Eighter -Blindness Wizard-
54ther 〜黄泉帰る魔導遺産 A〜



#0
 シレントワイザードが最終目的のために静かに動き出した。
※いや、前回大騒動だったんでとても静かにとは言い難い。
 しかし、そのことをまだEighterは知らない。
 だが、(ひょん)なことからEighter一行はそれを知ることとなる。
 果たして、誰がそれを伝えたのか……って、言わなくてもわかるか……

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
エスティリオ・アリーフ・ザンスパイン「邪魔をするのであ〜る!」
一同「なっ、お前は!?」
 突如現れたエスティリオ(とファル)に一同はびっくり。
梓與鷹(よたか)「貴様ッ」
 シレントワイザードの先兵としてEighter本部に乗り込んできたか、ならばいい度胸だと與鷹(よたか)が身構えるも、そ
んな目的のためにここにいるわけではないと、エスティリオはすぐさま否定する
エスティリオ「ま、待つのであ〜〜る」
ファルゼシア「落ち着いてマスターの話を聞いてほしい」
與鷹(よたか)「だ、誰……だ!?」
 彼女はエルザに似ているが、違う……
 ちなみに、シレントワイザードの中ではエスティリオだけがEighter本部の所在を知っていたのであ〜る。故に
間違えることなくここへやってきたのであ〜る。
※こうしてみるとエスティリオの立ち位置ってデモン〇インのDr.ウェ〇トみたいだな……
エスティリオ「ファルのことは今は後回しである。そんなことよりも今はワガハイの話を聞くのであ〜〜る」
與鷹(よたか)「聞くってもなぁ……」
白拍子かんな「リーダー、話だけも聞きましょう。それからでも遅くはないと思います」
與鷹(よたか)「……」
 かんながそこまで言うなら仕方がないという與鷹(よたか)。
 つくづくかんなには甘い與鷹(よたか)なのであった。
※え?じゃあ、かんな以外が伝えても聞く耳持たずだったの?

エスティリオ「では、心して聞くのである。奴らは現存する全ての七罪塔(しちざいとう)を手に入れたのである」
一同「なっ、まさか!?」
 その言葉は、聞き捨てならなかった。
ファルゼシア「これにより、彼らは最終目的のために動き出すでしょう……いえ、既に動き出しているはずです」
與鷹(よたか)「……」
 それが事実であるならば、うかうかしていられない。
與鷹(よたか)「ひとついいか」
エスティリオ「なんであるか?」
與鷹(よたか)「どうして、お前がそれを俺たちに伝える?」
 そう、それこそが今回の最大の疑問なのだ。

#2
ファルゼシア「ここからは私が話します」
エスティリオ「なっ、ファル!?」
ファルゼシア「マスターは嵌められたのです」
與鷹(よたか)「嵌められた?誰に?」
エスティリオ「ロズエリクの青瓢箪に、であるッ!」
 もともとエスティリオはシレントワイザードの中でも特殊な立ち位置にいた。
※ゼルシフォムとか裕も特殊な立ち位置ですが……
 エスティリオは大導師(グランドマスター)に忠誠を誓っていたのかっていわれると、正直なところは微妙だが友諠にて彼に仕えてい
たのは事実である。
 だが、大導師(グランドマスター)は基本皆の前に姿を現さない。
 そこで、大導師(グランドマスター)の参謀であるロズエリクが彼の意を伝え、シレントワイザードを動かしていた。つまり、実質的
にロズエリクがシレントワイザードを支配していたと言っても過言ではなかった。
エスティリオ「そして、七罪塔(しちざいとう)が全部揃った途端に奴は大導師(グランドマスター)をブチ殺し自分がその地位を奪ったのである。これ
はとても許せることではないのであ〜る!」
與鷹(よたか)「は、はぁ……」
 さっきファルが説明するって言ってたのに気が付いたらエスティリオが説明していた。
エスティリオ「しかもそれだけではないのであ〜るッ」
 ググっと拳を握りしめて力説するエスティリオ
エスティリオ「ロズエリクの青瓢箪め!大導師(グランドマスター)を殺した罪をワガハイにかぶせやがったのである!この所業、断じ
て許さじ!」
 つまり、シレントワイザードのところから命からがら逃げてきたってことか……と與鷹(よたか)が呟くと、ファルがこう
続ける
ファルゼシア「はい。エルザはその時、マスターを逃がすために犠牲になったのです……」
エスティリオ「おぉ、エルザぁ……お前の仇はワガハイがとってやるのであ〜〜る!」
 感極まって泣き出すエスティリオをよそに、與鷹(よたか)はファルについて問いかける。
ファルゼシア「はい、私はエルザMk-U、オプションパーツであるマスターと合体(ドッキング)することでスーパーエルザにな
る優れものなのです」
エスティリオ「いや、違うである。出鱈目にもほどがあ〜〜る!」
 思わず突っ込みを入れるエスティリオにファルは優しく彼の手を両手で握りこう続ける
ファルゼシア「私はずっと思っていたのです、貴方と合体したいと!」
エスティリオ「そ、それは嬉しいような、嬉しくないような……」
※お前はどこのアク〇リオンだよ!

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