Eighter -Midnight Howling-
27ther 〜心冬にして絶望深 A〜
#0
法改正に伴い『消える特少帰り』……だが、そんなこととは別に本当に御勤め御苦労な非行少年が行方を晦ます
真の意味での『消える特少帰り』事件が発生……
そこには新たなる高位の場違いな黒き遺物、泥諏(クォヴァの姿があった
そして、奴を追い詰めて駆逐しようとしたところ、蛍(が何故か推参……
#1
泥諏(クォヴァ「良く見えおけ!これが可能性の魔獣の緋(の真の姿らしい!」
梓與鷹(「なっ」
前髪に隠れていた目……そして、一本角が付いたカチューシャ
そんな姿をしていた可能性の魔獣の緋(が今や、前髪はオールバックとなり隠れていた眼が怪しく光り、一本角が
飛び出ていたカチューシャのその一本角は半分に割れていた
與鷹((こいつは……ヤバイ……)
さっきまでもヤバげな雰囲気が漂っていたが、今は更に悪化したのが空気で分かる
流石の蛍(もこんなバケモノ相手には出来ないだろうと考え與鷹(はかんなを動かそうと試みるのだが
上(総介「……」
すっとそれを制止する総介
與鷹(「総」
総介「まぁ、落ちついて最後まで見ておけ」
與鷹(「いや、落ちつけって……」
白拍子かんな「……」
本当に危ないときは私が出ますとかんな
天然蛍(「……まだなの〜、本当に眠くなってきちゃったよ……」
ふぁ〜と欠伸を一つ。
それは余裕ではなく、本当に眠いのだから蛍(は凄い
クォヴァ「ふふふ……待たせたね……でも、ここから先、お前にターンはないらしい」
ヒュンッ
蛍(「ん?」
次の瞬間、音もなく背後に忍び寄る可能性の魔獣の緋(……そして、その目が怪しく光る
蛍(「おわっ、危なッ」
ドガッ
既の所で回避……と同時に、蛍(の居たところに拳で大穴があく
クォヴァ「ふふふ、それで回避したつもりか!愚かめ!」
蛍(「え?」
次の瞬間には再び蛍(の傍で怪しく目を輝かせる可能性の魔獣の緋(
そして、放たれる蹴り……を真・炎双刃にてガードするが、虚しくそのまま吹き飛ばされる蛍(
蛍(「んぐぅ……」
クォヴァ「フッ」
更に、間髪いれずにまるでどこぞのイナズマキックみたいな感じでそのなな地面に激突した蛍(に蹴りを繰り出す
可能性の魔獣の緋(
蛍(「あんなの喰らったらひとたまりもないね……」
一同「え?」
直撃……これでジ・エンドに見えたが、しかし、観客(というか見守るかんなら)の背後から何事もなかったか
のように現れる蛍(
クォヴァ「ッ!また……」
貴様、一体何をした?
蛍(「さぁ?夢でも見たんじゃないの?」
くくいっと首を傾げて馬鹿の一つ覚えのようにそう呟く蛍(であった
#2
クォヴァ「ええい、どこまでも虚仮(に……」
ギリっと歯軋(りするクォヴァ
総介「……なるほど……」
そんな中、いち早く全てを察するのは総介である
山咲(桜(あ、では、やはり、そう言うことなんですね?)
でもって、山咲(も気付き……
與鷹((え?何だ?何が?)
気付けてないのは與鷹(のみ
茜瑙哭((……あれは神の力……と、いったところか……)
しかし、それにしては、妙である……
かんなも神の力を使うことは出来るが、それは茜瑙哭(がかんなに力を貸しているからである。
総介もまた同じ。総介は鬥址偶襾(の力を借りているからこそ、その御力を使うことができる。(ただ、総介はあ
まり無茶な使い方ができませんが……)
※無茶な度合いで言えば、かんなだって茜瑙哭(の力を無茶苦茶に使うことは出来ないけど……
だが、蛍(はどうだ……神の如き力を振るいつつも、そこに神の気配は見受けられない
だからこそ、クォヴァも驚いていた……
蛍(はただの人間(風情なのに、ここまで梃子摺(ることに……
クォヴァ「貴様は一体何だ!」
蛍(「ん〜〜、なんだろね?」
神経を逆なでするような蛍(の言動……だが、しかし、それは狙ってやったことではなく、蛍(な真剣に考え込んで
そうしているから余計にタチが悪い
クォヴァ「もういい、死ね!」
ガンッガガンガギインッ
四方八方から音もなく飛び掛かる可能性の魔獣の緋(……しかし、そんな魔手を一歩たりとも動くことなく、手を
真・炎双刃だけを動かして止めて見せる蛍(
クォヴァ(馬鹿な……中位存在とはいえ、場違いな黒き遺物(が……たかが人間(風情に圧されているらしいだと?)
蛍(「ねぇ、そろそろ飽きてきたから帰っていいかな……」
與鷹(「いやいやいや、駄目だから」
蛍(「え〜」
クォヴァ「そこだ!死ね!」
蛍(「死にたくないからパスするね」
ドッ
蛍(の背後をついて可能性の魔獣の緋(が一撃を繰り出す……そして、次の蛍(の動きを見極めるべく、クォヴァも目
を見開いて見極める
ボウッ
クォヴァ(な……何だ?)
その時、クォヴァは見た……
蛍(の背後に神の気配を……
それは、紅く、熱く、そして、赤かった……
見る者が見れば、それはいつも蛍(と行動を共にする突込魁(……のように見えただろう
違うところは……髪の色……魁(が青色なのに対して、蛍(の背後に一瞬浮かんだそれは赤色をしていた……
クォヴァ(アレが……)
ニヤリと笑みを浮かべるクォヴァ……蛍(を凌駕する策でも思いついたのだろうか?
続
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