Eighter -Midnight Howling-
6ther 〜メダリストの慙愧ざんき C〜



#5
 東京都、新宿で起こった婦女暴行事件……その背後には場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ……しかも人の姿をとる羅叉らさタブラ
が関与していた……
 そして、総介は……

上総介「狂言號人くること・ごうと傾木蝶音かぶき・てふね、能生摂雫夢となむ……この三人の中で近日中に異変に遭遇するのは誰か、調べてほしい」
梓與鷹よたか「総……」
 レムリアでは場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツに関して詳細を調べることは難しい……だが、それ以外の……現実世界の事柄に
関してならば話は別だ……
 つまり、別の角度から場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツに関しての情報を探ることは出来るのだ……
白拍子かんな「早速検索してみました……」
 そして、総介の言わんとしていたことをいち早く超運で感知して、かんなはレムリアで既に検索を終えていた…
…
與鷹よたか「流石かんなだ……」
 で、結果はどうなんだ?と與鷹よたかが問うのだが……
かんな「……」
 しかし、かんなは首を横に振るのみであった……
総介「チッ……」
 確かに、別の視点からならレムリア使って場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツの足跡を辿ることも可能とは言ったが……しかし、
それは材料が揃っている場合の話である……
 何の材料も揃っていない今の状態では闇雲に探すのと同じ……それでは見つかるものも見つからない上に、何し
ろ効率が悪すぎる……
山咲やまざき桜「警部……」
 ならば、ここにいても仕方がない……そう思い、総介はEighter本部を後にしようとするのだが……
かんな「待ってください……」
與鷹よたか「かんな?」
 かんなが総介を足止めする
総介「……どうした?」
かんな「先ほど言った三人は近日中に異変……場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツの魔手にかかることはない……とレムリアの検索
で分かりましたが……」
與鷹よたか「まさか、その三人以外にいたというのか?」
かんな「……はい」
総介「……聞かせろ……それは誰だ?」
かんな「……」
 そして、かんなはその人の名を告げる

総介「……なるほどな……」
桜「確かに……」
 あやつが次に狙われても不思議ではない……と納得する総介
 ……そして、かんなは既にレムリアでそいつのデータを検索してある……
與鷹よたか「……総……」
総介「ああ、分かってる……」
 こうしてはいられん……と、総介は足早にEighter本部を後にして、東京都へと舞い戻るのであった……
※ちなみに、総介と桜だけが出陣したのではなく、與鷹よたかとかんなも一緒に出陣しています。

#6
 東京都、新宿
総介「見つけたぞ!羅叉らさタブラッ!」
 かんなが超運で予測し、レムリアで検索したタブラが次に狙うであろう人物……その人物の家の近くにて、総介
は念願のタブラを発見、殺してでも食い止めようとする
※ちなみに、余談ですがタブラが次に狙うであろうとかんなが予測したのは狂言くること優佳である……
羅叉らさタブラ「……馬鹿な……またしても……」
 驚愕の表情を見せるタブラ……
総介「俺達を侮り過ぎだ!タブラ!」
タブラ「……チッ……すなどるはずが、侮っていたってわけかもね……クソがッ……だがッ」
 ズガァムッ
タブラ「何ぃ?」
 タブラが懐から何かを取り出すや否や、藍后の刄ブルーエンプレスを投げつける総介……
 そして、藍后の刄ブルーエンプレスはタブラが手にしたナニカを貫いた……
総介「それが今回の事件の元凶……」
かんな「無慈悲な癒身狂クルーエル・セラピスト」
タブラ「……クソッ……メメントから貰ったクルセラが……」
與鷹よたか「く、クルセラ……!?」
 何故にブルセラみたいな略し方なのか……
 デリデスといい、シンサロといい……そして、今回はクルセラ……メメントはそんなに下ネタが好きなのだろう
か……
 場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツの考えることはよく分からない……そんなことを思う與鷹よたかであった……
かんな「……無慈悲な癒身狂クルーエル・セラピスト……それは、対象を癒すと同時に、その対象にとって大切なナニカを奪い去るという
場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ」
総介「……フン……だからか……」
桜「……無慈悲と言うよりは残酷と言った方が正しいかもしれませんね……」
 ……確かに、クルーエル(Cruel)には『無慈悲』、『残酷』という意味がある……
※ちなみに『無慈悲な癒身狂クルーエル・セラピスト』の『狂』は『狂える』と『クルーエル』の二つの意味があったりなかったり……
 (ダジャレかよ!)
タブラ「……はぁ……」
 緊迫した空気が暫し続いたその時、突如、タブラがため息をつく
タブラ「……どうやら、今日はそそくさと逃げ去ることも出来ないみたいかもね……ああ、もう、面倒くさい」
 どうして、僕がこんなことをしなけりゃいけないんだ……とブツブツ呟きながらタブラは両手を天に掲げる。
タブラ「場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツ……盲いた蘭学ブラインド・ダッチ……」
 ずず……ずずずず……
 闇がタブラの手にまとわりつき、刃と成す
タブラ「こうなったら、仕方がない……全員纏めて使い捨ててやるかもね……」
かんな「……龍咬舞刃りゅうこうぶじん」
 キュインッ
 タブラがそう叫ぶや否や、先んじて攻撃を繰りだすのはかんな……
 剣気で具現化された応龍おうりゅうに変幻する光の龍がタブラを襲う
タブラ「蝕無戴漫しょくむたいまん與鷹よたか「なっ?」
 タブラが盲いた蘭学ブラインド・ダッチを振るうと応龍おうりゅうに変幻する光の龍が一瞬で掻き消されてしまう
 ……盲いた蘭学ブラインド・ダッチ……それはふざけた名称ではあるが、その能力は危険極まりない……だからこそ、かんなは先ん
じて攻撃を繰り出し、その危険性を皆に知らしめたのだ……

#7
タブラ「まずはお前か……《キツネザルの使徒》……その最たる存在……いいよ、アンタを斃せば《キツネザルの
使徒》は壊滅したも同然かもね……」
與鷹よたか「かんな……」
かんな「大丈夫です。リーダー……勝ちに行きます……」
 かくて、かんな VS タブラの死合が始まる……


END

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