は残された星露(シンルー)に立ち向かう。相変わらず星露(シンルー)は巨大な手裏剣のような武器、ラ○
デ(もどき)で襲い掛かってくる。


続

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