Eighter -Scarlet Nocturne-
29ther 〜半影傑と対魔撃滅 A〜



#0
 U(セカンド)シレントワイザード、復讐を開始する。
 まずはGB(グレートバシャール)殺害に加担した者、傍観した者の抹殺。
 そして、奴らの墓標として富士青木ヶ原樹海が選ばれた。

#1
 バーベラエがいる場所から少し離れた場所で星露(シンルー)・ユピテルメアが待ち構えていると、そこへノイエDA第五分隊
を率いて惹閃(じゃくせん)がやってくる。
星露(シンルー)・ユピテルメア「来たわね!」
灰漸(はいぜん)栖嶺(すれい)「な、なんだコイツ!?」
 赤いマフラーを纏ったクノイチみたいなコスプレの女が待ち構えていたことに唖然とする一行。
星露(シンルー)「師匠の命だ!GB(グレートバシャール)様殺害に加担した者、傍観した者……おまえを殺す!」
灰漸(はいぜん)(何を言っているんだ?)
 そして、アレフと同様に灰漸(はいぜん)もまたGB(グレートバシャール)殺害はエスティリオの手によるものと思い込んでいる。
栖嶺(すれい)「ここは我らにお任せを……」
惹閃(じゃくせん)「……い、いや……お前たちは……さ、下がっていろ」
 ノイエDA第五分隊が惹閃(じゃくせん)の代わりに戦闘を行おうとしたが、しかし惹閃(じゃくせん)はそれを制止する。
惹閃(じゃくせん)「……イ、イェーキュブ」
 バリバリバリッ
 召喚呪術で雷のような槍を作り出すと、一気に間合いを詰める
星露(シンルー)(なっ、速い?!)
 そして、スピードに特化した惹閃(じゃくせん)星露(シンルー)の予想を超えるスピードであった。
 ズダンッ
星露(シンルー)「アイエェエエエ!?」
 横薙ぎ一閃。雷の刃をマトモに食らった星露(シンルー)はそのまま面白い様に吹き飛ばされる。
※ってか悲鳴……
灰漸(はいぜん)栖嶺(すれい)「流石!瞬殺ですね!」
惹閃(じゃくせん)「……い、や……」
 楽勝ですねと褒めたたえられるが、ふるふると首を左右に振る惹閃(じゃくせん)。
 確かに直撃したはずだった。だが、それにしては手ごたえが変だった。
惹閃(じゃくせん)「はっ……そこ……かッ!」
 直後、背後に気配を感じて振り向くと同時に雷の槍を叩き込む惹閃(じゃくせん)星露(シンルー)「いいや、後ろだ!」
 しかし星露(シンルー)は更にその背後をとる。
惹閃(じゃくせん)(空蝉……?)
 いや、空蝉ってそんな術でしたっけ?
惹閃(じゃくせん)「なん……でも、いい……」
 確かにGB(グレートバシャール)殺害を傍観していたという負い目はあるが、しかし、だからと言ってここで殺されるわけにもいかない
 惹閃(じゃくせん)にとってシレントワイザードとは既に過去の産物。今の彼は大神の降真靈(こうしんりょう)の高僧なのだから。

#2
星露(シンルー)「お前の力は見せてもらった。今度は私の番だ」
惹閃(じゃくせん)「ほざ……け……死ぬ……のはお前……」
 惹閃(じゃくせん)はまだ召喚呪術の全てを見せているわけでもなく、全速力を見せているわけでもない。
 トップスピードになるまでは暫く時間を要するのだ。
惹閃(じゃくせん)野に咲く雷鳴(ブリッツ・ビルトブルーネ)!」
 ビシャインッ
星露(シンルー)「雷など、避雷針があれば恐るるに足らず!」
 迫る雷の刃を苦無を投げつけて回避。
惹閃(じゃくせん)「だったら……直接、叩き斬る……冷たい雷鳴(ブリッツ・カルト)!」
 そう宣言すると同時に一気に間合いを詰め、上段から底冷えするような雷の刃で一気に斬り下ろす。
星露(シンルー)「無駄よっ!」
 腰に帯びていた忍者刀を両逆手で抜刀し、雷の刃を挟み込む。
 バリバリッシュ!
惹閃(じゃくせん)「こ……れは!?……なんだッ!?」
 たかが忍者刀二本如きにイェーキュブの雷刃が防げるわけがない!と、惹閃(じゃくせん)は思っていたのだが、しかし、急激
に自分の魔力が消えていくのを感じ、戸惑う。
惹閃(じゃくせん)(こいつがやっている!?)
惹閃(じゃくせん)「ハッ!?」
 その時、惹閃(じゃくせん)星露(シンルー)の掌に赤と青の四角を組み合わせた八芒星にCCXIの数値が刻まれているのを見る。
惹閃(じゃくせん)「貴様……は、デミカナ……リアクター?!」
一同「な、なんだと!?」
 これには死合を傍観してたノイエDAも驚きを隠せない
灰漸(はいぜん)「ま、まさか……百万朱版の転生小聖印(ヴァーミリオン・トランスマイグレーション)で自身の召喚呪術の力を増幅しているとでも!?」
栖嶺(すれい)「なっ、そんなことが可能なのか!?」
灰漸(はいぜん)「い、いや、そんなことができるのかは知らんけど……」
栖嶺(すれい)「……」
 呆れ顔の栖嶺(すれい)であった。
星露(シンルー)「ああ、私は召喚呪術は使えないわ……」
灰漸(はいぜん)「えぇ!?シレントワイザードの魔術師なのに!?」
 思わず突っ込みを入れる灰漸(はいぜん)
惹閃(じゃくせん)「いや、奴は一言も自分は魔術師とは名乗っていない」
栖嶺(すれい)「たっ、確かに……」
 シレントワイザードからの緊急呼び出しであったからこそ、そこに待ち構えているのはシレントワイザードの魔
術師だと思い込んでいたが、それが間違いであった。
※いや、だとしてもそれが勝敗を決するとは思えないけど

前の話へ  戻る  次の話へ