Eighter -Extra Voyage-
27ther 〜とある兄弟の料理 A〜



#0
 Eighter激突戦敗走後、次なる手としてLODに手を染めた漆黒の撃力(ブラックインパルス)……その話はその話
としておいといて……今回は……あるはた迷惑な兄弟の邂逅(再会?)を綴ったエピ聖剣(キャリバーン)
※エピ『キャリバーン』じゃなく、エピ『ソード』だからッ!!ってかアナザーストライカー!?

#1
 東京都、某所
警官「……大江山警部……見てください……」
大江山賽伍「うっぷ……何だ……この惨状は……」
 ミンチにされている被害者……もはや何人殺されているのか分からない状況である……
 そして……現場に残されているモノが……犯人が誰であるかを指示している……
警官「ここにある5円玉6枚……やはりコレは……」
賽伍「殺人料理人……未知葉呂(みちばろ)九三郎の仕業……か……」
 三途の河の渡し賃、六門銭をなぞって5円玉を6枚殺人現場に残すのが未知葉呂(みちばろ)九三郎の特徴である……
 ズカズカズカズカッ
 と、そこに現れるは……
警官「みみみ……未知葉呂(みちばろ)……九三郎!!」
一同「な……何ぃい!!!」
 事件現場に突如として登場する未知葉呂(みちばろ)九三郎に……一同は騒然……
*「ち、違う!!ちょ、待て……俺は……未知葉呂(みちばろ)九三郎の弟、未知葉呂(みちばろ)九四郎だ!!」
 だが……その、似て非なる男は九三郎ではないらしい……
一同「……はい!?」

 とりあえず危害が無いと分かった警官一同が九四郎の話を聞くことに……
警官「ははぁ……兄さんは間違っている……だから、俺がそれを正そうと……立ちあがったわけだ……」
賽伍「く〜〜〜、いい話じゃないですか……兄の非行を弟が正す……」
婦警「そしてめくるめく禁断の恋♪」
一同「ちょ、待てや!!」
 BL趣味な婦警が突如トンでもないことを口走る……それに一行はドン引き状態に……
未知葉呂(みちばろ)九四郎「それで、九三郎兄さんを追っているんです」
 決意を胸に、九四郎は語る
賽伍「なるほどな……」
警官「……その前に……2、3質問……いいですか?」
 と、ここで、ぽつりと漏らす警官……
九四郎「……なんでしょう?」
警官「背中に背負っているものって……」
 確かに、九四郎は背中に身長の倍くらいはある巨大な鉾槍を背負っている……
九四郎「包丁……」
一同「……さいですか……」
警官「……ちなみに、九三郎、九四郎……ってことは……他にも兄弟は……?」
 素朴な疑問を口にする警官……すると、九四郎の顔が曇る……
警官「……あ……あれ!?」
九四郎「……九太郎、九次郎兄さんもいたんですが……ある殺人料理人に殺されてしまったんです……」
 あれは……哀しい出来事でした……と九四郎は涙ながらに語る
賽伍「そ……そうか……そうなのか……す、すまんな……つらい出来事を思い出させてしまって……」
 九三郎に……殺されてしまったのか……と、一行……

#2
九四郎「いえいえ、いいです……俺が……」
警官「いや、何も言うな……」
 しかし、これが壮絶な勘違いであった……と後に気付くのだが……今はまだ早い……
 バムッ!
警官「大江山警部!!発見しました!!九三郎です!!!」
 と、そこへ、駆けつける警官
一同「な……何いぃい!!?」
九四郎「兄さん……」
賽伍「よし!とにかく、現場に急行するぞ!」
一同「おう!」
警官「弟さんも……早く……」
九四郎「は、はい」
 ウ〜〜〜ウ〜〜〜ウ〜〜〜ウ〜〜
 と、言うわけで、一行は九三郎を発見した現場へと急行する

 ドカドカドカドカッ
賽伍「未知葉呂(みちばろ)九三郎!キサマは完全に包囲されている!!」
未知葉呂(みちばろ)九三郎「ハッ!包囲することしか能の無いサツがぁ!」
警官「ほぉう……こっちには弟……あ、弟さん……」
 ダダダダッ
 警官を振り払って兄の下へ行く九四郎
九三郎「……九四郎か……」
九四郎「……兄さん……兄さんは……間違っている!!」
警官「お、弟さぁ〜〜ん……」
九三郎「ほう!?どのように?」
九四郎「兄さんはかつてこう言った……『この世には必要な人間とそうでない人間が居る』……だがっ、それは間
違っている!!」
警官(お、いいぞ……いいぞ……あの殺人料理人も健気な弟の前では……)
警官(あと一歩だ!!全員……気を引き締めろ……)
一同(ハッ!)
九三郎「どう違うってんだ!?ああ?」
九四郎「それは……『この世には俺以外必要ない……』だから兄さん!アンタの言っていることは間違っているん
だぁ!!」
一同「……はぁ!?」
 一同ぽかん……
九三郎「フ……フフフフ……フハハハハハ!!!バカかてめぇ!自分以外必要無いだと!?……ハハハ」
警官「兄の非行を正すのかと思いきや……」
賽伍「この兄にしてこの弟あり……ってやつですかね!」
九三郎「てめぇ!それじゃあ子孫をどうやって残すんだ!ああ!!?」
九四郎「うっく……」
一同「……どんな諭し方だあああ!!!」
九三郎「……ま、いい……」
九四郎「ああ、そんなことよりも……まずは……」
 ……かくて、惨劇が……始まる!


続

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