Eighter -Noble Gathering-
1ster 〜失われし力と記憶 D〜



#7
かんなを妾にすると言いだす逕庭神アザーゴッド過初叨素ヨグ=ソトース……その神氣しんきに圧され、身動きが取れない一行……かくて、
絶体絶命のただ中、かんなに新たなる力が宿る!?
過初叨素ヨグ=ソトース「う……おおおおお!!!」
白拍子かんな「はっ!」
ドガガガガガガガガガガガッ
しのぎを削る鍔迫り合いが続く中、與鷹よたかはあることに気が付く
梓與鷹よたか「……こうしてみると……今、かんなに力を貸している存在が美を求める者だってのも納得できる
 よなぁ……」
華麗なる動きで刀を振るうかんなの姿……そんなかんなは惚れ惚れするほど美しい……
百鬼あろえ「ってか……記憶を取り戻すのはどうなるのよ!」
與鷹よたか「む……むぅ……確かに……それはそうなんだが……」
かんな「はっ」
ドンッ
弾き飛ばされる過初叨素ヨグ=ソトース
過初叨素ヨグ=ソトース「小癪な……」
過初叨素ヨグ=ソトース(大業物の弱点は……懐に飛び込まれること……だが……あいつにはそんな隙はない……)
確かに、神滅超越者ラグナロクエクセルは通常兵器とは違っての刃を持つ刀……故に、重量がなく、
懐に飛び込んでも小回りが利くので返り討ちにあう……
過初叨素ヨグ=ソトース「仕方あるまい……」
ザッ
一気に身を引く過初叨素ヨグ=ソトースちまちまと死合っていては埒が明かないと判断しての行動である。
かんな「……そろそろ……終わりにしましょう……」
ジャキッ
かんなも神滅超越者ラグナロクエクセルを構え直す
過初叨素ヨグ=ソトース「貴様のその心……我が打ち砕く!」
ドッ
一足飛び掛かる過初叨素ヨグ=ソトース……
かんな「甘いッ!」
しかし、過初叨素ヨグ=ソトースの太刀筋は既に見切られていた……
過初叨素ヨグ=ソトース「しまっ……」
そのままかんなの懐に無防備に入った過初叨素ヨグ=ソトース……そして……神滅超越者ラグナロクエクセル過初叨素ヨグ=ソトースに迫る……
ガギイイイイイッ
一同「な……んだ!?」
今、決着がついたかと思われたその矢先……意外な展開に一同も驚きを隠せない
かんな「む!?」
どこからともなく現れた巨大な偃月えんげつ刀のようなものが神滅超越者ラグナロクエクセルを止めていた……

#8
過初叨素ヨグ=ソトース「バ……バルザイの偃月えんげつ刀!!?」
それを……その神器の名を知っていた過初叨素ヨグ=ソトースは思わず呟く……
グニャリッ
*「そこまでに……してくれませんかね……」
そして、空間をゆがめ……過初叨素ヨグ=ソトースに寄り添うように1柱の女神が参上する……
過初叨素ヨグ=ソトース蒐葡貮繰シュブ=ニグラスか……何の用でここに来た!」
死合に水を差すとは……と過初叨素ヨグ=ソトース……だが、圧され気味だったじゃないですか……と蒐葡貮繰シュブ=ニグラスは呟く
蒐葡貮繰シュブ=ニグラス「……勿論、あなたを守るためにですよ」
かんな「フッ……」
そんな2人を見て、かんなも神滅超越者ラグナロクエクセルを納める
かんな「健気なことだな……」
ぐっ
偃月えんげつ刀を取る蒐葡貮繰シュブ=ニグラス
あろえ「……あ〜〜、あれ、どういうこと!?」
そして、事の顛末についていけない一行……
白拍子かなり「ん〜〜〜、旦那のピンチに奥さんが駆けつけた……ってところね」
あろえ「えええ!!?奥さんって……」
かなり「そ、過初叨素ヨグ=ソトースの正妻、蒐葡貮繰シュブ=ニグラス……『千匹の仔を孕みし蕭森しょうしんの黒山羊』」
あろえ「おかしいでしょ!いくらなんでも!!目の前に浮気相手がいるのに!!」
これは、普通、修羅場になるところよ!とあろえ……しかし、神には神の世界があるのです……
かなり「夫の浮気を全部許す……とっても寛大な神なのよ……」
與鷹よたか「いや……寛大って問題か!?」
とかなんとかやっていると……過初叨素ヨグ=ソトースは忌々しげに呟く
過初叨素ヨグ=ソトース「……ええい、人間の小娘!今回はここまでだ!……だがな……我はまだ諦めたわけじゃないぞ
 ……いつの日か……必ずお前を妾にする!!」
かんな「……お前に出来るか!?そんなことが……」
過初叨素ヨグ=ソトース「覚えておけ……お前は……我の妾となる女だッ!」
ヴオムッ
過初叨素ヨグ=ソトース、奥さんと共々仲良く帰還
かんな「……」
ドサリッ
そして、それを見届けたかんなは直後にその場に倒れ込む
與鷹よたか「お……おい、かんな……」
だだっ
駆けつける與鷹よたか
・
・・
・・・
かんな「ん……むぅ……リーダー……」
與鷹よたか「かんな!!?」
かんなが次に目覚めたとき……全ての記憶も取り戻していたようだった……
あろえ「かんな……記憶が!?」
かんな「……えっと……」
かれん「まぁ、そんなことはいいわ……で、かんな……あんたに宿った新しい神ってか力って……何!?」
與鷹よたか「おいおい……」
そんなこと、分かるものなのか!?と與鷹よたか……
かれん「まぁ、相手は美を追い求める存在よ……自己紹介もしないなんて、美意識に反すると思わない!?」
一同「いや……そういう問題……なのか……」
かんな「……茜瑙哭セドナ……と言っていましたよ」
と、そんな中、かんなが普通に答える
あろえ「セドナ……それって・・一時期流行った10番目の惑星の名前の……」
與鷹よたか「まっ先に思いつくのはそっちかよ!!」

#9
一行が馬鹿やっていると、かんなが突然口を開く
かんな「リーダー……」
與鷹よたか「うん!?」
かんな「それにみなさん……心配掛けてすみませんでした……私は、ただいま帰りました」
與鷹よたか「……あ、ああ……」
一同「おかえり、かんな……」
……かくて、かんなは帰還し……物語は再び始まる
……創造神・鵺帛主ヤヌスの消えた世界で……かんなは……Eighterは何を成すのか!?


END

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