Eighter -Bizarre Investigate-
53rder 〜其ハ鉄ナル災禍深(サイカシン) B〜



#3
鍼樹雑師(はりき・ぞうし)「ソテツ味噌ってのが奄美大島の特産品だってんなら、やっぱり自殺なのでは?」
(かみ)総介「あぁ?」
雑師(ぞうし)「ヒィ、すいません……」
 ギロリと総介に睨まれて、身が竦む鍼樹(はりき)警部であった。
山咲(やまざき)桜「では、あなたはフグの調理師免許を持った料理人がフグの毒を処理せず料理すると思いますか?」
警官「た、確かに、言われてみれば……」
 奄美大島に住んでいる人ならばソテツに毒があることは百も承知
警官「ですが、自殺するために郷土の素材を用いたという可能性はないんですか?」
桜「自殺前提で捜査を進めるからそんな発想になるんです」

総介「山咲(やまざき)!ホトケを可愛がっていたという四人の教師は?」
桜「あ、はい。こちらです」
 これ以上無能警官と話していても百害あって一利なし。と、いうわけで総介は神戸県警の連中を無視して捜査に
かかる。
桜「紫田裕介、廾部(きょうぶ)峻、左志田央和(さしだ・おうわ)長谺川隹戈(おさがかわ・すいか)の四人が問題の教師です」
総介「フム……」
 しかし、総介らはこの四人が怪しいと睨んでも、確証がなかった。
 おそらく、女子生徒に性行為を働いていたのもその四人なのだろうが……しかし、子供の証言が決め手になるこ
とは難しい……
総介(おそらくは学校ぐるみで事件を隠蔽しているのだろう……つくづく巫山戯(ふざけ)ている……)
総介「……行くぞ……」
桜「はい」
 あることを思いついた総介は神戸県警を後にするのであった。

 神戸、某所
総介「鳥嶋洋平だな……」
鳥嶋洋平「ななな、なんですか、貴方は!?」
総介「(かみ)総介……警官だ」
洋平「警察!?……警察が一体何の用で!?」
 総介がやってきたのはホトケと同じくして新米教師になった鳥嶋洋平のアパートである。
総介「貴様は知っているな?」
洋平「な、なにを!?……いや、俺は何も知らない!」
総介「語るに落ちたな……何も問いただしてないのに、知らないなどとぬかすのは知っている証拠だ!」
洋平「うっ……」
総介「貴様、見ていたな!」
洋平「し、知らない。俺は……知らないんだ!」
 総介の手によって胸倉をつかまれているため、逃げ出すことは不可能だが……しかし、頑なに知らないと答える
洋平。
 おそらく先輩四人の教師に脅されているのだろう。

#4
総介「貴様があの四人のクズを庇ったところでためにならんぞ!」
洋平「なっ、何を言っているのか、俺には……分からないな……」
総介「そうか、貴様は浦賀梨郎と同じような目に遭いたくなくて、そっち側に行ったということか!」
 全ては保身のために……とんだゲスもいたものだ!
洋平「とにかく、俺は……」
 シュカッ
洋平「ばかっ!?……」
 その時、どこからともなく矢が飛んできて洋平の脳天をぶち抜く。
 見事なヘッドショットだった。
総介「クソッ!」
 ドカンと近くの壁に拳を叩きつける総介。
 疑わしきは全て消す……あの四人の教師は常軌を逸していた。
桜「(かみ)警部……」
 悲痛な面持ちで総介を見つめる桜。
 余談ではあるが、この場には先ほどまで総介と洋平しかいなかった。
 では、桜はどこへ行っていたのか……それは、この後わかる。
 ズボッ
総介「この矢を鑑識に回す……この俺を敵に回したことを後悔させてやる!……必ずだ!」

 翌日、総介は桜と共に再び神戸市立西雛鶴まきを小学校を訪れていた。
峰岸清三「そ、そんな……鳥嶋先生が何者かに殺された!?」
総介「あぁ……」
清三「くっ、また惜しい人材を一人亡くしてしまったのか……」
 と、嘆き悔やむ校長。
総介「この矢に見覚えは?」
清三「さ、さぁ……」
 それが一体?と首を傾げる校長
桜「この矢は鳥嶋洋平殺害に使われた矢です」
一同「やややっ!?」
 お前ら巫山戯(ふざけ)てんのか!と総介は心の中で叫んだ
清三「しかし、警部さん、我が校に弓道部なんてありませんけどね?」
総介「弓道部があろうがなかろうが、弓をやっていたヤツはいるだろう?」
清三「そんな人がウチに!?」
 あくまで白を切るつもりか……それとも、本当に知らないのか……まぁ、そんなことはどうでもいい。
 ここからは断罪の時間だ。
 さぁ、お前の罪を数えろ!と言ったところである
※なぜ仮面ライダーやねん!
総介「左志田央和(さしだ・おうわ)!……お前は学生時代、弓道部のエースだったそうだな」
左志田央和(さしだ・おうわ)「昔の話ですよ……」
 それに、剣道部との交流試合で負けてから弓に触ったことはないんですよ……とか言い出す。
※いや、剣道と弓道の交流試合ってどんなだよ!

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