Eighter -Midnight Howling-
31ster 〜闇影(やみ)ニ堕ツル剣者(セイバー) A〜



#0
 ヒトラーの意思を現代に受け継ぐもの、オルタナチス……奴らは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に支配されているとも知らず
にオーパーツの軍事利用に成果が出たと思い込んでいる。
 そのことに気づかせ、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の野望を阻止せよ!

#1
ファルケ「お主、少しはできるようじゃな」
白拍子かれん「少しですって?言うじゃないの、おジイさん!」
アイングリフ「あはは、これは退屈しなさそうだ……」
白拍子かなり「オ〜〜〜ッホッホッホッホ!漢を退屈させるのは女の恥よ!」
 いや、なんかそれ違う気がする……
ファルケ「ならば、これはどうだ!ワイルドボルト!」
 雷を纏ってかれんに突撃するファルケ
かれん「なんのぉ!霹靂極舞刃(へきれききょくぶじん)!」
 バリバリバリバリッ
 かれんも予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)に電撃を纏わせ応戦。
アイングリフ「ハートスタンプ!」
 ふわりと舞い上がりそのまま番傘で突き下ろしを繰り出すアイングリフ
かなり「三途河魂渡(しょうずかたまわたし)」
 ドドドッ
 三回連続斬撃、アイングリフの持っていた番傘が切り刻まれる
アイングリフ「あれま?!」
 そのまま降下してはかなりに切り刻まれる……が、しかし、重力に無視したかのような動きでふわりとかなりを
飛び越し着地
アイングリフ「ごっめ〜〜ん、中将、番傘壊れちゃったよ」
ファルケ「遊んでいるからそうなるんだ」
 かれんと激突しつつもアイングリフの言葉には反応してみるファルケ。
 なお、かれんとファルケ……双方譲らず、競り合いを続ける。
アイングリフ「いや〜、遊んでいるつもりはなかったんだけどね……相手が予想以上とういうか……」
 よっこらしょ……と呟くとアイングリフはどこからともなく蛇の目傘を取り出す。
 え?蛇の目傘と番傘って同じものじゃないのかって?……実は違うんです。どちらも似た形状をしているが番傘
は骨が太くて男性的、柄が太めの竹。そして蛇の目傘は骨が細くて女性的、柄は細目の黒塗りの木といった違いが
あるのだ
アイングリフ「じゃあ、行こうか!」
かなり「とっとと来なさい!」
 両雄、一足飛びにかかる

 一方、かれんとファルケは膠着状態をこれ以上続けてもあまり意味がないと一旦距離を置く。
ファルケ「クロスサンダー!」
 両手を上段からクロスさせるように薙ぎ払い雷撃を放つ
かれん「闇龍極舞刃(あんりょうきょくぶじん)!」
 ガカアアッ
 かれんは闇の剣気で具現化させた龍を解き放ち、これに応戦
ファルケ「おおお!」
かれん「あああ!」

#2
 雷撃が猛り、闇の龍と共に掻き消える
ファルケ「くぅ、この技に耐えるか……」
かれん「ちっ、強いわね、このジイさん……」
アイングリフ「プリズムレーザー!」
 蛇の目傘を開いてかなりに突き出しぐるぐる回すと色とりどりのビームがかなりに襲い掛かる
かなり「六波羅蜜裂空牙(ろくはらみつれっくうが)!」
 ドドドドドドッ
 かなりは瞬時に六回の斬撃を繰り出し、迫るビームを(ことごと)く切り払う。
アイングリフ「……たったの六斬で全て切り払うとはね……」
かなり「ふふん」
 上機嫌なかなり。ドヤって感じである。
アイングリフ「仕方ないか……中将、巻き添え喰らわないように気を付けてね」
ファルケ「アインッ!貴様」
 かれんと相対していたファルケはアイングリフのそんなセリフに思わずよそ見してしまう
かれん「今よ!ここは念押しで……光焔熾(こうえんし)KR耀(こくげんよう)」
 炎と闇で力を底上げするかれん。次で勝負を決めるつもりだが、それはファルケ、アイングリフとて同じ
ファルケ「むおおっ!ライトニングサーフライド!」
 雷光轟き、それに波乗りするかのようにファルケが拳を構えて突撃
かれん「はあぁっ!闇暝極蒙晦(おんみょうごくぼうけ)!」
 対するかれんは闇の剣気から龍、鳳凰、麒麟、(かめ)を作り一気にぶっぱなす
アイングリフ「オリジンズスーパーノヴァ!」
 蛇の目傘を上段から一気に振り下ろすと同時にバっと開いて巨大な銀色の球体をかなりに打ち出す
かなり「龍鳳麟龜(りゅうほうりんき)!」
 応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍、平安を(もたら)す鳳凰、信義を貫く麒麟、吉凶を左右する霊龜(れいき)を剣気で具現化させて打ち出す
かなり
 ズドオンンッ
一同「ぐああっ?!」
 かれん、ファルケの技が、かなり、アイングリフの技が激突した瞬間、大爆発が巻き起こる。
 そして……

梓與鷹(よたか)「死合はどうなったんだ?」
 爆煙が晴れるとそこには……
アイングリフ「あはははは……いや〜、負けた負けた……」
 ぺたんと地面に尻もちをつきながらそんなことを言い出すアイングリフ
かなり「少しは楽しめたわ!」 
 真殺影刃を鉄扇に戻しパタパタ仰ぎながら余裕のかなり。
 一方……
ファルケ「くっ……」
かれん「はぁ……はぁ……」
 ファルケの拳がかれんの眼前でビタリと止まっており、ファルケは首筋に予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)が突きつけられている。
 この死合、引き分け……か!?
ファルケ「寄る年波には……勝てんな……」
 そして、その場にどっかりと頽れるファルケ。
 この死合、かなり、かれんの勝利だ!


続

前の話へ 戻る 次の話へ