Eighter -Extra Voyage-
45ther 〜世紀の迷珍発明? A〜



#0
 LED……発光ダイオード……それは熱を発することなく光を生み出す電子部品……そして、これはそんなLEDに命
をかける(?)とある発明家の奮起を綴ったエルシュナイデ
※エ『ルシュナイデ』じゃなく、エ『ピソード』だから!……ってかアルブレードの正式量産機かよッ!

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
百鬼あろえ「ねぇねぇ……青色LEDって以前騒がれたことがあったけど……それってさ、もっと前から無かったっ
け!?」
一同「はい!?」
 ある日のEighter本部……突如あろえがそんなことを言い出し、一同は唖然とする。
あろえ「いや、ほら青い薔薇(ばら)とかだと確かに……自然界では青い植物なんて滅多にないし……」
※存在しない……ではなく、滅多にない……のは蘭の一種では自然界で青い花を咲かせるものが存在するからであ
 る。(まぁ、どうでもいいけど……)與鷹(よたか)「……それって……」
白拍子かんな「……多分、それは……青色の光を発光するLEDではなく、青色に塗られたLEDのことなんじゃないで
しょうか?」
 與鷹(よたか)が何かいいたげだったが、しかし、代わりにかんなが答える
あろえ「え!?マジ!?」
一同「……」
 ドンドンッ
 と、そんなとき、依頼人が登場する。
與鷹(よたか)「はい……依頼ですか?」
*「ここですかな?金さえ出せばどんなことでもやってくれるというスンバラシイ組織というのは」
 入るなりすごい一言を言う漢
與鷹(よたか)「……なんだか凄く間違っている気がしますが……なんでしょう?」
*「うむ、失礼。気にするな……私は世紀の大発明家、西塚秋晴と言います」
※いや、まずは謝れ!!
與鷹(よたか)「はぁ……」
あろえ(この人、無駄に態度がでかいわね……)
與鷹(よたか)(言うな、あろえ……)
 ススッ
與鷹(よたか)「ん?」
西塚秋晴「ほれ、この偉大なる私の偉大なる名詞だ……是非受け取りたまえ!」
 『天才発明家』と書かれた名刺を差し出す秋晴
一同(うわぁ……何?この肩書き……)
 流石に一同ドン引きである……

與鷹(よたか)「……で?依頼と言うのは?」
 とりあえず、名詞を受け取らないことには話が進まないと悟り、與鷹(よたか)はしぶしぶ名詞を受け取り、依頼内容を聞
いてみることにする
秋晴「うむ。私も新型のLEDを発明したのだが、これが特許に通らなくてだね……全く、これだから凡人は困る…
…」
 やれやれといったような手振りで話す秋晴
あろえ(本当にムカつく態度だわ……)
與鷹(よたか)(ま、まぁまぁ、抑えて、抑えて……)
 若干一触即発になりそうなところを何とか宥める與鷹(よたか)
※そんなにむかつくのならば、話を聞かずにどこかへ行けばいいじゃない?……などと突っ込まないこと

#2
雨水(おぼろ)「……で、それはどんなLEDなんですかね?」
 キラリ〜ン
 (おぼろ)の問いかけに秋晴の眼が妖しく光る
秋晴「ほほう、聞きたいか俺の発明品、そんなに聞きたいってんなら仕方あるまい……」
あろえ「いや、別に聞きたくはないんですけどね……」
 遂に我慢が出来なくなり、思わず突っ込んでみるあろえであった
秋晴「またまた御冗談を……そんなことを言って後で後悔しても知らんぞ……」
あろえ「しませんッ!」
秋晴「フッ、後悔先に(ただ)す……後で悔やむと言うのならば、今この場でその思いを叩き直す!」
あろえ「いや、わけ分かんないし……」
 既に呆れてものも言えないあろえであった……
與鷹(よたか)「……あの……秋晴さん……それで……依頼の方は……」
秋晴「おっと失礼……話がそれてしまったね……全く、偉大なる私の存在はこうも、事実を歪めてしまうのだろう
か……」
一同(いや、事実は歪んでないから……)
 皆、早く依頼を終わらせてとっとと帰ってもらおう……と思った瞬間であった……

秋晴「……さて、では、本日の驚き、桃の木、山椒の木……発明No.2213」
 ガチャガチャッ
 持ってきたトランクケースを開き、取り出したるは……ごく普通のLED……
一同「……これは……?」
秋晴「これぞ!発熱LED!!」
一同「てえええええ!!!?」
 秋晴の力強い叫びに、一同は驚愕の声を上げる
あろえ「発熱しないことが売りのLEDを発熱させてどうすんですか!!」
秋晴「何を言う!この発熱LEDは電力の25%を光に、残りの75%を熱に変える画期的な……」
かんな「……残りの75%も光に変える事が出来たらそりゃすごいですけど……」
 ……つまり、そんな役に立たない発明品に特許を下ろすほど役所も暇では無いと言ったところである。
秋晴「……さて、お次は……発明No.3035、黒色LED!!」
 そして、そんなことを無視して彼は発明品を披露する。
一同「黒を表現する場合はLEDを点けなけりゃいいでしょうに!!」
 一同、猛反論
秋晴「何を言う!この黒色LEDのすばらしいところはだな、光が点いていないような反応のくせに2000〜3000lxの
明るさを持つってところなんだぞ!」
一同「……」
 あまりの無意味な発明さに一同唖然、呆然……
 が、しかし、秋晴の発明品はまだ終わらない……


続

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