Eighter -Scarlet Nocturne-
3rder 〜剥がれし鍍金(メッキ)野郎 A〜



#0
 大人(ターレン)玩具堂……それは中華マフィア、有嗎幇(ユーマハン)と深く繋がりのある店であった。
 そんな店から三体のブリキ人形が盗まれ、そして、帰ってきたのだが、しかし、有嗎幇(ユーマハン)が求めるものはそこには
無かった。
 これは、一体どういうことなのか!?

#1
代昴呉(ダイ・マオウー)「貴様ッ!」
 ギロリと覇図流(ぱずる)を睨む代。中華マフィアは伊達ではない。その眼光に微動だに出来なくなる覇図流(ぱずる)
猫耳萌(マオ・アルメン)「待て!」
昴呉(マオウー)「しカし……」
耳萌(アルメン)「中ニあるモノについて伝えていナいのもまた事実」
美朶上(メイ・ドウシャン)「……盗ンだ奴はソレを知っていたと!?」
耳萌(アルメン)「だろウな……」
辜木覇図流(つみき・ぱずる)「あの、さっきから一体何を……」
耳萌(アルメン)「知リたいのか?」
覇図流(ぱずる)「あ、はい」
 委縮しつつも、好奇心には逆らえない
耳萌(アルメン)「やれやれ、好奇心ハネコミミ少女をベッドの上デ壊す……ト言う」
※言いません!ってか、あなた、本当は『猫耳萌(アルメン)え』なのでは?
耳萌(アルメン)「余計ナことに首を突っ込むト、死ヌぞ?」
覇図流(ぱずる)「ヒッ」
 それだけ釘を刺すと有嗎幇(ユーマハン)の連中は大人(ターレン)玩具堂を後にするのであった。

 弧堵茶庵(こどちゃあん)
偉木苔士(えれき・こけし)「いらっしゃ……あっ、あんたはッ!?」
 やっぱり、この人、中華マフィア、有嗎幇(ユーマハン)を知っているのか?
 それはさておき……
昴呉(マオウー)「コイツに見覚エはないか?」
 大人(ターレン)玩具堂からゲキ・ガンガー人形を盗んでいった人物の写真を突き付けて問い詰める
苔士(こけし)「あ〜、ウチでゲキ・ガンガー人形を売っていった奴だな……」
 ならば、そいつについて知っていることを洗いざらい話せ、さもなくば殺すと言わんばかりの無言の圧力にさし
もの苔士(こけし)も黙るという選択肢は取れなかった。
 奴の名は石黒幸平。15歳の時、盗んだバイクを転売ヤーして味を占めて数々のものを盗んでは転売して過ごして
きた。
朶上(ドウシャン)「トンでもナいクズだな……」
 だが、有嗎幇(ユーマハン)に手を出したことはあの世で後悔してもらわなければ困る。
 早速石黒幸平に死の鉄槌を下すべく美と代の二人は彼が暮らすアパートへと足を運ぶのであった。
 そして、Eighter一行もまた、動き出す。
(かみ)総介「どうやら本当に盗まれてはいけないものは別にあったってことか……」
山咲(やまざき)桜「そのようですね」

#2
 ちなみに、荒事が起こるだろうということを予測して、総介は梶太郎(かぢだろう)を召喚。
※いや、召喚って梶太郎(かぢだろう)は総介が使役する召喚獣じゃないでしょうが……
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「おい、ちょっと待て」
 石黒幸平が住まうアパートの近くへやってきたとき、梶太郎(かぢだろう)が突如声を荒げる
梓與鷹(よたか)「おいおい、どうしたんだよ!?」
 まさか思い出したかのようにここで死ね與鷹(よたか)!とか言い出して襲ってくるんじゃないだろうな?と一抹の不安を
抱えて與鷹(よたか)は身構えるのだが、梶太郎(かぢだろう)與鷹(よたか)を見ていない。
與鷹(よたか)「ん?」
 不思議に思って梶太郎(かぢだろう)の視線を追ってみると、そこには二人の漢の姿があった。
梶太郎(かぢだろう)「あっ、あいつら、間違いねぇ……」
與鷹(よたか)「な、なんだ、知り合いなのか!?」
梶太郎(かぢだろう)「間違いねぇ、奴らはッ!」
 そう、その二人とは、かつてEighterに場違いな影の遺物(シルエット・オーパーツ)を持ち込もうとした依頼人(クライアント)を追っていた二人だった。
與鷹(よたか)「何だって?!」
総介「フッ、どうやらこの件、場違いな影の遺物(シルエット・オーパーツ)が関わっているようだな……」
桜「でしたらなおさらのこと、退けなくなりましたね」

梶太郎(かぢだろう)「おい、てめぇら」
 後先考えずに梶太郎(かぢだろう)が動く。與鷹(よたか)が止める暇など当然ありようもなかった。
與鷹(よたか)「あ、おい……」
*「なっ、てめぇはあの時の!?」
梶太郎(かぢだろう)「ヘッ!ここで遭ったが百年目ってやつだ」
*「いいだろう、この前は不覚をとったが、今日はそうはいかんぞ!」
與鷹(よたか)(いや、今はこんなことをやっている場合じゃないんだが……)
*「我らの恐ろしさ、見せてやるわ!」
*「後悔してあの世へ行けぃ!」
 そうして二人は握り拳を、その掌を見せつける。
 そこにはそれぞれ赤と青の四角を組み合わせた八芒星にCI、CIIの数値が刻まれていた
與鷹(よたか)(なんだ?あの入れ墨みたいなものは……なんか意味があんのか!?)
 などと與鷹(よたか)が考えているうちに、一足飛びにかかる二人。
與鷹(よたか)(なっ、速い?!)
梶太郎(かぢだろう)「ハッ!蒼虎薙(そうこてい)!」
 ズギャアアッ
*「ごっ!?」
*「ぐっ?!」
 しかし、薙ぎ払うような拳打を撃ち込み迫る二人を吹き飛ばす梶太郎(かぢだろう)梶太郎(かぢだろう)「ヘッ、てめぇらの力はこんなモンか!?」
*「その力……やはり、幽闘術か?!」
*「貴様も、ヴァルカナリアクター?!」
梶太郎(かぢだろう)「はぁ!?なんだそりゃ!?」
 ワケがわからないよと言った感じの梶太郎(かぢだろう)であった。
※いやみんなそうだよ

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