Eighter -Blindness Wizard-
19ther 〜騒乱戯画京都大火 B〜
#3
七罪塔が《自尊(》ルシュファーと死合う権利を賭けて、Eighterとシレントワイザードとが激突する。
梓與鷹(「真書須らく翻れ(!」
テノ「だるだる〜〜」
與鷹(が叫ぶと、テノが間の抜けた声で答える。
さておき、テノの姿が綴じ合わせが解かれた本のように無数の紙片となりて宙を舞い、與鷹(を覆う鎧となる。
フキエル「そうか、貴様が古の魔術師、ディエクーラウ・アズルサの孫か!」
與鷹(「いや、違うけど……」
孫じゃなくて、子孫だぞ。
フキエル「なっ、じゃあ、まさか……先祖!?」
なんでそうなんねん!発想が可笑し過ぎる。
戦闘バカというか、最早ただの馬鹿だ……
フキエル「フッ、戯言はここまでだ」
いきなりキリリと顔を引き締めて一足飛びにかかるフキエル。
ガキンッ
與鷹(「うおっとっ」
迫りくる魔形刀(の水刃を魔力で強化した拳で受け止める與鷹(。
與鷹((少し油断していたとはいえ、今のは肝が冷えた……)
フキエル「最近魔術師に目覚めたばかりとは思えない魔力……これが魔術師の血統か……」
だが、シレントワイザードの魔術師として負けるわけにはいかないんだよ!と一旦距離を置くフキエル。
フキエル「圧し潰す水塊(!」
ズバ〜〜ンツ
與鷹(「窿狼遍厳(!」
ズババッガドッ
與鷹(めがけて水の塊を降り注がせて押しつぶしにかかるフキエル。
対して與鷹(はまず右手の手刀で十字に切り裂くと同時に左手で水の塊を掴み、引き寄せると同時に蹴り上げる。
フキエル「なるほど、それが貴様の召喚呪術か!」
與鷹(「いや、ただの拳法だが……」
と、言うか、與鷹(は召喚呪術を一度も使っていない。
そもそも使えるのだろうか?……いや、古の魔術師、ディエクーラウ・アズルサの子孫たる與鷹(なら見様見真似
でなんとなくできてしまうかもしれない。
だが、與鷹(は生粋の拳法家なので余程の事がない限り召喚呪術を使わないだろうけどね……
フキエル「ならば、貴様の拳法……その全てを見せてもらおうか!」
與鷹(「そう簡単に全て見せるわけにはいかないな」
ガンッ
ガガガガッ
片や剣、片や拳……だが、しかし激しいつばぜり合いが繰り広げられる。
與鷹((いける!)
最近はかんならがシレントワイザードや七罪塔(らと死合うのをただ見守ることしかできず忸怩たる思いをしてい
た與鷹(にとって、自分が矢面に立って死合えることは大変喜ばしいことだった。
なお、そんじょそこいらの有象無象は力を手にした途端慢心して敗北するという悲しい結末を迎えることがある
が、與鷹(は力を手にしても驕ってはいないのでまぁ、大丈夫でしょう。
#4
エランドラ「ハッハ〜〜!行くぜおらぁ!」
ドゴンッ
白拍子かんな「くっ……」
一方、エランドラとかんなもまた、死合を開始していた。
力に物を言わせて冗談から緑色の炎の大剣を打ち下ろすエランドラと、茜瑙哭(の加護を受けてそれをなんとか受
け止めるかんな。
なお、ここで重要なポイントは、かんなは茜瑙哭(の加護を受けてはいても、茜瑙哭(覚醒はしていないということ
だ。
つまり、かんなはまだ全力ではない。
※はい、ここテストに出るよ(いや、どんなだよ!)
エランドラを倒した後、ルキとも死合わないといけないことを考えると当然といえるが……
エランドラ「貴様はまだ全力を出していないな?」
かんな「では、あなたはどうなんですか?」
何度か刃を叩き合わせたのち、ふと、エランドラが問いかけ、かんなは質問に質問で返してみる。
エランドラ「ガッハッハッハ!そりゃ当然よ!俺ぁ貴様と違って貴様を倒した後、シード枠で待ち構えているあい
つをトッ捕まえるって仕事があるんでな!」
いや、それ、かんなの方も大体同じですから……
エランドラ「だが、いいだろう!ツンデレメイドの土産に貴様に俺様の真の力を見せてやろうじゃねぇか!」
※『ツンデレ』はいらんから!……ってか、そもそもそれは"めいど"違いですから、残念ッ!
そう叫ぶとエランドラは左手を懐に突っ込み、もう一本魔形刀(を取り出す。
エランドラ「碧玉の荒ぶる双炎に照らされし灼熱の魔星、その御力、我が牙となりてここに顕現せよ、シャガイ」
緑の炎の大剣が二本!
エランドラ「戦いは、数だぜぇ!」
……だが、それはなんとも頭の悪い考え方だった。
重量兵器たる大剣を小枝の様に左右で振るうということはすさまじい体力馬鹿……のように見えるが、実際は魔
術で作られた刃なので体力はあんまり関係ない。
エランドラ「おらぁっ!揺らぐ炎の羽撃(!」
ズゴアンッ
左右の大剣を力任せに振るい二つの緑の炎の渦を巻き起こしかんなに叩き付ける
かんな「鳳鸞舞刃(!」
ドンッ
対してかんなは横薙ぎ一閃。剣閃と共に平安を齎(す鳳凰が解き放たれ炎の渦を抑え込む。
Eighter VS シレントワイザード……勝つのはどっちだ?!
続
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