Eighter -Blindness Wizard-
7ther 〜迅速な怠惰の狂宴(クイック・スロウス) B〜



#3
 山梨県、結彷徨(おちなし)中学で起きた凶事。
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を巡ってシレントワイザードとEighterが激突す!
 かなりがエランドラと死合い、かんなは七罪塔(しちざいとう)と死合う。
 ここで死合はかなり VS エランドラからかんな VS ゴールへと移動します。
弑野阿朱子(しいの・あしゅこ)「遅い、遅い、遅い!この程度で僕を斃そうだなんて一億二千年早いんだよ!」
※なぜ一億年と二千年なのか……
 ひゅんひゅんひゅんひゅんっ
白拍子かんな「……」
 目にもとまらぬスピードで移動し続けるゴールに手も足も出ないかんな。
 いや、正確には手も足も出ないわけではない。ゴールの挙動は持ち前の超運で捉えている。
 先ほどからゴールが高速移動を繰り返すだけで攻撃に移らないのは、攻撃しても失敗することが目に見えている
からである。
阿朱子(あしゅこ)(チッ、忌々しいことこの上ないが、隙がない……)
 動かざるかんなと動き続けるゴール。
 これは、静と動の膠着だ
※いや、静と動の膠着って静 VS 動で膠着するって意味じゃないんじゃ?
 これが通常の人 VS 人の死合であったならば、常に移動し続けているゴールが次第に劣勢となるはずであるが、
今回はそうはいかない。
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)が人より前にヘバることはない!
 ……とは思うのだが、いかんせん、今ゴールは弑野阿朱子(あしゅこ)という人間(パーツ)を駆使して死合ってる状態だ。
 で、あるならば、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)よりも人間(パーツ)の肉体の方が先に限界を迎えるのは必定。
阿朱子(あしゅこ)(まさか、人間(パーツ)の稼働限界を超えるのを待っている!?)
 いや、かんながそんな酷なことを考えて死合っているわけないのですが……
かんな(このままでは埒があきませんね……)
 ならば、打って出る!
 膠着状態を打破すべく先に動いたのはかんなだった。
阿朱子(あしゅこ)(来るか!)
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 キィインッ
阿朱子(あしゅこ)「だが、遅いッ!」
 かんなが斬撃を繰り出してから動いても間に合うほどのスピードの持ち主!それがゴール。
 だが、それもかんなにしてみれば予測済みだった。
 閃く斬撃。応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍は阿朱子(あしゅこ)が回避した先の地点に襲い来る
阿朱子(あしゅこ)「な、にぃ!?」
 いかに早く動けても、先を予測されれば、もう何も怖くない!
※何故ここで唐突に死亡フラグ?
阿朱子(あしゅこ)「ッ!……蝕無戴漫(しょくむたいまん)!」
 ズドオンッ
 虚を突かれたが、すぐさま盲いた蘭学(ブラインド・ダッチ)を振りぬき迫る応龍(おうりゅう)を無力化させる。
阿朱子(あしゅこ)「未来予測?」
 いや、超運のなせる技ですよ?

#4
阿朱子(あしゅこ)「おのれ、《キツネザルの使徒》ッ!」
 ギロリとかんなを睨み付ける阿朱子(あしゅこ)。
 それは、ゴールの持つスピードという優位性が失われた瞬間であった。
阿朱子(あしゅこ)「だが、この程度で勝った気に……」
かんな「まさか……」
 最後まで言おうとした矢先、かんなに被せられる。
阿朱子(あしゅこ)巫山戯(ふざけ)るなぁ!」
 ドドドドッ
 ゴールは先ほどよりも速くかんなの回りを移動する。
 先ほどまでのスピードがア〇セルだとすれば、今回はダブルアク〇ルといったところだ。
阿朱子(あしゅこ)「だが、このスピードでも貴様はッ!」
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 キィンッ
 再び持ち前の超運による移動地点の予測と、そこへ解き放つ応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍
阿朱子(あしゅこ)「だが、甘いッ!」
 スカアッ
 確かに、阿朱子(あしゅこ)が移動するであろう地点に応龍(おうりゅう)は迫った。しかし、すんでのところでそれは回避される。
阿朱子(あしゅこ)「加速中に加速を行うには一旦立ち止まる必要があるだなんて誰が決めた!」
 謎の叫びだった。
 ……と、ともかく、これはダブル〇クセルではない!ノンインターバルダブルアクセ〇だ!って叫んでいるよう
なゴールであった。
※このままいくとトリプルア〇セルとかクワトロフルアク〇ルとか出てきそうな勢いですね。
かんな「いえ、甘いのはそっちですよ?」
 ゴガッ
阿朱子(あしゅこ)「何ぃ!?」
 いつの間にかかんなは第二撃も放っていた。平安を(もたら)す鳳凰……それが今、ゴールの目前に迫る
阿朱子(あしゅこ)「だが、無駄だッ!蝕無戴漫(しょくむたいまん)!」
 ズドンッ
 ゴールには全てを無力化する最大の切り札、蝕無戴漫(しょくむたいまん)がある。
 応龍(おうりゅう)と同様に蝕無戴漫(しょくむたいまん)の前に砕け散る鳳凰。
かんな「いえ、足止めできればそれで、十分です」
阿朱子(あしゅこ)「足止め!?」
 ドガンッ
阿朱子(あしゅこ)「ぐあああ!?」
 鳳凰の更に先、かんなが神滅超越者(ラグナロクエクセル)を上段に構え立っていた。
 そして、一気に振り下ろされる神滅超越者(ラグナロクエクセル)。
 どんなに早く動けても、攻撃を繰り出した後は一瞬の隙が生じる!……かんなはまさにそこを突いた一撃を繰り
出したのだ。
阿朱子(あしゅこ)「おのれ、《キツネザルの使徒》……」
 かんなを睨み付けつつ、バリバリっとまるで変装を解くかのように阿朱子(あしゅこ)を脱ぎ捨てるゴール。
ベルフェゴール「最早この姿に意味はない……」
 ガワだけが阿朱子(あしゅこ)で、中身はゴール……だが、そんなものも今となっては何の意味もない。
※え?憑依してたんじゃなかったの?って……いや、誰もそんなこと言ってない……と思うよ?(なぜ弱腰?)
 で、あれば、ベルフェゴール本来の姿で死合うのが最適。
ベルフェゴール「殺す!」
 さぁ、第二ラウンドのゴングは鳴った!


続

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