Eighter -Grand Harmonise-
31ster 〜相容れぬ漢達の宴 D〜
#7
ふらっと師匠のもとを訪れた蛍……そこに居た先客は蛍(を斃(さんと意気込む辰(……かくして2人の因縁の
死合は始まったのだが……力の差は歴然……?!
零大辰(「俺の本気(……受けてみるがいいッ!水刃双剣(!」
ズズズズズズズズズッ
双剣に水を纏わせ攻撃力を増幅させる辰(
天然蛍(「……」
それをただ見つめる蛍(
辰(「どうした!?……俺の実力が分かったか!?」
蛍(「……まぁ、好きなだけ使えばいいと思うよ……」
どうせ、通じないんだし……と蛍(……そんな蛍(の言葉に辰(はキれる
辰(「ほざけ!カスがぁ!!水龍爆殺(」
ドオオッ
怒りに任せ、2匹の水龍を蛍(に解き放つ
蛍(「だから〜〜〜、水は嫌いだって……あ……」
カッ
ズグオオオオオオオオオンッ
軽々と回避……するかと思われた蛍(だが……何を思ったのか、その場を動かず……かくて、2匹の水龍は
蛍(に激突し、そのまま爆発を巻き起こす
辰(「愚かな奴め……それほど死にたかったとは……」
突込魁(「け……蛍(い!?」
辰(「……は……女!?」
突如、蛍(のいた場所の後ろから女の声が聞こえる
ポムッ
魁(「わひぃ!?」
気がつくと肩を叩かれている魁(。聖十郎がいつの間にか魁(の近くにいた……
水炎(聖十郎「ほう……蛍(が……人を庇うとは……」
魁(「は!?」
突然の出来事に眼を丸くする魁(……
そう……蛍(は爆発する水龍を回避することは難しいことではなかった……だが、その後ろにすぐ魁(が来て
いた……だから、自分を盾に魁(を守ったのだ……
聖十郎「あいつが他人のために自らを犠牲にするとは……あいつも成長したということかのう……いや
……もしかすると……お前さんがあいつを変えた……のかもしれんな……」
うむうむ……と1人納得する聖十郎
魁(「はい!?あの……爺さん……誰!?……ちょっと話が飲み込めないんだけど……」
そして、魁(はこの展開に全くついていっていない……寧(ろ初めから説明してよ……と言った雰囲気だ
#8
蛍(「魁(はじいちゃんと一緒に下がってて……」
ガラガラッ
瓦礫の下から蛍(登場……爆発をモロに受けたと言うのに、ほぼ無傷だ……
魁(「え!?……あ……うん……」
とりあえず、蛍(の言葉に従い、距離を置く魁(
・
・・
・・・
辰(「……仕切りなおしだ!蛍(!!」
蛍(「言われなくても分かって……」
ギュオアッ
言うなり辰(の懐に飛び込む蛍(
辰((速っ……)
蛍(「炎十文字(」
ドドッ
そのまま有無を言わせず炎を纏わせた刃で十文字に斬りかかる蛍(
辰(「だがっ流水十字(!」
ギギンッ
それを、水を纏った2刀でそれを受ける辰(
辰(「蛍(ぃいいいいいいい〜〜〜〜!!!」
蛍(「はあああ!!!」
ガギギギギギギギギッ
そして……死合はそのまま鍔迫り合いへと移行する
魁(「すご……2人の動きが……見えない……」
観戦している魁(も、その凄絶な闘いに息をのむばかり……
辰((斃(す!殺す!斃(す!殺す!!俺はこの漢を!!天然蛍(を!ブチ殺す!!!)
蛍((……あ〜〜〜、そういえばコイツの名前……知らないなぁ〜〜〜。う〜〜〜ん……聞いたっけ……
いや……聞いて無いよね〜)
互いに思うものは違う……
※と、言うか蛍(……お前、余裕だな……いや、単にものを考えていないだけだろうけど……
ダムッ
ザザザザザザッ
暫く、鍔迫り合いを繰り広げていた両者だが……再び距離を取る
辰(「蛍(!!!」
蛍(「……じゃ、そろそろお終いにしようね」
怒りの形相で蛍(を睨む辰(……そんな辰(の怒りをを蛙の面に水……で、気にしない蛍(……しかし、死合は
最終局面へ……
辰(「キサマの生命がなぁ!死ねぃ!水鳳雨陣(!」
ドドドドドドドドッ
無数の水の鳳凰が蛍(に襲い掛かる
蛍(「……紅龍炎舞(」
ゴアアアアッ
4つの炎の龍で応戦
辰(「ハッ!たかが4匹の龍如きでぇ!!」
ジュオアアアアッ
炎の龍はあくまでも水の鳳凰を相殺するため……すぐさま間合いを侵食し蛍(が迫る
ひゅおあっ
辰(「くっ……な!?」
まさか奥義が囮だとは思わず、反応が遅れる辰(
ドギャアアアアアアアッ
辰(「おごえあああああ!!!?」
そして、蛍(渾身の一撃が……見事にヒット……
蛍(「……はい、おしま〜〜〜い」
辰(「ぐ……ぐぐぐ……」
グググッ
跪く辰(……立つこともままならない……
聖十郎「分かったであろう……お前では……今のお前では蛍(を斃(すことなど夢の又夢であることを!」
辰((何故だ……何故……何故俺の剣はヤツに届かん!!?)
辰(「ぬ……ぬぅうう……」
聖十郎(お前の……邪念……斃(したい、殺したいという邪念がお前の剣を曇らせる……それに気づかない
限りお前は永遠に蛍(には勝てん……)
辰(「クッ……おれ!蛍(!!!次逢うとき……キサマを殺す!!」
ヒュバウッ
……かくて、捨て台詞を残して辰(は唐突に去っていく……
蛍(「あ〜〜〜、あいつの名前聞くの忘れたよ〜〜〜。ま、いっか……」
魁(「おいおい……」
……とりあえず、2人の因縁はまだ続く……
END
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