Eighter -Blindness Wizard-
1ster 〜動き出した七罪塔 B〜
#3
警視庁最強(自称)のサイバーテロ対策の第一人者 VS 桜のハッキング対決は一瞬で終わった。
ただ、それは無理なからぬ話でもある。桜が総介から借りたモバイルギアはただのモバイルギアではない、オー
パーツCPの情報端末(、OCTUだったからである。
情報独立網端末(すらハッキング可能なオーパーツCPを相手に、現代科学のコンピューターではもとより勝ち目な
どなかったということだ。
そして、それは闇の職安にも言える。
天四斗(、Eighter本部
上(総介「と、言うわけでだ、闇の職安を解体するために力を貸してもらうぞ」
梓與鷹(「……」
警視庁を後にした総介はすぐさま北陸新幹線を駆使して富山県、天四斗(のEighter本部へ向かう。
そして、何の説明も行わず協力を要請するのであった。
與鷹((もう、この際だから総がいきなりやってきて依頼をしだすのはまぁ、いいけど……)
山咲(桜「闇の職安についての情報を知りたいのでしょうか?でしたら……」
與鷹(「あ〜、それは、いい……」
左手を額に翳し、右手で桜を制止しながら與鷹(は呟く。
既に與鷹(も闇の職安に関する情報はニュースなどで得ているからだ。
與鷹(「こっちは今七罪塔(とかアスモデウスについて整理をしていたところなんだが……」
総介「フン、そんなものは行きがけの駄賃として教えてやる」
與鷹(「いや、あの……」
最近、総介の態度がますます横柄になっている気がする……
白拍子かんな「闇の職安ですが、元締めのサーバは歴史の墓場にありますね……」
と、そこへかんなが推参、ぽろっと重要な情報を漏らす。
総介「やはり……か……」
與鷹(「なっ、まさか……場違いな黒き遺物(?!」
歴史の墓場にあると聞いて、與鷹(はぎょっとする。
総介「だから行きがけの駄賃に教えてやると言っている」
総介「いや……」
言葉が足りな過ぎてとてもそうとは思えなかったんだが……と心の中で文句をたれる與鷹(であった。
ふぉんっ
と、突如その時、空間スクリーンが展開され、ルシャも推参
ルシャーティー・エィユゥミス「3ヶ月と18日と5時間38分15秒ぶりですね。では、歴史の墓場へご案内します」
與鷹((ルシャと逢うのもすごく久しぶりだって思ってたら案の定だよ……)
律儀な挨拶だなぁ……と與鷹(は思うのであった。
※と、言うか、呼ばれないときは彼女は一体何をしてるのか、私、気になります。キラキラキラキラ〜♪
さておき、一行は歴史の墓場へと足を運ぶのであった。
#4
歴史の墓場
総介「七罪塔(というからにはアスモデウスを含めて七人いるというのは分かるだろ?」
與鷹(「それは、まぁ……」
歩きながらそんな会話をしだす一行
かんな「七つの大罪……は分かりますよね?」
與鷹(「まぁ、少年マ〇ジンやらホビージャ〇ンやらでも取り上げられているから、知ってはいるが……」
つまり、七罪塔(とは七つの大罪のことなのか?!と與鷹(が思っていると桜がこう告げる。
桜「七罪塔(とは七つの大罪に類するモノ……いや、あるいは、七罪塔(こそが七つの大罪のモチーフかもしれません
……」
※この世界での話ね。
総介「アスモデウスは《色欲》を司る悪魔……そして、残りの六つは……」
與鷹(「《嫉妬》、《憤怒》、《強欲》、《暴食》、《怠惰》、《傲慢》……か……」
かんな「いえ、七つの大罪ならば《傲慢》ですが、七罪塔(は《自尊》ですね……」
が、しかし、かんなが與鷹(の発言を訂正する。
與鷹(「え!?」
※なぜ《傲慢》じゃなく、《自尊》なのか……それはプライドって聞いて《傲慢》じゃなく《自尊》が思い浮かん
だからさ……
総介「七罪塔(とは七つの大罪の原罪(……」
與鷹(「じゃあ、七罪塔(の《自尊》が七つの大罪では《傲慢》に代わっているのは何故なんだよ?」
総介「フン、『"自"分しか"尊"重しない』ことをいつしか『傲慢』と呼ぶようになったんだろう」
與鷹(「は、はぁ……」
私は今、南の一ツ星を見上げて誓った♪(いや、それPride違いッ!と、言うか何故この場で?!)
※あくまでこの世界ではこうなんです……そう、悪魔でこの世界では!!(をい)
総介「そら、見えてきたぞ……」
そんなことを話しているうちに、一行は目的地にたどり着く。
與鷹(「なっ、アレはぁ?!」
そこには一枚のカオスプレートと、一人の少女が佇んでいた。
與鷹(「そんな馬鹿な!奴は、森メメント!?」
更に驚きを隠せない與鷹(。
それも無理なからぬ話である。なぜならば、そこに居た少女はかつてEighter一行に戦いを挑んできて、その果
てにはアスモデウスらの手によって廃棄された場違いな黒き遺物(の中位存在、森メメントだったからである。
森メメント「ザザ……お前たちHA……なんDEあるKA……ザザ……」
死んだような眼と全体的にノイズが走る体でそんなことを語り掛けてくるメメント
與鷹(「こいつは、一体、どういうことだ!?」
*「……森メメントのバックアップデータってところかな……最も、大分破損しているみたいだけど……」
與鷹(「なっ!」
突如として聞こえ出す謎の声、いつの間にかそこには《シルエット》が佇んでいた。
こいつも空虚で得体の知れない謎の存在……
奴がこの場に出現した意図は何か!?
続
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