Eighter -Blindness Wizard-
41ster 〜深遠の嘘殺(きょさつ)黒蜥蜴 B〜



#3
 報道陣の包囲網を突破した(えん)姉弟は、すぐさま天四斗(あまよと)のEighter本部を訪ねていた
※困ったときのEighter頼みってやつだ。
袁洲葎(えん・しゅうりつ)「オヤジのことを頼めるのはアンタらしかいないんだ」
梓與鷹(よたか)「ええと、父親のスパイ容疑を晴らしてほしい……のではなく、父親を捜してほしいというのが依頼内容で
間違いないんですか?」
 姉弟はこれまでの経緯を話した上でそう依頼してきた。
袁高藷(えん・こうしょ)「どうせまた、今回も証拠不十分で不起訴になる思うんで……」
與鷹(よたか)「いや……」
 今までがそうだったからといって、これまでもそうだとは限らないんだが……
 頭をくしゃくしゃとかき乱しながら與鷹(よたか)はため息をつく
與鷹(よたか)「まぁ、アンタらがそれでいいなら、俺は別に構わんが……」
白拍子かんな「ですが、そもそも、その皇殉(こうじゅん)という組織は中国政府直轄でも何でもない、秘密結社みたいですが…
…」
一同「何だって!?」
 かんながレムリアから入手した情報を開示すると、当然のことながら、この反応である。
 やれやれ、こいつは面倒なことになりそうだな……と與鷹(よたか)は天を仰ぐ。
 と、その時、入り口のドアが開き、総介が入ってくる
(かみ)総介「フッ、どうやら役者は揃っているようだな」
 まるで狙いすましたかのようなタイミングでの登場である。
與鷹(よたか)「……総、お前がここへ来たってことは……」
総介「あぁ、そういうことだ!」
 いや、なんとなく言いたいことは分かるんだけど、そんなことよりも、やっぱり梶太郎(かぢだろう)も来ているんだろうなぁ
……なんて思う與鷹(よたか)なのであった。
高藷(こうしょ)「なぜ父はそんな秘密結社に狙われているのか、あなたは知っているんですか?」
総介「さてね……」
 あっ、それは知ってる顔だ……と與鷹(よたか)は思う。
 しかし、言わないというか言えないのにもそれなりの理由があるのだろう……
山咲(やまざき)桜「秘密結社、皇殉(こうじゅん)に狙われていると悟った袁宸汪(えん・じんおう)は自ら姿を隠した……ならば、皇殉(こうじゅん)を叩き潰さない限り彼は戻
ってこないでしょう……」
高藷(こうしょ)洲葎(しゅうりつ)「そんな……」
総介(そして、奴らの裏にいるのは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)だ!)
與鷹(よたか)(何だって!?)
 こっそりと告げられた真実に與鷹(よたか)は驚きを隠せない。
 いや、実を言うと、総介がやってくるってことはそういうことなんだろうなぁ……と心のどこかで思ってもいた
ため、それ程驚きは大きくはなかったのだが……

#4
 とりあえず皇殉(こうじゅん)も父親も北海道にいる(かんなの超強運のおかげ)ということで一行は北海道へ
 北海道、新千歳空港
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「待っていたぜ與鷹(よたか)、では死ねぇッ!」
 空港から出た瞬間、待ちわびていたのか、梶太郎(かぢだろう)が襲い来る。
與鷹(よたか)「まぁ、ここらで来るとは思っていたけどな……」
 ドゴンッ
梶太郎(かぢだろう)「ぐへぇ!?」
 もはやお馴染みの出来事になりそうな感じではある。軽くあしらってカウンターを叩き込む與鷹(よたか)※このままだと永遠に梶太郎(かぢだろう)與鷹(よたか)に勝てない気がするが……
高藷(こうしょ)洲葎(しゅうりつ)「ななな、なんですか!?」
 当然、二人にとっては驚愕でしかない
與鷹(よたか)「あ〜、なんだ、その……気にしないでくれ」
 頬をポリポリ書きながら與鷹(よたか)が呟く
高藷(こうしょ)洲葎(しゅうりつ)「いや、気になりますよ!」
総介「今はそんなことをやっている場合ではない!」
與鷹(よたか)「……」
 いや、もとはと言えば総介が言い出したことが原因で今の状況に至っているので與鷹(よたか)としては複雑な気持ちだ
與鷹(よたか)「で、総、これからはどうするんだ?」
桜「情報収集のためにはまずは大学の方に行ってみるのはどうでしょうか?」
 與鷹(よたか)の問いかけに対して、総介ではなく、桜が答える。
 他に妙案もないため、一行は鶺鴒大学へと向かうのであった。
 そこでは、皇殉(こうじゅん)がガサ入れを行ってる最中であった。
 『我々の捜査の邪魔をするということは日本と中国の外交問題に発展する!』なんて言われれば、鶺鴒大学の連
中はその言葉に従うしかなかった。
*「チッ、何一つ有効な手掛かりが残されてない……」
*「全てのデータを持ち逃げしたということか……おのれ……」
総介「まぁ、自分の研究成果を奪われないようにするのは当然のことだな……」
*「なんだ?貴様らは!?」
総介「SRAPだ!」
 バシっと警察手帳を突き付けて総介が叫ぶ
*「公安か……だが、我らは中国政府直轄の特務機関、そのようなものなど……」
*「いや、待ってください、SRAPと言いましたよ、あいつ」
*「何だと!?まさか?!」
 総介の登場にざわつく皇殉(こうじゅん)の連中。
 総介の威光はここにも通用する……のか!?


続

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