Eighter -Extra Voyage-
28ther 〜叩割と殴潰の折衝 A〜



#0
 刃金鐵郎(てつろう)……『木刀一本で何でも叩き割る漢』の異名を持つフザけた殺人者。なぜかゼンガーなセリフを多用す
る漢でもある。
 ……これはそんな彼の活躍を描いた(描くな!描くな!)エピゲイル
※エピ『ゲイル』じゃなく、エピ『ソード』だからッ!!ってかシールドストライカー!?……もはやソードから
 かけ離れ過ぎているぞ

#1
 天四斗(あまよと)、某所
*「ぬうおおあああああ!!!!」
 ドカドカドカドカドカドカドカドカドカッ
*「おごっ……ああがぁああ!!?」
 原型を留めない位までに殴り続ける漢
*「はあああ!!」
 ドグチャアアアアッ
 最早息絶えて久しいその死体に鞭打つ野蛮な振る舞い……
*「ハッハッハッハッハ!!!この俺こそは刃金鐵郎(てつろう)の弟子よぉおおお!!!」
 そして……散々人を殴り潰しておきながら何事も無かったかのようにその漢はその場を去っていく

警官「……またですね……志摩警部」
志摩椅埴亜(いじえ)「……ああ……」
警官「……ヒデぇな……こりゃ……」
 現場検証を行っていた警官がその凄惨な光景に眼をそむける……
警官「ああ……免許証が無い限りガイ者を特定することは出来なかった……」
椅埴亜(いじえ)「……また……刃金鐵郎(てつろう)の弟子……による犯行……」
 忌々しげにその名を告げる志摩警部……
警官「……何でも叩き割る漢……刃金鐵郎(てつろう)……その弟子か……」
椅埴亜(いじえ)「くそっ……どうしてこうもフザけた野郎どもがのさばってしまうんだ!!」
警官「……ええ、今月に入ってもう10件以上起きていますからね……この事件……」
警官「鐵郎(てつろう)が叩き割るエキスパートならば、その弟子は……殴り潰すエキスパートというべきでしょうかね」
椅埴亜(いじえ)「……ヤツの目的は何だ?……売名行為……か?」
警官「さぁ……そんなこと……全然分かりませんよ……」
 目的が分からないから、対処方法も分からない……警官一行は……困り果てていた……

 ……そんなころ……暗黒街のとあるバーでは……
 天四斗(あまよと)、暗黒街・某バー
*「ハァ〜〜〜〜ッハッハッハッハッハ!」
 ドガゴンッ
 笑いながら近くにいるヤツを殴り飛ばす漢
*「おい、そこの……ここを一体どこだと思ってんだ?ああ?」
*「この俺さまこそあの何でも叩き割る漢……」
一同「なっ!?」
*「刃金鐵郎(てつろう)の弟子!鍔元簸面(ひたつら)よぉ!」
一同「弟子って……」
 まさか……刃金鐵郎(てつろう)……かと思っていたら、その弟子であり、拍子抜けする一行……
鍔元簸面(ひたつら)「何だぁ!?文句あるならかかってこいや……1人残らず殴り潰してやるぜ!」
 余裕の簸面(ひたつら)……流石にその態度に一行はキれる
*「ハッ……上等だ!!」
*「行くぜぇ!野郎ども」
一同「うおおおおお!!」
簸面(ひたつら)「ハッ!」
 ドゴチャッ
 ガグシャアッ
 ボギョウエアアアア!!!
 ……しかし……勝負は……一瞬で決まった……

#2
一同「……」
 ドタバタッ
 生き残ったのは……簸面(ひたつら)ただ1人……
*「ひっ……ひいい……」
簸面(ひたつら)「フン……俺の縛過秘滅(しばかねひめ)の前に敵はねぇ……」
 ぐっと血にまみれた拳を握り、簸面(ひたつら)が呟く
鐵郎(てつろう)の流派が『打斬術法(だざんじゅつほう)』で……簸面(ひたつら)の流派が『縛過秘滅(しばかねひめ)』……某作品を思い浮かべるのは……気のせいではな
 かろう……
簸面(ひたつら)「おい、バーテン、酒だ!」
*「は、ははは……はいッ!!……ただいまっ!!」
 簸面(ひたつら)の力を前に、震えることしかできないバーテンであった……
 カランコロン……
 と、そこに現れる鐵郎(てつろう)……
*「て……鐵郎(てつろう)さん……あなた……弟子の躾くらい……」
刃金鐵郎(てつろう)「弟子ぃい!?」
 ドゴアアアアアッ
簸面(ひたつら)「探したぜぇ!!!鐵郎(てつろう)ぉおおおお!!!」
 イキナリカウンター席を破壊して対峙する簸面(ひたつら)
鐵郎(てつろう)「……何だ?キサマ!?」
簸面(ひたつら)「忘れたとは言わせんぞ!3年前……我が兄、唐藍(とうらん)兄さんを殺した……」
鐵郎(てつろう)「ああ……そんなヤツもいたな……」
簸面(ひたつら)「俺はあれからアンタを殺すと心に誓った……そして、アンタの弟子を名乗り、破壊の数々を行えば自ずとア
ンタにぶち当たるとふんだ……」
鐵郎(てつろう)「……そうか……巷で俺の弟子の名を語っていやがったのは貴様か……」
簸面(ひたつら)「死んでもらうぜ!!!鐵郎(てつろう)!!!」
鐵郎(てつろう)「なめるなよ!我が新たなる愛刀……割存嘴(かっそんし)にてキサマを叩き割る!!」
簸面(ひたつら)「うおおおお!!!!」
 ゴアッ
 一気に殴りかかる簸面(ひたつら)
鐵郎(てつろう)「我が名は刃金鐵郎(てつろう)……全てを割く脅威なりィ!」
 ゴガギンッ
 そのまま組み合う2人
鐵郎(てつろう)「ぬ……ぬうう……少しは出来るじゃねぇか……俺の木刀を受けてなお割けないとは……」
簸面(ひたつら)「ヘッ……伊達にアンタの弟子を名乗っているわけじゃねぇんだよ!!」
 ザガガッ
 そして距離を取る2人
鐵郎(てつろう)「……よかろう……ぶっ殺す!!!」
簸面(ひたつら)「やってみやがれぇ!!!」
*「……」
 ガタガタガタガタ……
 ただ震えることしか出来ないバーテン……
簸面(ひたつら)鐵郎(てつろう)「推して参るぅううう!!!」
 ゴギャイイインッ
 ……果たして……この宿命の対決は……一体どう決着がつくのか!?


続

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