Eighter -Practical Era-
9ther 〜誘拐融解言うかい A〜
#0
誘拐、それは犯罪のフロンティア(違ッ)
誘拐事件なんてそう頻繁に起こるものではないのだが……しかし、この天四斗(にて静かに誘拐事件は勃発してい
たのだった……
#1
天四斗(工業、3-J
授業も終わった後のHRにて……
品辛斬子(「最近女子生徒を狙った誘拐事件が起きているので、部活の無い連中は速やかに帰ること」
生徒「誘拐事件ですか?」
斬子(「特に帰宅部を称する連中はつべこべ言わずに帰りなさいね……」
それだけ告げると斬子(はさっさと職員室へと戻って行く
椿木(春「女子生徒を狙った連続誘拐ですって……?」
生徒「一昨日も天四斗(第一高校の生徒が攫われたって話、聞いた……」
楸木(秋「むむ、それは春夏秋冬としては見逃せない出来事ね!」
杭木亢(「やめとめやめとけ、逆に捕まって強姦(されるのがオチだ」
柊木(冬「ああ?何ですって?」
楯木(盾「や、流石に今のは言い過ぎな……」
亢(「おいおい、おれは正論を言ったまでだぞ……犯人は何の為に誘拐なんてするのか考えてみろ……仮に金目当て
ならそこの成金でも誘拐するに決まってる」
と、そこで一行の視線が成金こと成小路金厭(に刺さる
成小路金厭(「フッ、何かな君たち……私は今かんなをオとす策を考えるのに忙しいんだ……」
サラっといつものように言ってのける成金。
その言葉が南の耳に入ったらまた駆逐されると思うんだが、彼も彼で懲りない性格だな……
榎木(夏(……ひょっとして誘拐事件の犯人って成金なんじゃない?)
春(え?どういう?)
夏の唐突な発言に春夏秋冬は驚きを隠せない。
いや、誰だってそうだと思うけど……
夏(かんなをオとすために近場の女性を誘拐して練習してるとか……)
秋(……)
再び一行の視線が成金へ突き刺さる
金厭(「……どうすればかんなをオとすことができるのか……」
ブツブツと何なら唱えている成金。いかにもアヤしい感じである
春「怪しい……」
夏「ってか、普通に危険人物……」
と、言うわけで春夏秋冬の一行は成金を尾行し、彼が誘拐犯かどうかを確かめるのであった……
天四斗(、郊外、成金の屋敷
秋「あれ?普通に帰宅……」
冬「いや、まだ分からないわよ……」
※いや、もうここまできたら帰宅しかないでしょうに……まぁ、一旦帰宅して出かけるってこともあるけど
春「あ、見て、アレ!」
夏「え?」
成金の屋敷の玄関先……そこには名もなきメイドの一人が腕組みして凛ッと突っ立っていた。
そして、彼女は何やら紙袋を持っていた
その袋の中には一体何が入っているのか?
#2
金厭(「例のものは用意できているか?」
メイド「勿論」
金厭(「よし、では、早速いつもの通りはじめてくれ」
成金が呟くとメイドは袋の中に手を突っ込む。
春、夏、秋、冬「あ、あれはッ!?」
果たして……中から出てきたものはどピンクの鬘(であった
春「カツラ?」
夏「カツラだね……」
秋「うん、カツラ」
冬「でもなんでまた?」
春夏秋冬が疑問を浮かべているとメイドはそのカツラを被る、と同時にズバっとメイド服を片手で脱ぎ散らす
公衆の面々でストリップショーでも始める気かと思いきや、違う、メイド服を脱いだかと思った次の瞬間、彼女
は天四斗(工業の制服に早着替えしていた。
と、いうか、ピンクの鬘(に天四斗(工業の制服を着ている時点てそれはまぁ、なんというか、かんなを模している
んだろうなぁ……とそんな感じであった
※かんなの髪の色はピンク。これはテストに出るよ(どんなテストだよ!)
金厭(「かんな……」
メイド「気安く呼ばないでください、このヘンタイ」
金厭(「ぐっ……し、白拍子さん……僕は君を愛している」
メイド「キモい」
金厭(「……君の為ならなんだって出来る」
メイド「じゃ、死んでください」
金厭(「し、死ぬときはベッドの上で……」
メイド「死ねッ」
そして、その変え声と共に名もなきメイドの鉄拳が成金を吹き飛ばす
春、夏、秋、冬「……」
なんというか、謎の寸劇であった……
夏「……成金ってもしかしてこんな風にかんなを口説く練習をしてる……の?」
春「……練習……になるのかなぁ?あれ?」
少なくともかんなはあの名もなきメイドのようにスッパリと断ったりはしないと思う
冬「いや〜、金持ちのすることは分からないね……」
なんだかどっと虚しさが満ちあふれ、春夏秋冬は帰宅を決意するのであった
春「……あれ?秋は?」
冬「え?」
ガックリしながら1km(に満たない帰路に付いた丁度その時、秋が居ないことに気がつく
※1km(に満たない帰路ってダジャレかよ!
春「あ、あれ……」
冬「なっ?」
春が指差すその先……秋が車に押しこまれるところを目撃する
夏「ちょっとアンタ、何やってんのよ!」
すかさず夏が殴りこみにかかる
*「チッ、仲間か……」
先生!と秋を車に押しこめていた男性が叫ぶと車の補助席のドアが開きサングラスを駆けたコートの男性が現れ
る
*「やれやれ……このような場所でコトを行うからこのようなことになる」
*「五月蠅い、とにかく、奴らを黙らせろ」
夏「ふふん、黙るのはアナタの方よ」
ガッ
夏の拳……をバシっと左手で受け止める先生
夏「こいつ、出来る……!」
果たして、夏はこの不審者を退けることが出来るのか?
続
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