Eighter -Chaos Desorder-
56ther 〜氷と闇と邪悪な魂 B〜
#3
ある日、ルシャから緊急の入電が……どうやら八大帝国の脅威として長年封印されていた第九帝国、
ディルンバデロに新たなる領主が誕生したとのこと……世界を滅ぼしかねないその帝国の領主はもしかしたら
與鷹のかつての知人かもしれない……そして、與鷹(はかんなと共にディルンバデロに飛び……そして、與鷹(
の危惧は的中し……與鷹(の前にディルンバデロの新領主たる伍佰(羅漢が立ちはだかる
梓與鷹(「羅漢!やめろ!!!第九帝国は滅びしか生まない国だというのは研究したお前でも分かっているはずだ」
伍佰(羅漢「それがどうした!?與鷹(!キサマは俺が第九帝国を研究し、復活しないように努力しようとしていた
としたらどうだ!?キサマのやったことは許されんぞ!!」
與鷹(「うっ……」
正論を突かれ、反論できずにいる與鷹(……確かに、與鷹(は羅漢のレポートを廃棄してしまったという負い目が
ある……
白拍子かんな「……リーダー」
與鷹(「かんな?」
と、そんな時、かんなが助け舟を出す
かんな「リーダーは羅漢さんの研究データを読んだ後に廃棄しようと思ったわけですよね?」
與鷹(「ああ、そうだ……」
かんな「それはつまり、羅漢さんはディルンバデロを封印しようとしていたのではなく、黄泉帰らせようとして
いたということではないですか?」
與鷹(「……ん?」
かんな「つまり、羅漢さんの資料に『第九帝国は脅威であり禁断である、復活させてはならない』などの言葉が
書いてあったとすれば廃棄しなかった……と思うのです……」
羅漢「ぐっ……」
今度は羅漢が苦渋の表情を浮かべるう番であった……與鷹(は何も羅漢のことを全否定したわけではなく、
第九帝国の危険性故に、非情なる処置をとったのである
與鷹(「……確かに……」
羅漢「ぬ……ぬぬぬ……」
與鷹(が忘れているだろうと思われていた真実を白日のもとに晒され……羅漢は後退る
與鷹(「……羅漢!やはり、お前を……とめなくてはならない!!」
羅漢「……何がいけない!?漢として生まれたのならば、世界の1つや2つ手に入れてこそだ!!」
どどん!と世界征服の夢を語る羅漢……そんな羅漢にかんなは鉄鎚を下すべく立ち上がる
かんな「……そんなことのために世界を滅ぼそうなんて……」
スラッ
炎の記憶を抜刀し、構えるかんな
羅漢「ハッ!来るか!?小娘!?」
かんな「あなたの野望はここで打ち砕きます……」
ゴッ
一足飛びにかかる
與鷹(「か……かんな……!?」
ガギンッ
禍々しいオーラを放つ赤い刃の刀で受ける羅漢。
あの禍々しい赤い兵器は……まさか!?と與鷹(……
#4
かんな「こ……れは!?」
羅漢「フハァ〜〜〜〜ッハッハッハ!!そうよ!これこそが黒の獣王(をも超える究極の魔剣!その名も……
紅闇刃(!!!」
與鷹(「くっ……紅闇刃(……か」
與鷹((ディルンバデロの巨大な闇の力を秘めた兵器とは……やはり、紅闇刃(のことだったのか……)
やはり、あの兵器は羅漢の手に渡っていたか……と與鷹(は険しい表情でそれを見る
羅漢「おるぁああ!!」
ドオンッ
かんな「ぐ……っく……」
ズザザザザッ
弾き飛ばされるかんな
與鷹(「かんな……紅闇刃(は……危険極まりない……闇の兵器だ……」
かんな「……分かっています……ですが、斃(さねばなりません」
コアアアアッ
覚悟を決め、歳殺月天(覚醒!
羅漢「ほぉう!……神の力ってわけか!?……面白い……この、紅闇刃(……神をも切り裂く人の兵器
であることを思い知らせてやる!」
與鷹(「かんな……一旦退くんだ……あの紅闇刃(は……黒の獣王(を超えし魔剣……お前の炎の記憶でも
敵うかどうか……」
與鷹(は危惧する……資料でしか読み、知らない究極の兵器……紅闇刃(の恐ろしさを……
かんな「大丈夫です。紅闇刃(はまだ未完成です。……だからこそ今、叩き壊しておかなくてはなりません」
羅漢「未完成……だと!?」
羅漢(この小娘……知ってやがる……まだ……紅闇刃(に『刃が立っていない』ということを……)
かんな「はっ!」
ドンッ
さっきとは比べ物にならないスピードで斬りかかる
羅漢「ハッハァー!!」
ガギンッ
ギギインッ
そして組み合う2人
羅漢「この紅闇刃(が未完成かどうか……とくと思い知れぇえ!!」
ドオンッ
かんな「ぐっ?」
剣気だけで弾き飛ばす
ザザザッ
かんな「はっ!龍咬舞刃(」
キュオアアアアアッ
吹き飛ばされながらも体勢を立て直し、光の龍を解き放つ
羅漢「……フン、下らんわ!!!!」
ドゴギャアアッ
與鷹(「なっ!?」
闇の剣気だけで龍を消し飛ばし、そのまま剣閃を飛ばす
かんな「はっ!?」
ビキッ
與鷹(「な……あ!?」
闇の剣気が……炎の記憶に罅を入れる
羅漢「死ねっ!」
ゴアッ
バキャアアアアッ
かんな「ぐ……ううう……」
一足飛びにかかった羅漢を回避……だが、炎の記憶だけは回避が間に合わず、その刃が砕かれてしまう
羅漢「フフフ……フハハハハハ!!!」
かんな「……」
……かんな……絶体絶命のピンチ……果たして……どうなるの!!?
続
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