Eighter -Bizarre Investigate-
37ther 〜暴走特急の鎮魂歌(レクイエム)



#0
 日本の新幹線……それは無事故神話を誇る無敵の乗り物……だったんだけどねぇ……
 と、いうわけで、今回はそんな不敗神話敗れたり!という事件簿である。

#1
 兵庫県、尼崎
 ドキキキキキキキキキキッ
*「と……止まらないッ!!」
 ズドガシャアアアアアアアッ
 特急がものすごいスピードでカーブをつきぬけ、そのまま近くにあったアパートへと激突……搭乗者の殆ど全員
が即死という大惨事が発生した……

 事件の翌日……
例泥馬供(れいでい・めきょう)「ヒデェな……こりゃ……」
警官「例泥(れいでい)警部……この事件による生存者は僅か2人……」
警官「しかも、驚かないで下さいよ……その……生存者の2名なのですが……」
 そして、告げる警官
 1人目の生存者は東郷大介……他人を殺してでも生存してやるという人物で事件当時、自分の前後左右の人を肉
の楯に衝撃を殺し生存した漢である……
 そして、2人目の生存者は願自殺志(がんじ・さつし)……他人を巻き込んででも自殺してやるという人物で事件当時、『俺と一緒
にあの世へ行こうぜ〜』とか言いつつ無理心中を図るも、結局生き残ってしまった漢である
馬供(めきょう)「フム、奇しくも両極端な2人が生き残った……と、いうことか……」
※ってかどんな生存者だ!
 ちなみに、2人目の生存者の願自殺志であるが、首つり自殺をしようとすれば、ロープがぶっちぎれ生存し、飛
び降り自殺をすれば木がクッションとなり生存し、リストカットをしようとすれば剃刀の刃が腕に引っかかってそ
のまま引っこ抜けて生存し、踏切に飛び込んで自殺しようとすれば運よく列車が素通りし、生存し……と数々の
自殺を行うも全て、奇蹟的に生存しているのだ……まるで、神が彼を活かし続けているかのごとく……
 ……彼は神に『生きろ!』という呪いでもかけられているのだろうか……
馬供(めきょう)「線路を脱線し、近くにあったアパートへ激突。猛スピードで激突したため12両あった車両の半分が押しつぶ
されぺしゃんこに……」
警官「例泥(れいでい)警部、どうやら速度超過……というような問題ではないようですな……」
馬供(めきょう)「……」
 と、言うわけでこの事件で連日のように謝罪と抗議の嵐が吹きすさぶ……
警官「例泥(れいでい)警部、鉄道業界はアレですね……ちょっとでも発射時刻などに遅れたらイジメのような教育が施される
とのことで……」
馬供(めきょう)「フム、今回の事件もそういった類の果ての事件なのか……」
警官「……ですが、例泥(れいでい)警部……あの特急を運転していた運転手、菅野忠夫氏はそのようなことが無かった……と
のことですが……」
馬供(めきょう)「……じゃ、なぜ!?」

#2
上総介「それを調べるのがお前ら……、いや、俺ら警察の仕事だ……」
警官一同「!!!!」
 無能警官が首をひねっている時にこそ、颯爽と登場するのが上総介という漢である。
警官「……上警部……いや、確かに……そうですが……」
山咲桜「無駄口を叩いてないで……」
警官(警官じゃない人に言われたくないよな……)
馬供(めきょう)(……確かに……)
総介「で、調査の結果だが……」
 そして、そんな無能警官を軽く無視して総介は事件の根幹へと迫る
桜「ひしゃげた第一車両には大幅な車両改造の跡が見受けられました……」
総介「……ふむ」
桜「そして、菅野氏ですが、昔から暴走族にあこがれていたそうです」
警官「暴走族に憧れていたってどんな人間ですか!!」
 ……しかし、またしても無能警官の言葉を無視する総介……
総介「……他には……例えば電子工作が得意だったとか……」
桜「あ、はい。そうです」
警官「あの、上警部……」
馬供(めきょう)「もしもし、上警部……」
総介「……そうか……なるほど……」
警官「上警部!?」
総介「……つまり、この事件の全ては菅野氏にあると言うことだ……」
馬供(めきょう)「……あの、上警部……それは!?」
桜「つまり、死亡した菅野氏は暴走族に憧れ……いえ、早く走り抜けるものなら何でも良かったんでしょう……」
警官「……まさか……」
桜「はい、事故を起こした列車は菅野氏のカスタムメイドだったというわけです」
総介「そして、その違法改造を施した列車がカーブを曲がりきれずにこのような大惨事となったわけだ」
警官一同「……」
 総介のトンでもない推理に一同唖然とする……
 ……そもそも列車を一個人が改造して、それを会社(JR)が発見できないというのはおかしい……と、いうか、
そもそも、列車は使いまわしなんだから、勝手にある列車を改造しても、それを必ず運転できるという保証はどこ
にもないのだが……
 しかし、そんなことが起こってしまうのが今の鵺帛主世界の凄いところである
※本当かよ……
総介「……行くぞ、山咲」
桜「はい、警部」
警官「あ、上警部……待ってください……」
 ……こうして、事件は幕を閉じた(本当に?)

#3
 ……で、結局、その事故現場は有名な心霊スポットとして数多くのオカルトマニアが連日詰め寄せていると言う
……


END

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