Eighter -Grand Harmonise-
43rder 〜幼馴染な殺人遊戯 C〜



#5
『最近冷たくされるから』……そんな理由で幼馴染を殺した健二だが、殺されたのは夕亜本人ではなく、その
血液をもとに創られた出来損ないのクローンだった……と、言うわけで事件の真相を暴くべく、総介は走る
ガチャッ
警官「かっ……かみ警部……」
突如取調室に現れた総介に警官は面食らう……
かみ総介「……さて……私の予感が正しければ……」
白拍子かんな「……」
ピ〜〜〜
運で何を言いたいのか察知したかんなはそのまま無言でOCTUで健二をスキャニング
大伴おおとも健二「何だよ……お前ら……写真撮影……でもなさそうだし……」
かんな「……やっぱり、この健二氏は精巧に作られた健二のクローンですね……」
総介「……やはりか……」
警官「……あの……警部!?」
何!?クローンって……どういうこと!?と困惑状態の警官一行
山咲やまざき桜「警部……と、言うことは……」
総介「ああ、夕亜は死んでいない、さらにここにいる健二は犯人だが、本物ではない……」
かんな「……全ての罪はクローンがかぶり……自分はどこかで夕亜と暮らす……なかなかに都合のいい
 計画を思いついたものです」
総介「うむ……」
そして、今分かっていることを少し整理してみるかんなと総介……そんな中……無能警官はというと……
警官(かみ警部達は何を言っているのか俺にはわからん……)
警官(いや、俺だって……そうなんだけど……)
ガシッ
握手をして……
一同「おお!仲間だ!」
友情を深めあう間違ったダメ警官達であった……
※いやいや、あんたら……少しは理解しましょうね……
かんな「……オーパーツが悪用されています……ね」
桜「確かに……現代科学では本人と全く同じ後天的能力を持つクローンは作れない……」
総介「……行くぞ……」
桜「はい、警部……」
・
・・
・・・
と、言うわけで一行は警視庁を後にする
桜「警部……クローンはどうするんですか?」
道中、あの健二クローンの処分についてぽつりと漏らす桜
総介「……生かすわけにはいかん……かと言って殺すわけにもいかん……」
かんな「……クローンを作ったオーパーツを探し破壊、元に戻すより他に手はありません」
総介「……うむ」
結局、最終的にそうなってしまう……だが、それしか方法がないのならば……仕方のないことである。

#6
東京都、大伴おおとも家
そして、一行が次に訪れたのは犯人・大伴おおとも健二の実家……
桜「両親は現在居ません……いえ、夫婦仲は冷め切っており、滅多に家に帰ってくることはないそうです」
※しかし、息子が殺人事件を起こし、更に警察に捕まっている……ってなこの状況で帰って来ない両親も
 両親だと思います。(あるいは、もはや両親は彼のことを切り捨てているのかもしれません……)
総介「……隠れるにはもってこい……か……」
桜「……灯台下暗し……ですか……ですが……」
総介「家宅捜索さえ凌げば……これ以上の隠れ家は無い……」
桜「……そう……ですが……」
かんな「確かに、食糧の確保などの問題がありますが、彼が使用したオーパーツが無作為にクローン、コピー
 を作る代物であれば……あるいは……」
総介「……うむ」
ドカドカッ
かんな「こっちです」
OCTUを頼りに地下隠し部屋への道を進むかんな……
かんな「はっ!」
ズバシュアアアアッ
碧聖刃シアンセイクレドで床を斬り崩し、地下道を空ける
総介「よっ……」
ダダンッ
健二「なっ!?……馬鹿な……なぜ……ここが!?」
総介「さて、健二……婦女子監禁、殺人偽装事件もここまでだな……」
友田夕亜「……」
桜「警部……」
そこにはまるで人形のように動かない虚ろな瞳の夕亜がいた……
かんな「オーパーツ、狂える複製の御手マッドクローニグエクスパンドの悪用もここまでです」
それをこちらに渡してもらいます。もし、拒否するならば……と、かんな。しかし、言い終える前に健二が
叫ぶ
健二「な……何を言っているんだ!?お前ら……俺の家に勝手に入って……勝手な真似は許せん!!」
総介「フン、どうやら奴さんは渡す気が無いようだな……」
健二「何をゴチャゴチャと!……俺と夕亜の恋路を邪魔する奴は何人もゆるさん!」
かんな「……」
ダッ
バシュンッ
それはこっちの台詞です。人の意志を無視して勝手に監禁するなんて……とかんなは怒りの一閃
健二「え!?」
健二が気付いた時には既に、狂える複製の御手マッドクローニグエクスパンドは真っ二つに斬り裂かれていた
かんな「……これで……おわりです」
夕亜「……な……何……よ?ここ!!?」
ずざざっ
咄嗟にかんならの方に後退る夕亜
健二「な……なああ!!?」
時同じころ、それぞれのクローンは血液に戻り、こうして……事件は幕を閉じた……健二の罪状は……
婦女子監禁と殺人未遂……として公表されることとなったそうだ……
※ちなみに、夕亜はまだ健二の手によって穢されてはなかったようです。よかったよかった。


END

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