Eighter -Midnight Howling-
34ther 〜色違電流眠中夢索( C〜
#5
ソンニャーレはどこで新型ドラッグを仕入れていたのか……それがこのトマトと称した麻薬の栽培だった
白拍子かんな「彷徨える変魂(……」
上(総介「AとBを入れ替えるオーパーツだ」
権狐兵十(「オーパーツ……」
桐辻鞘火「ナめた真似をしてくれる!」
オーパーツだとかそんなことは正直わからなかったが、しかし、ソンニャーレがこうやってドラッグを流通させ
ていたということだけは分かった。
兵十(「だが、これで奴らの尻尾がつかめた!」
あとは無許可の畑を焼き尽くせばアックワサンタの流通を途絶えさせることができる。
*「チッ、まさかこんなに早くバれてしまうとは、計算外だ……」
一同「な、誰だ?」
そのとき、屋敷の外から声が聞こえる。
*「しかも、ブチ犯すために集めたガキどもも全てトッ捕まっているなどと……」
屋敷の塀の上……そこに仮面をつけた謎の漢が現れた
兵十(「貴様、何者だ?」
*「ハッ、この状況で名乗るとでも思ったのかよ……」
叫ぶや否やとびかかる漢
*「死ね、鞘火ッ!」
懐からナイフを取り出し襲い掛かる……が、しかし
與鷹(「隙だらけだぜ」
ドッ
*「へヴぉあっ!?」
しかし、その動きは與鷹(にとっては遅すぎた。
スローすぎて欠伸が出るぜ……と、言うほどに
左手の裏拳でナイフを持った腕を叩いてナイフを弾き飛ばし、右の正拳を仮面に叩き付ける。
漢はその場に仰向けに頽れ、意識を失うのであった。
兵十(「ソンニャーレの刺客か……あるいは大和(の……」
バカッ
與鷹(の拳が直撃したことで漢の仮面が真っ二つに割れ、中から漢の素顔が露わになる
鞘火「こ、この漢はッ!」
それは、忘れるはずもない……いや、鞘火ら正統派にとっては絶対に忘れてはならない人物。
……そう、鞘火の父、鍼暴(組の八代目組長を殺したテロリスト。
禅像を殺して姿を消したこの漢は、言うまでもないが大和(の手助けにより、これまで身を隠すことに成功してい
たのだ。
ソンニャーレの末端の鉄砲玉、名をオーロ・ミレッツァという。
兵十(「貴ッ様ぁあああッ」
兵十(は叫ぶや嫌な抜刀し、鞘を放り投げて漢に斬りかかる
ガキンッ
兵十(「止めるなッ!これは、先代を殺したことに対するオトシマエよ!」
だが、しかし、そんな兵十(を総介は藍后の刄(で止める。
総介「仇敵だからといって、SRAP(の目の前で殺人(をさせるとでも……?」
#6
兵十(「ぬううっ」
一触即発……
総介「……と、俺がそんなことを言うとでも思ったか?」
與鷹(「え?総……?」
総介が一体何を言っているのか、與鷹(にはさっぱりわからない。
総介「なぁ、兵十(……いや、兵十(の皮を被った大和(!」
兵十(「なっ、何を……いう!?」
與鷹(「はっ……」
そのまま與鷹(はかんなの方を見ると、かんなもコクンと頷く。
山咲(桜「彷徨える変魂(……」
それはAとBを交換するオーパーツ。
そして、何も物体に限った話ではない。
そう、大和(は彷徨える変魂(を使い、兵十(と中身を入れ替えたのだ。
いつ入れ替わったの?
今でしょッ!
※マテ、それがやりたいだけだろ!
鞘火「確かに、お前は兵十(ではないわね……」
兵十(「な、何を言います、お嬢……」
こんなワケのわからないやつらの話を信じて、腹心たる私の言葉を信じないのですか?と兵十(……いや、中身は
大和(なんだが……
鞘火「兵十(はいかなる時もキツネ目なのよ」
兵十(「はっ!?」
慌てて目を閉じるが、もう遅い……
と、言うか、普段目を開けている人が普段キツネ目の人に乗り移ってキツネ目のまま行動するというのは無理が
あるということだ。
総介「それだけじゃあない……」
桜「オーロに報復を……と見せかけて、アナタの刃は鞘火に向かっていた」
鞘火「……」
兵十(「くそがッ」
そう、大和(の更なる策略……それは彷徨える変魂(で兵十(と入れ替わり鞘火をブチ殺して、実は兵十(こそが鞘火を
裏切っていた大罪人だと仕立て上げるつもりだったのだ。
しかし、その策は総介らの手により砕かれた。
兵十((中の人は大和()が忌々しげに呟くとその気配が変わる。
兵十(「はっ、私は一体……」
それは大和(が自分の体に戻ったという証拠だ。
ガッ
次の瞬間、桜は匕首を手に持った鞘火の腕を掴む。
兵十(「お嬢ッ!」
桜「次になにをするのか……ちょっと考えればわかることですよ?」
鞘火「ぐぬぬぬぬ……」
今度は鞘火に乗り移って自殺を……と考えたものの、やはり見事に失敗したのだった。
ここにかんながいる時点で、もはや大和(の敗北は必至……ならば奴がすることは必死になって打開策を考える位
だ……
※ダジャレかよ!
鞘火「クソッ」
そして、またしても大和(は去る
兵十(「お、お嬢……大丈夫ですか?」
鞘火「え、ええ……」
#7
徒勝大和(「クッソがあ!」
自分の体に戻った大和(は近くの机を思いっきり蹴っ飛ばす。
それだけでは腹の虫がおさまらなかった大和(は彷徨える変魂(を操作すると、蹴っ飛ばした机の方へズンズンと早
歩き。
バキバキッ、グシャアアッ
そして、なんと、机を握りつぶしてしまったではないか!
……まぁ、これはなんてことはない、大和(の握力が異常なのではなく、さっきの彷徨える変魂(での操作で机の中
身を発泡スチロールに交換しただけのことだ。
大和(「おのれぇ……」
机に八つ当たりしてしばらくすると……
大和(「いいだろう……ならば、これより全面戦争を行う!」
最早なりふり構ってはいられない……あとは正統派をぶっ潰して鍼暴(組を力尽くでわがものにするまで!
かくて、ソンニャーレのメンバーと共に、大和(は行く!
END
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