Eighter -Chaos Desorder-
27ther 〜車上荒らしの災難 A〜



#0
これは……とある車上荒らしが小学生によって撃退……いや、撃滅されるという事件を綴ったファイルで
ある……?

#1
天四斗あまよと・繁華街、某デパート駐車場
*「いい、みずち、お母さんはちょっと行って来るけど、大人しく車の中で待っているのよ」
*「はぁ〜〜い」
親の名前は安村さわら……娘の名前はみずち……さわらさんはちょっと買い物のためにみずちに留守番を頼んだのだが……
まさか、これが、あんな事件に発展するなどとは……
※いや、別に車の中にいたせいでみずちが熱中症でたおれるとかそんな事態になった……ってな意味じゃないからね
・
・・
・・・
*(へっへっへ……今日のエモノはあの外車……金めのものがおいてあると見た……)
暫く車の中で過ごしていると……(自分以外)誰もいない駐車場に怪しげな漢が……
安村みずち「……あれ!?あの人……なにしてるんだろ!?」
ガチャリッ
何となく興味が出てきたみずちは母親の言い付けを破り、車の外へと飛び出していく
カチャカチャッ
ガチャリッ
*「フフッ……」
ピッキングを駆使して車のドアを開ける漢
*「おおお、サイフに印鑑に通帳……ってなんだかアブなげな匂いがするんだがなぁ……」
中には『盗っていけ!』と言わんばかりに……多額の金の振り込まれている通帳と、象牙の印鑑と、幸運を呼ぶ
とかで一時期はやった黄色い財布が……
※巨額の金の記載のある通帳と象牙の印鑑だけならちょっとアヤしいけど金持ちなんだなぁ……なんて思うけど
 幸運を呼ぶとか言う黄色い財布があるおかげで一気に富豪から切りつめてのし上がってきました〜〜的な感じ
 になっちゃうのはなんでなの!?
みずち「ねぇ、何してるの?おじちゃん!?」
*「うおあう!!?」
カシャ〜〜ンッ
突如、背後から声をかけられ、ビックリしてキーピックを落とす漢、そして振り向くと……
みずち「ねぇ?」
*「なんだ、驚かすなよ、お嬢ちゃん……」
車の持ち主かと思った漢は一瞬焦ったのだが、子供だと分かるや否や急に態度を変える
*「おじさんはねぇ……鍵を車の中に入れたまま鍵かけちゃったからこうやって鍵あけているんだよ……
 分かる?」
みずち「うん、知ってるよ、そういうのを『車上荒らし』って言うんだよ……」
ピクッ
*「このアマぁ!!余計なことを言わなければ死なずにすんだというのに……」
グオッ
表情が変わる漢……そして、必殺の一撃が……
ビタリッ
殴りかかるが左手で受け止められる
*「ぐ……な……何だ!?動かない……ぞ!?馬鹿……な!?」
ググググッ
子供小学生とは思えない力……明らかに力は自分の方が上だと思っていた漢は驚きを隠せない……

#2
みずち「えへへ〜〜〜横一文字」
シュランッ
*「おごへえあああ!?」
そんなことを考えている内にみずちは持っていた刀で横一文字を放ち、漢を撃退
みずち「おじちゃんの負けだよ〜〜〜」
*「ひ……ひいいいい!!!!?」
ドダダダダダダッ
かくて、脱兎の如く逃げる男であった……
※ってか、みずち……お前、それ、銃刀法違反だろ!?刀持ってるなんて……
みずち「あ〜〜あ、行っちゃった……」
パチリッ
納刀するみずち……
と、そのときさわらさんが丁度帰ってくる。そのままぽかりと頭を叩き、叫ぶ
安村さわら「こら!みずち!あれほど車の中で待っているようにいったでしょ!!」
みずち「……ごめんなさい・・」
※ってか銃刀法違反のついては怒らないのかよ!?この親……
さわら「さ、今日はもう帰るわよ」
みずち「はぁ〜〜い」
と、言うわけで、何事も無かったかの如く、親子は帰っていく……
・
・・
・・・
そのころ……交番前
*「はぁ……はぁ……はぁ……」
警官「どうしました!?うわっ!出血しているじゃないですか!?」
*「よ……よせ、俺に構うな!!」
警官「そんなわけにもいかないでしょう……ん?あなた……どこかでお会いしましたっけ!?」
*(ヤバイ……車上荒らしとして有名だからな……俺……)
*「ああぁあああ!!?」
警官「はい!?」
交番の中の机の上にある書類……それは紛れも無くその漢の罪状と顔写真のデータだった……
*(やややや……やばぁいい……)
警官「どうかしました?」
*「いや……俺……俺のことは構わないでくれ……これは……そう、持病の……切腹症候群って
 言ってだな……いわゆるリストカット症候群の親戚というか……」
警官「だったらなおさらです……今すぐ病院に行って……」
*(……深みにはまったぁ……)
と、そのとき……
警官「おいおい、どうした!?」
警官「あ、先輩、この人がですねどうやら切腹症候群だか何とか言う病気の……」
警官「ああん!?」
漢の顔を覗き込む
*「わわ……私の顔、そんなに珍しいですかね!?」
警官「こいつはぁ!!今指名手配中の車上荒らしだぞ!」
*「うはっ!」
警官「ええええ!?」
・
・・
・・・
結局、傷を負っていたせいもあり、漢はアッサリと御用となった……
*「ガキにやられた……本当だ……あのガキ……思い出すだけでも恐ろしい……」
警官「はぁ!?コナンじゃあるまいし……」
当然、漢の証言は信じられることも無く……まぁ、一応車上荒らしのお話は終わったのだが……この話は
まだ終わらない……


続

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