Eighter -Midnight Howling-
43rder 〜顕明連(けんみょうれん)伊達違う(ダテじゃない!) A〜



#0
 スウィートプラントの背後にあるのは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)だった!それが分かった以上もたついてるわけにはいか
ない!
 刀剣男子(違ッ)を生み出すことができる場違いな白き遺物(ポジティヴ・オーパーツ)劔に次元喪衣(ソーディアン・ディムクロス)により、人の姿を絵た刀が敵とな
りて襲い来るが、一行は全てを蹴散らし場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の野望を食い止める事ができるのか!?

#1
歯付サヤ「誰も通さないって言っておきながら、結果がこれとは、使えない……」
 一行の前にやってきたのは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在、歯付サヤである。
徳川りりか「なんでこんなところに子供が?」
片倉十夜「い、いや、あいつ……子供のナリをしていますが、中身は全くの別物……」
 嫌な汗が止まらない感じの十夜。彼もまた戦の風を読み取る天才だった。故に、目の前の歯付サヤが只者ではな
いことを瞬時に悟ったのだ。
(かみ)総介「そっちから出向いてくれるとは有り難い話だ」
 探す手間が省けたというものだ……と総介。
総介「お前も森メメントと同じような末路を……」
サヤ「人間(パーツ)風情が、調子に乗るなよ!」
 総介が全てを言い終える前に怒気を孕んだ声でかき消すサヤ
サヤ「それに、今回はお前たちと遊んでいられる程暇でもないのかしら」
梓與鷹(よたか)「何?」
 そういうや否や、自分の影にズブズブと飲み込まれていくサヤ
総介「逃すとでも思うか!」
 ドカッ
 すかさず蒼王の刃(ブルーロード)を投げつける総介。しかし、少し遅かった。刃が突き刺さるよりも早く、サヤは自分の影に飲
み込まれて消えてしまう
総介「チッ」
 地面に突き刺さった蒼王の刃(ブルーロード)を回収しながら舌打ちする総介。
與鷹(よたか)(奴は一体何の目的でここに?)
 いや、そんなことよりも、戦わずに逃げたのはどういうことなのか?
伊達宗美(むねみ)「ええと、なんだか知らんが、これで全て終わったってことでいいのか?」
 緊迫した空気がふと緩んだすきに、宗美(むねみ)がそんなことを呟く。しかし、かんなは首を振りながらこう続ける。
白拍子かんな「いえ、まだです」
伊達成実(なるみ)「まだって……」
十夜「気を付けてください、何か来ます!」
 即座に何者かがやってくる気配を察知する十夜
ユピテガデム・安室・ビオブレン「……」
 そして、そこに現れたのはサヤに始末されたはずのユピテガデムだった。
與鷹(よたか)「え?あいつ、始末されたんじゃ?」
※始末されたって……いや、まぁ、断末魔が聞こえたから始末されたんだろうなぁ……って思うのは当然だろうけ
 ど……
山咲(やまざき)桜「ええ、その認識で正しいみたいですよ」
 ゆらり、ゆらりとまるで幽鬼のようにふらふら歩み寄るユピテガデム。その両手には大小の刀を握っていた。
與鷹(よたか)「既に死んでいるってことか?」
桜「はい、そして、それを場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に利用されているのかと」
ユピテガデム「オアアアアア!」
 獣のような咆哮と共に襲い掛かるユピテガデム。そして、それを迎え撃つのはかんなだ!
 迫る二つの刃を神滅超越者(ラグナロクエクセル)で受け止める

#2
天然蛍(あましか・けい)「ああ、さっき言ってた残りの二振りってあれかぁ」
 冷静に観察しつつ、(けい)が呟く。
総介「フン、どうやらそのようだな」
桜「彼がもっているのは、大通連(だいとうれん)小通連(しょうとうれん)」
 これに顕明連(けんみょうれん)を加えて三明の剣である。
(けい)「今回は刀剣男子が相手じゃないんだ、ガッカリ」
突込魁(とつこみ・かい)「なんでガッカリしてんのよ!アンタわ!」
 そもそも刀剣男子ではないッ!(多分)
ユピテガデム「おおおっ、あああああぁ!」
 雄たけびを上げつつかんなに突撃するユピテガデム。だが、その程度でかんなをどうにかできると思ったら大間
違いである。
かんな「残念ですが、あなたの刃は私には届きません」

 一方その頃、サヤはというと……歴史の墓場の一角、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)が集う場所にいた。
憂粋(うぃすい)タブレ「これじゃあ、燭台切とかの方がまだ使えたんじゃないのだ?」
 かんなと死合うユピテガデムを鑑賞しながら呟くタブレ
サヤ「確かに、それは認めようかしら」
羅叉(らさ)タブラ「そこは、認めちゃうのかもか……」
サヤ「でも、こっちには冥王の心臓があるから、大丈夫かしら?」
泥諏(でぃす)クォヴァ「確かに……だが、もう使えるらしいのか?」
タブレ「なめるなよ、オーバーホールは既に終わっているのだ」
クォヴァ「そうか」
 ちなみに、オーバーホールする羽目になったのは先日、森メメントが無茶な使い方をしてオーバーロードしてし
まったからである。
 このことを教訓に、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在は自分たちが冥王の心臓を利用するのはやめようと決意したの
であった。(そんな裏話はどうでもいい)
 さて、話を戻そう。サヤが大通連(だいとうれん)小通連(しょうとうれん)劔に次元喪衣(ソーディアン・ディムクロス)で刀剣男子(爆)にしなかったのは、道具は道具で
あるべきだという場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の矜持のため。(と、いうかそもそも、劔に次元喪衣(ソーディアン・ディムクロス)で日本刀に人の姿を取
らせたのはユピテガデムだった)
サヤ「何、今回のはちょっとした実験だよ。本気で《キツネザルの使徒》をどうにかできるなんて思ってはいない
さ」
 ただ、今のままでは面白みに欠けるから実験は次のステージに進めようかとサヤは呟く。

 そして、話は戻る。
ユピテガデム「お、おおぉおおお!あおおおお〜!」
 獣のように突進しては両手の刀で斬撃を繰り出すユピテガデム。しかし、その斬撃はかんなに届くことがない
総介「フン、これでは負け犬の遠吠えだな」
 いつまでも長引かせるのも無慈悲なことだ。
 早々に終わらせてあげることとが慈悲。総介が言葉に出さずとも、かんなは超運でそれを察知した。
かんな「そうですね」
 そして、かんなは終わらせるために神滅超越者(ラグナロクエクセル)を強く握りしめる。
 このまま死合は終わってしまうのか、それとも、サヤの悪巧みが炸裂するのか!?


続

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