Eighter -Chaos Desorder-
30ther 〜女壬生狼みぶろは凱旋す B〜



#3
月宮脆太つきのみや・ぜいた「もう一度だけ聞くぜ……孤高の剣鬼……貴様はどっちかって言うと、俺達の側の人間だぁ……
 俺と一緒に滅殺料理しないか?」
ビシイッ
巨大な蕎麦そば切り包丁を突き付けて脆太ぜいたが咆える
冥時みょうじ萌「フン……何度言われようとも、答えは却下だ……俺は、俺の為にしか刀を振るわん!!」
殺気全開+邪眼解封……そして、おなじみの四屠しとの陣で啖呵を切る萌
脆太ぜいた「そうか……それは実に残念だ……お前の姉に……お前の死体を引っ提げないといけないことになる
 なんて……」
※ちなみに、依頼した人物ってのがなえ……ってなわけではありません。
萌「ハアッ!斬空破ざんくうは」
ズドドドドッ
脆太ぜいたの言葉を遮り、萌が技を繰り出す。
脆太ぜいた「そんなそよ風でぇ……俺の甦刃唖樹そばあじゅを破壊できると思うなッ!」
ブオアアッ
蕎麦そば切り包丁・甦刃唖樹そばあじゅを振り回して迫る剣閃をかき消す脆太ぜいた
※『ソバージュ』って……どんな名称だ!誰だ!?こんな名前の武器を作った奴ぁ!?
萌「おおお!!轟計都ごうけいと脆太ぜいた「やっこ斬り」
ズバババッ
そして、互いに十文字斬りを放ち……
ギリギリギリギリ……
萌、脆太ぜいた「ぬぅうう……」
しばし組み合う両雄
萌「……ぬおああああ!!」
脆太ぜいた「おうりゃあああ!!!」
ガガガガガッ
ギギギギイインッ
そのまま、両者は鍔迫り合いへと移行する……
・
・・
・・・
武田柳璃るり月宮脆太つきのみや・ぜいた……殺人料理人、未知葉呂みちばろ九三郎の弟子の1人……か」
他の者たちが死合を傍観するなか、ぽつりと柳璃るりが言う……
芹沢しぎ「ヒック……6番目の漢って言っていたけど……アレって……?」
斎藤そう「ヤツは弟子の6人目ってことか?」
柳璃るり「いや、脆太ぜいた……はζ……ζといえばMSZ-006で有名なZガンダム……ゆえに6番目の漢」
一同「……」
そして、死合に戻ると……
萌「おおおっ!」
ドガンッ
脆太ぜいた「うはあ!?」
力かませに脆太ぜいたを弾き飛ばす萌
萌「主歳殺しゅさいさつ!」
ドゴアアッ
そのまま飛び掛り刺突を放つ萌
脆太ぜいた「はっ」
バババッ
それを回避する脆太ぜいた
脆太ぜいた「フッフッフッフ……貴様は標的食材、俺は殺人者料理人……標的食材は大人しく殺人者料理人滅殺料理されるのが常識って
 モンだ!」
再び対峙した両雄……そして、脆太ぜいたが叫ぶ
萌「……」
だが、萌は答えない……

#4
萌「殺人料理人、未知葉呂みちばろ九三郎の弟子……どれほどのものかと思ったが……この程度とは……拍子抜け
 にもほどがある……」
暫くした後、萌が口を開く……
斎藤そう(……なっ!?……奴の動きは……私達でも……追うのが精いっぱいだと言うのに……これ
 が……『孤高の剣鬼』か!?)
観戦している方も……驚きを隠せない……
脆太ぜいた「ほざけぇ……そんなことを言っていられるのも今のうちだぞ!孤高の剣鬼!」
萌「フン……だったら、やってみな……」
ズズズッ挑発する萌……
脆太ぜいた「ハッ!忍び包丁」
サクサクッ
萌「無駄だっ!!」
そして、挑発に乗った脆太ぜいたが動く……小さな切れ目……は萌の衣服のみにつけられる……だが、死合に
集中している萌に羞恥心は存在しない。
脆太ぜいた「ぬぐ……ならば……二枚おろし!」
ドッ
すぐさま甦刃唖樹そばあじゅを持ち直し、一刀両断をしかかる
萌「小賢しいっ!」
ドガアッ
左右の2本、2本で横に薙ぎ払って弾き飛ばす
脆太ぜいた「お……おおお!!?」
サダンッ
ザザザッ
吹き飛ばされつつも体勢を立て直す
脆太ぜいた「ふざけやがってぇ……標的食材は大人しく殺人者料理人滅殺料理されろや!!」
ドウンッ
体勢を立て直すや否や、一気に飛び掛る脆太ぜいた
脆太ぜいた「はあああ!!短冊斬り!!」
ドドドドドッ
萌を目がけて斬り下ろしを無数に行う
一同「ああっ!!?」
脆太ぜいた「どう……」
萌「俺はここだぁ!」
が、しかし、萌は微塵に切り裂かれず……背後から声がする
脆太ぜいた「なあ!!?」
ドゴアアアアアッ
脆太ぜいた「ごはあ!?」
咄嗟に甦刃唖樹そばあじゅを盾代わりにガード……だが、ガードも虚しく弾き飛ばされる
ドダダンダンダン……
脆太ぜいた「ぐ……くく……」
柳璃るり(こ……孤高の剣鬼……強い……強いわ!!)
つくづく、萌が敵にならなくてよかった……と思う閣氏カクシ新撰組の面々……
脆太ぜいた(クッ……孤高の剣鬼……非情の剣鬼と同じくらいの強さだと思いきや……違うじゃねぇか!……
 ええい……忌々しいッ!)
ぐぐっ……
甦刃唖樹そばあじゅを構えなおす脆太ぜいた……
事前に萌の姉であるなえの情報も多少なりとも仕入れていた脆太ぜいたは、なえと萌とで力の差があまりないだろうと高を
括っていたことを後悔していた……
脆太ぜいた「フッ……だが、そろそろ死んでもらうぞ!!……料理には手際が必要だからな……」
ゴゴゴゴゴッ
脆太ぜいたの殺気が……膨れ上がる
萌「フン……貴様こそ……最後の料理が自分自身だった……ってなことにならないように、精々気を
 つけるんだな……」
ぐくおおっ
萌の邪気も殺気と一緒に膨れ上がる
しぎ(ヒック……そろそろ……ケリがつくかなぁ!?)
……萌は脆太ぜいたを斃せるのか……それとも……


続

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