Eighter -Practical Era-
48ther 〜戦うことは運命だ B〜



#3
 サザンオルステラから武者修行のためにやって来たのはミセスリコルデの弟子、イルルとライラ
 かくて、天四斗(あまよと)工業きっての武闘派、夏と南とバトルへ発展、死合は白熱する!
楠木南「結蜻蛉(むすびとんぼ)矯角(きょうかく)!」
イルル・ファルカタ「ブラッドイブニング!」
 ズドオンッ
 ブラッドアフタヌーンと似ているが、捻りを加えて刺突と突撃を繰り出すイルル。
 南はその(きっさき)の一点目掛けて天神明写しを突き出す。
南「おおお!」
イルル「あああ!」
 ちょっとでも均衡が崩れれば大変なことになるのは必至な突撃だ。
テ金括(しんかね・くくる)「す、すげぇ……姉さん!」
テ金(しんかね)心「え?何?」
 なぜか心は教科書を見ながらノートを広げて勉強をしていた。
(くくる)「って、何してんの、姉さん?」
心「何って勉強だけど?」
(くくる)「いや、そういうことじゃなくて……」
 解説はどうした……
心「もうじきテストも近いからな、今のうちに勉強しておかないと……」
(くくる)「いや、解説は?!」
 その前にテストって?って聞くと、抜き打ち小テストが来る予感がするんだ!とか言い出す心。
(くくる)「いや、そんなのいいから解説してよ!」
心「教科書の42ページ……」
(くくる)「いや、確かになんか解説書いてあるけどそううことじゃないし!」
心「そうだ!折角だから(くくる)の勉強も見てあげよう。教科書とノートを出すんだ」
(くくる)「持ってきてねぇよ!」
 なら今すぐ持ってくるんだ……いや、一緒に取りに行こうとか言い出し(くくる)の手を取る心であった。
一同(あの二人、もはや解説でも何でもないな……)
 もういっそのこと好きにさせよう……と思った一行であった。

南「やるじゃない!」
イルル「そっちこそ、流石、師匠が闘い、認めただけのことはある!」
 だから、何度も言うが、ミセスリコルデと夏、南は死合ったことがねぇよ!
イルル「でも、だからといって負けるわけにはいかない!」
南「私だって、楠木家の名にかけて、負けるわけにはいかないわ!」
 双方、叫ぶと共に一旦距離を置く。
 イルルは日本刀でいうところのハバキの部分を左手だけで握りしめ、右手で握っていた柄をグっと後ろへ引く
 するとどうだろう、ガシャっと柄がスライドし、何ならはめ込めそうな隙間が出来上がる。
 その後、イルルはポケットの中からオキシ〇イド乾電池を取り出すと柄の隙間にはめ込んでいく。
※あれ?こんな仕草、昔、コミックボ〇ボンの連載漫画で見たことある……
イルル「ブラッドミッドナイト!」
 ズドンッバリバリバリバリッ
 両手でエックス仮バー君を最上段に構えて一気に振り下ろす。
 するとどうだろう。電撃を帯びた斬撃が南に飛んでいくではないか。明らかにオキ〇ライド乾電池で発生できる
電力ではない。
南「結蜻蛉(むすびとんぼ)星薙(せいてい)」
 ぶおんっ!
 天神明写しを大きく振りかぶってそのまま真横へ一文字に薙ぎ払う南。

#4
 一方、夏とライラはというと……
榎木(えのき)夏「幻晶銀冽(げんしょうぎんれつ)!」
ライラ・ケペシュ「クイーンオブハート!」
 夏の上段からの斬撃を左の片手剣でガードし、右の片手剣でカウンターを繰り出すライラ。
 だが、最初の斬撃は残像であり、ガード虚しく……しかし、本命の逆手からの切り上げはライラの右の片手剣で
止められる。
夏「むむ、やるわね……」
ライラ「ふふん、私には同じ手は二度も通用しないことが多いんだから!」
一同「……」
 それ、たまには同じ手が二度以上通用するの?と思ってしまう一行であった。
ライラ「その技、なんとなくわかったわ……だから、次は私にはきっと通用しない!」
一同(いや、そこは推定じゃなく、断定してあげて!)
 心の中で盛大に突っ込む一行
ライラ「リッパータイフーン!」
夏「ならば、私も……武刃霆影(ぶじんていえい)!」
 どぎゅるるるるるっ
 夏もライラと同じように回転しながら斬撃を繰り出す。
 奇しくも回転連続斬 VS 回転連続斬。それはさながら喧嘩独楽のようであった。
ライラ「やるじゃない!」
夏「そっちこそ!」
 そんな中、ライラはイルルがエックス仮バー君の柄を引き延ばして電池を入れているところを目の当たりにする
ライラ(こっちもそろそろ、最終局面にいこうかしら……)
 ガキンッガキンッ
 マジで人間喧嘩独楽……そんな激突を何度か繰り返したのち、両雄は一旦距離を置く。
ライラ「そろそろ私も全力で行くわ!」
夏「今まで全力じゃなかったってワケ?」
 だったら見せてもらいましょうか!と挑発する夏。
 そんな夏の挑発に乗らないライラ。両手の片手剣、逆手のまま一旦くるっと柄を180°回転させ、その柄尻を親
指で押し上げる。すると柄の半分が180°回転、エックス仮バー君と同じように何かはめ込めそうな隙間が登場す
る。
 再び逆手のままもう一回180°反転させ、イルルと同じ様にポケットの中からオ〇シライド乾電池を取り出し、
はめ込んでいく。
ライラ「イビルエッジジョーカー!」
 ザムッバリバリバリバリバリッ
 両手をクロスさせX字に斬撃を放つ。
 こちらも電撃を帯びた斬撃が夏に飛ぶ。やっぱりオキシラ〇ド乾電池で起こせる電力ではない……
夏「夏殷流刀鞘術(かいんりゅうとうしょうじゅつ)……愁鼎曦寂(しゅうていきじゃく)!」
 一瞬三斬!*字の斬撃がライラに迫る。
 果たして、南VSイルル、夏VSライラ……この死合、どう決着する!?


続

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