Eighter -Extra Voyage-
42nder 〜勝負師(ギャンブラー)と探偵業と A〜



#0
 御水駈王流(みみずく・おうる)……『南西の王流(おうる)』などという何とも微妙な通り名を持つ玄人(バイニン)である。……じゃあ、一体西の玄人(バイニン)と
南の玄人(バイニン)は誰なの!?……と、そんなことはさておいて……これは、そんな彼と、その彼のオヒキとなったアダル
ティックチルドレンとの……新たなる博打への道を切り開いたエウリード
※エ『ウリ』ードじゃなく、エ『ピソ』ードだからッ!!……超魔装機!?

#1
 天四斗(あまよと)、某雀荘
御水駈王流(みみずく・おうる)「はぁ〜〜あ……つまんねぇなぁ……何かこう……ビリビリするような博打が打ちてぇ……」
 ここ最近、勝ちに勝ち、相手がいなくなってしまった闇テンの狩人こと王流(おうる)……
愛神核羅(かくら)「じゃ、他のことするの?」
 と、聞いてくる王流(おうる)の近くにいる女の子……彼女は見た目は成人女性であれ、実はまだ12歳(小学生)という驚きの逸材で
ある。
※俗に言う『アダルティックチルドレン』という存在である。(注:俗に言いません)
王流(おうる)「……しばらく雀荘に通うのやめようかなぁ……」
核羅(かくら)「え〜〜!?」
 だが、確かに、勝ちすぎ、多少疎まれている感じがある王流(おうる)は空気を読み、暫く旅にでも出るか……などと言い
出す……
 ……かくて、そんな彼が博打以外の場で活躍するのはすぐの話である……

 数日後……王流(おうる)核羅(かくら)を連れて旅行にきていた……
 天四斗(あまよと)、ホテル四季・レストラン
王流(おうる)「あ〜〜、何喰おう……」
核羅(かくら)「私スパゲッティとオレンジジュース」
王流(おうる)「はいはい」
 ホテルで優雅に昼ごはんを食べようとした矢先……それは起こった
 ガッシャァ〜〜〜ン
*「おい!どういうことだよ!」
*「ま、まぁ、落ち着いて……」
 近くのテーブルで騒動が巻き起こる……
*「すみません、代わりの皿をお願いします」
ウェイター「……かしこまりました」
王流(おうる)核羅(かくら)「……」
 どうやら、3人の若者がもめているようだが……気にしない王流(おうる)核羅(かくら)であった……
*「フン……」
 ちなみに、その3人……名前はそれぞれ怒りだした男が會野(おの)隆夫、ウェイターを呼んだのが小池康雄、残りの1人
が藤堂冨二と言うらしい……
會野(おの)隆夫「……それよりも、ここのレストランは貸切って話じゃなかったのかよ!」
 注目の的だったりするのでとりあえず叫んでみる隆夫
藤堂冨二「いやいや……いきなり言い出して貸し切りに出来りゃ世話ないよ!」
隆夫「くそっ……」
 ドカンとそのまま椅子に座る隆夫
核羅(かくら)「……イヤな客……」
王流(おうる)「ああいうのを自己チューって言うんだな……はぁ……」
 あんまり興味はないが……でも、他にやることが無いので野次馬と化す王流(おうる)核羅(かくら)

#2
隆夫「酒だ!酒!!もっと持って来い!!」
康雄「すみません、お酒を……」
ウェイター「かしこまりました」
 なかなかに人使いの荒い漢、隆夫
冨二「……で、康雄、アイツはどうした?」
康雄「え?……アイツ?」
冨二「アイツだよ、アイツ。……テメェの彼女他に誰が居るってんだ!」
康雄「ああ……あいつねぇ……別れたよ……もう……」
冨二「って……ええ!!?マジかよ!!?」
 と、衝撃の発言にビックリする2人……
隆夫「……ま、まぁ、そんなことは飲んで忘れろ!……な?……なっ!」
 ドンっと大ジョッキを康雄に差し出す隆夫
冨二「おいおい、隆夫ぉ……」

 やがて、食事も終わり一同はレストランを後にする
王流(おうる)「はぁ〜〜あ……宿代ケチらなきゃよかったかなぁ……まぁ……金はまだあるからいいけど……」
 ブツブツ言いながら自販機コーナーへとやってくる王流(おうる)
※ちなみに王流(おうる)核羅(かくら)は同じ部屋で宿泊しております。
王流(おうる)「……あん!?」
 と、そんなことを呟いてみると……隣の自動販売機では鬼のような形相で康雄が立っている……
康雄「くそっ!ふざけやがって!!」
 ドンッ
 自販機をたたきながら康雄は叫ぶ
康雄「何が飲んで忘れろだ!!自分から奪っておきやがって……くそっ……あいつはいつもそうだ……自分が全て
……結局あいつは自分のことしか考えていないんだよ……ええい!忌々しい」
王流(おうる)(……別れた……のではなく、奪われたのか……ふ〜〜ん)
 ハッ
康雄「あ!?」
王流(おうる)「ん!?」
 王流(おうる)に気が付いた康雄はすぐさま王流(おうる)の方を向く
康雄「す、すみません……うるさかった……ですよね?」
王流(おうる)「あ、いえ、お構いなく……」
 その後、康雄は逃げるようにその場を去って行った……
 それを眺めていた王流(おうる)は……しかし、やはり、特に興味が無かったので、颯爽とジュースを買い、自室へと戻る
のであった……

 そして……その夜……
隆夫「……あ〜〜、ちょっと酔いすぎたかなっとぉ……」
 フラフラしながら自室のベッドへ向かう隆夫……とそのとき
 バッ
 ドズウウッ
 背後から襲い掛かる男
隆夫「ぐお!?」
 一撃必殺……ナイフが心臓を貫く
 ドサリッ
*「はぁ……はぁ……はぁ……」
 突如、殺人事件発生……
 すみませんが、この中に探偵の方はいらっしゃいませんでしょうか?
 ……いや、そんな都合よく探偵なんているわけがないからね!


続

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