#3
東京都で起きた殺人傷害事件……被害者の女性は意識不明だったが、無事、回復し、現場から逃げ出した漢も
発見され……いよいよ捜査は本格的に進む……かと思いきや、そんな折、アノ漢が登場する！
ビィ〜〜〜〜ッ！ビィ〜〜〜〜ッ！！
未だ警報は鳴りやまず……いや、それどころか廊下にも響き渡る
上（かみ）総介「……何だ？この音は……」
警官一同「かっかっかっかっか……上（かみ）警部ぅう！！！？」
そして、総介登場！
総介「……ふむ、恐喝犯に殺人犯も揃っているか……ならば、話は早いな……」
中川邦武（ほうむ）「……あの……上（かみ）警部！？」
そして、突然の発言に一同もビックリ仰天。
一瞬何を言われたのか理解できなかった……いや、未だ理解できていない……
総介「……そもそも、現場に小杉氏がなぜいたのか……三森氏の彼氏でもない彼が何故……」
警官「は……はぁ……」
そう言われると……確かに、何故なんだろう……と考えだす無能警官。
総介「三森氏との別れ話の仲介役と考えれば辻褄が合う」
三森寄乃「……私（あたち）と彼（かえ）とはラブラブなの（らのよさ）」
大野共郎「ああ。別れ話だって！？……警部さん……アンタ何を！？」
しかし、それを否定する寄乃。更に、共郎も叫ぶ。
邦武（ほうむ）「すみません、上（かみ）警部は……ちょっと……その……」
すかさずフォローに走る中川警部だが……しかし、総介は更に叫ぶ
総介「……いい加減踊らされるのもイヤなんだろ……？」
共郎「……」
なっ！？……と驚愕の表情のまま棒立ちになる共郎
総介「フン……」
警官「……あの……上（かみ）警部！？」
山咲（やまざき）桜「……稚拙な言動と遅いしぐさ……それも緻密な計画の上での行動……惑わされてはいけません」
警官一同「……は！？」
桜もフォローしてみるのだが……しかし、寄乃は困惑した顔で目を潤ませながら呟く
寄乃「どうし（ち）て私（あたち）を苛める（ゆ）の！？」
総介「……拉致する形で彼の恥ずかしい過去をもとに付き合うことを強要した……」
共郎「……」
総介「そして、その恥ずかしい過去をいくつものメディアに記録し、色々なところに保管していた……全ての
　メディアを廃棄したと思ったが……女の計画の方が1枚も2枚も上だった……マスターはまだ残っている！」
寄乃「私（あたち）そんな難し（ち）い話分かんな（ら）い……」
共郎「……なっ！？……なんだと！？馬鹿な……データは全て廃棄したと思ったのに！！クソッ！！
　……どこに……どこにあるんだ！！そのマスターデータは！？……」
と、その時、堰を切ったかのように叫びだす共郎
一同「はい！？」
共郎の態度の豹変ぶりに警官一同も思わず驚きの声を上げる

#4
総介「心配いらん。今、かんな……いや、運の女神が処理に当たっている」
共郎「ほ、本当か！？……じゃ……じゃあ……これで……本当に俺は……この女から……解放され
　るんだな！？」
桜「ええ」
感激し、安堵の表情を見せる共郎
邦武（ほうむ）「上（かみ）警部……」
……しかし、そんな安息も長くは続かなかった……
総介「だが、小杉を殺したお前は裁かれなくてはならん……彼女に飼い殺されるか、投獄されるか……
　どっちみち当分自由はない……」
共郎「……ぐっ……」
と、そんなとき……
寄乃「……ずりぃ〜〜、運の女神を味方につけるなんて……あ〜〜、ずるい。あ〜〜ずるい……」
突如態度を豹変させる寄乃
警官「え！？……」
寄乃が、その本性を表した瞬間だった……
寄乃「え〜〜、そうよッ！全て私が計画し、彼を絶対、一生涯モノにするために立てた計画なのよッ！でもね
　……人に言えないような恥ずかしい過去を持っている時点で負けなのよ！この漢はッ！！」
警官「……黒ッ！！」
総介「フン、お前だって人にはいえないような恥ずかしい過去があるのだろう！？……むしろそんな過去の
　ない人間など居ない！」
警官「……あの、上（かみ）警部……ときに……なぜ小杉は……殺す必要が……？」
共郎「……アイツは……馬鹿な漢だった……」
素朴な疑問にぽつりと語る共郎
総介「……純粋……いや、愚直だった彼は……執拗に別れようと言っていた大野より、大野を騙していた
　三森の話術に騙され、三森のナイトになったんだ……」
共郎「ああ……だから……俺が騙された彼を……断腸の思いで殺したんだ！！」
警官「所謂『泣いて馬刺しを喰う』ってヤツですね」
邦武（ほうむ）「いやいや、『鳴いて風牌（ファンパイ）を切る』だ！」
総介「……お前ら……ふざけているつもりなら警察をやめろ！」
一同「！！！？」
総介の眼の前でバカやっていてはいけない。
※もしかしたら本気で間違っていたのかもしれませんが……

#5
総介「さて、続きは署で行う……連れて行け！！」
警官一同「はっ……」
そして、遅、緻、稚、致、恥……5つの『チ』情の縺れによる事件は終幕し……

総介「おい、そこのお前……そんなくっだらんモンを作っている場合か！？……お前は今すぐ警察をやめろ」
警官「うひぃっ！？」
……ものの見事に総介探知機のことはバレていたのであった……


END