Eighter -Chaos Desorder-
12ther 〜九星は闇に惷いて C〜
#5
タッタッタッタッ
既に半分以上の九星団幹部を斃した一行は更に先を進み……
*「噛ませ犬の火渡や、武器に振り回されていた土山は……斃されて当然……」
梓與鷹(「お前は……!?」
一行の目の前に1人の漢……
*「俺か?……俺は天宮裕……」
白拍子かんな「って、火渡さんが言っていた……双狼拳(の……」
天宮裕「そうだ!双狼拳(の……羅門(天地の2番弟子よ!」
盛大に宣言する天宮裕
雨水朧(「2番弟子って……1番は誰よ!!」
物凄く気になって仕方がない朧(はたまらず質問してみる。
※……ってか武器に振り回されているってことを気づいていたのなら忠告しようよ……裕……
裕「……知るか……俺も逢ったことは無いが……何でも並外れた才能の持ち主で……しかも謙虚、
入門後1年もしないうちに何でも師匠を超えたとの噂も……ある」
與鷹(「……双狼拳(ならば……ここは俺が相手だな……」
と、言うわけで、與鷹(、出陣
裕「ふん……お前も双狼拳(の使い手らしいが……2番弟子のこの俺にどこまで通用するかな!?」
與鷹(「……じゃ、見せてもらおうか……」
バッ
また、ジャケットを脱ぎ捨てる
※いや、與鷹(、かんなが運でキャッチしているからいいものの……最初からかんなに渡しておこうよ……
……あれ!?そういえば……與鷹(のYシャツって櫺(に破かれたんじゃなかったっけ!?……
まぁ、死合に来たんだから予備のYシャツくらいあるわな……
裕、與鷹(「……」
そして、そのまま2人は一足一刀の間合いを維持したまま、微動だにしない……
一同「……」
そして、一同が固唾をのんで見守っていると……両雄、一気に動く
裕、與鷹(「ハッ!狼牙砕(」
ゴガゴオンッ
両者、一気に飛びかかり、防御無視の一撃を叩き込む。
裕「……ほおう?互角……か!?」
そして2人の右の拳はぶつかり合い、そのまま静止する
與鷹(「……なるほど……これが2番弟子……か……」
冷静に分析する與鷹(……
ババッ
そして、そのまま距離を取る。
裕「フン、今のはほんの小手調べに過ぎん!!華狼肆(!!」
ボゴゴゴゴッ
與鷹(の両手、両足の骨を砕かんと拳を繰り出す裕
與鷹(「点駈狼(」
ズバヒュアッ
裕「ぬうぅ!!?」
闘気の刃で裕を斬り飛ばす
ザザザザッ
飛ばされつつも体勢を立て直す裕
裕「フン、お前もなかなかに強いが……まだ俺の方が上だ!!」
裕(何だ!?コイツ……強いじゃねぇか……師匠……いつのまにこんな漢を育てやがった!?)
叫びつつ、内心はちょっとびっくりしていた……
#6
裕「ぬぅ……」
ゴゴゴゴゴゴッ
その後、気を引き締めて、殺気を高める裕
與鷹(「……」
ゴゴゴゴゴゴゴッ
與鷹(も殺気を吊り上げる
裕「だが、そろそろ死んでもらおうか!五狼十字(」
ドゴゴゴゴゴッ
與鷹(の頭、心臓、腹、両腕と5つの部分に強力拳撃を繰り出す裕
與鷹(「魔狼幻惑(!」
ふおおんっ
裕「なっ!!?」
突如、與鷹(の分身が無数に現れだし……
ドゴギャギャギャギャギャギャギャギャッ
一気に裕に襲い掛かる
裕「ごっ……うっ!!?」
まともに拳を喰らい吹き飛ぶ裕
裕「ば……馬鹿な……」
そのまま片膝を着く裕……双狼拳(……の師匠の2番弟子を名乗る裕をこうも簡単に……
裕(何だ!?何なんだ!?こいつの強さは……まるで……師匠……!?そんな……ありえん!?)
百鬼あろえ「ねぇ、かんな……ひょっとしたら……ひょっとしなくても……1番弟子ってリーダー……
だったりするの?」
ふと、思ったことを投げかけるあろえ
かんな「……ん〜〜、正しく言うと、双狼拳(……羅門(天地の1番弟子は今は存在しません」
裕「は!?どういう!?」
與鷹(が1番弟子なのか!?という雰囲気をぶち壊すかんな……
朧(「……今は!?」
かつては存在していたという口ぶりに朧(は疑問をぶつけてみる。
かんな「……あ、でも、もう羅門(天地の何番弟子……なんて称号は意味をなさないのかもしれませんよ」
裕「それこそどういうこった!?」
かんな「……リーダー……私から言うよりも、リーダーから言って聞かせてください」
與鷹(「……そうだな……」
そして、與鷹(は一呼吸置き、裕を見つめる
與鷹(「……改めて自己紹介をしよう……俺は梓與鷹(……双狼拳(の正統な伝承者だ……」
一同「なっ!?」
だからこそ、『羅門(天地の何番弟子』なんて称号はもはや意味をなさない……與鷹(が新たな後継者となって
双狼拳(を語り継いでいくからだ……
※ってか、裕、與鷹(が伝承者になったことを知らされていなかったのか!?
裕「……ふ……ふざけるな!!與鷹(……俺より先に伝承者になるとはどういう了見だ!!」
がぁっと吠える裕
一同「いやいや、言っている意味が不明だし……」
裕「ならば……俺はてめぇを斃し、新たな伝承者となる!!」
ゴアッ
一足飛びに掛かる裕
與鷹(「……いや、それは当分無理だな……」
ドガアッ
しかし、強力なカウンターを食らわされる
裕「あ……ごげ!!?」
ドサリ……
勝負は……一瞬だった……
裕「……與鷹(……覚えておけ……次に……合うときは……貴様を……超える!!!」
……裕……そう叫び、去っていく……
一同「……」
そして、一行は次へ……
続
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