Eighter -Grand Harmonise-
42nder 〜天然は炎水にいかる A〜



#0
いつもぼけ〜〜〜っとしていて起こっているところを見たことが無い天然ボケこと天然蛍あましか・けい……今回はそんな
彼が珍しく本気で激怒す……彼をそこまで至らしめた原因とは……一体……!?

#1
天四斗あまよと水炎みなほむらの道場
グゴゴゴゴゴゴゴッ
水炎みなほむら聖十郎「……ほ、来たか……」
ただならぬ殺気を察知し、聖十郎は呟く……
ジャリッ
零大辰れいだい・しん「来たぜぇ!ジジィ!!」
そこに現れたるは、禍々しい邪気を纏ったしん……
聖十郎「……少し見ぬ間に随分と堕ちたようだな……」
しかし、何だ?!奴のこの、異常な邪気は……と怪訝けげんに思う聖十郎……
しん「ジジィ!!あの天然ボケを殺す前夜祭だ!まずはキサマから殺す!……この、双剣・激流と静水でなぁ!」
ジャキンッ
激流と静水を構えるしん
聖十郎「……よかろう……ならば、引導を渡してやるぞ、しん!!」
チャッ
愛刀・炎罔象ほのみつはを構える聖十郎
しん「くたばれジジィ!!」
ヒュゴガギンッ
聖十郎「な……何じゃと!?」
だが、瞬時に間合いを詰められ、そして弾き飛ばされる
しん「ハハハハ……ハァ〜〜〜〜ッハッハッハッハ!!!ジジィ!!テメェ俺ではけいには勝てんなどとぬかし
 やがって……それを撤回させてやるぞ!!」
聖十郎「ぐ……ぐぐぐ……」
立ち上がり、体勢を立て直す聖十郎
聖十郎「……フン……撤回……だと!?……自惚れるな!!キサマがいかに強くなろともけいには永遠
 に勝てん!!……はぁっ!紅龍炎舞こうりゅうえんぶ」
ゴアッ
真紅の炎の龍が4匹、しんに襲い掛かる
しん「ニィ……」
ジュオアアッ
だが、しんに当たる寸前で消滅してしまう
しん「何が永遠に勝てんだ!!ジジィ!!」
聖十郎「かかったな!そこじゃ!」
ゴギャインッ
一瞬の隙を突いて反撃に出る聖十郎
ギリギリギリッ
聖十郎「なっ!?」
だが、その意表を突いた一撃ですら、寸前で止められる
しん「あぶねぇ……あぶねぇ……ハアッ!」
ドゴギャアアアッ
聖十郎「うおぐっ!?」
ドザザザザッ
またしても弾き飛ばされる聖十郎
しん「ハッ!手も足も出ないくせによくもまぁ、そんな大口が叩けるな!ジジィ!」
聖十郎(邪念に捉われ……魔道に落ちたか……愚かなことを……)
聖十郎「フフ……当然じゃ……儂に勝てたからといってけいに勝てることとどう繋がる!?」
※最もなことを言ってみる聖十郎
しん「フン……けいを殺すためにまずジジィ!師匠であるキサマを超える!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
しんの邪気がますます膨れ上がっていく
聖十郎(くっ……すまん……けい……どうやら……儂では……あいつを止めることは出来んようだ
 ……)
そのしんの巨大な邪気に、身がすくむ聖十郎……だが、ここで引き下がるわけにもいかない……

#2
聖十郎「ぬん!火龍双刃かりゅうそうじん炎黒鎧爪えんこくがいそう!」
ドゴゴゴゴゴゴッ
しんに負けじと炎を纏って殺気を吊り上げる
しん「ハッ……笑わせる」
もはや、貴様の技は一切通用しない……それがまだ分からないか!?と哄笑するしん
聖十郎「しん!キサマでは絶対にけいに勝てんということをここで思い知らせてくれるわ!!」
グオオオッ
一足飛びに掛かる聖十郎……が、しかし、その牙はしんには届かず……
しん「鳴け!ツモれ!そして和了アガれ……」
ゴギンッ
ガギャインッ
ベギンッ
ドゴアアアアアアッ
何度も何度も斬りかかる聖十郎だが……その全ての斬撃は悉くしんに返され、手ひどくダメージを被る
・
・・
・・・
ドンッ
聖十郎「ぐ……ぐふぅう……」
ボタボタボタッ
炎罔象ほのみつはを杖代わりにどうにかこうにか立っていられる状態の聖十郎……疲労困憊……満身創痍……
もはや聖十郎に勝ち目は……いや生存する見込みは無い……
しん「フッ……ジジィ!!!さらばだ!」
ドッ
トドメとばかりに一気に間合いを詰め、そして双剣を振り下ろすしん
聖十郎(すまんな……けい……)
グオアアアアアアッ
迫る兇刃を前に、覚悟を決める聖十郎であったが……
ガギィイ〜〜〜〜ン
しん、聖十郎「な……何ぃいい!?」
天然蛍あましか・けい「ぐ……ぐううう……」
ザザザザザザザザザザザザッ
突如として割り込んだけいに受けられるしんの刃……だが、それでもけいは弾き飛ばされる
聖十郎「けい……お主……」
まさかけいが現れるとは思わず、驚きを隠せない聖十郎
突込魁とつこみ・かい「……私もいるんだけどね……」
けい「じいさん……」
聖十郎「けい……」
けい「無様だね」
かい「うぉい!!」
※第一声がそれですかい!!
聖十郎「フ……この天然が……」
けい「……じいさん……しばらく休んでて……」
くるり……
しんの方を向くけい
しんけいぃいいい!!!キサマを殺す!!!!」
けい「……やってみな!」
ゴアアアアアアアッ
かい「な……何だ!?あの炎……」
猛る炎……それはまるでけいの怒りを表しているかのようであり……
聖十郎「ぐ……けいぃ……」
かい(こんなけい……初めて見る……余程……怒っているのか!?)
聖十郎は瀕死だが、それに代わってけい参戦!はたして……試合の行方は!?


続

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